こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
フランスを代表する名靴として、多くの靴好きを虜にするパラブーツ。その中でもアイコン的存在であるシャンボードですが、実はスエードモデルに惹かれているという方も多いのではないでしょうか。
定番のリスレザーとは一味違う、あの柔らかな風合いと上品な佇まいは本当に素敵ですよね。ただ、シャンボードのスエードについては、サイズ感や雨の日の強さ、さらには公式サイトで見かけないといった疑問や不安の声もよく耳にします。
今回は、私自身が感じているシャンボードのスエードの魅力や、気になる手入れの方法、そして別注モデルの探し方まで、一歩踏み込んでお話ししていこうと思います。この記事を読めば、あなたが抱えている悩みもきっと解消されるはずですよ。
シャンボードのスエードが持つ魅力と別注品の秘密

パラブーツのラインナップを見ても、意外と見当たらないのがシャンボードのスエードモデル。ここでは、その希少性やカラー選びの楽しさについて、私なりの視点で深掘りしていきます。
別注限定のモデルはどこで買える?

シャンボードのスエードを探し始めた方がまず直面するのが、「パラブーツの公式オンラインや直営店に意外と置いていない」という事実かもしれません。実は、シャンボードのスエード(Velours)モデルの多くは、特定のセレクトショップが企画した別注品として流通しています。
もちろんフランス本国でのインライン展開もありますが、日本国内で私たちが手に入れやすいのは、ユナイテッドアローズやビームス、エディフィスといった有名ショップがオーダーしたモデルなんです。
なぜ別注が多いのかというと、パラブーツ側が「シャンボード=リスレザー」という看板を大切にしている一方で、日本のファッションマーケットではスエードの需要が非常に高いため、ショップ側が独自に発注をかけるという構図があるからなんですね。
そのため、購入を検討する際はパラブーツの公式サイトだけでなく、各セレクトショップの新作予約会やオンラインストアをこまめにチェックすることが重要になります。
シーズンごとの入荷サイクルを狙う
こうした別注品は、春夏の「ベージュ・サンド系」や、秋冬の「ブラウンスエード・黒スエード」といった具合に、季節に合わせて入荷することが多いです。一度完売してしまうと、次のシーズンに同じ仕様で再販される保証はありません。
まさに一期一会の出会いとも言えるので、自分のサイズを見つけたときは、少し勇気を出して決断する価値がある一足だと思っています。私自身も、理想のサンドベージュを探して何店舗もハシゴしたことがありますが、あの苦労も込みで愛着が湧くものですよ。
ユナイテッドアローズなど別注モデルと通常品の違い
別注モデルの面白いところは、単に素材がスエードになっているだけではなく、随所にそのショップらしいセンスが盛り込まれている点です。例えば、ユナイテッドアローズの別注品によく見られるのが、パラブーツの象徴である「グリーンのタグ」を取り払った仕様です。

タグがないことで、カジュアルな印象が強かったシャンボードが、一気にドレススラックスにも馴染むクリーンな顔立ちになります。これは、ビジネスとカジュアルをシームレスに行き来したい現代のニーズをよく捉えていますよね。
また、インソールのロゴがショップとのダブルネームになっていたり、ライニング(裏革)の色がインラインとは異なる明るい色味に変更されていたりと、脱いだときの特別感も格別です。他にも、ステッチ(縫い糸)の色をアッパーの色に近づけて目立たなくしたり、逆にコントラストを効かせたりと、細かなディテールで印象をコントロールしています。
ステッチやコバの細かなアレンジ
さらに踏み込んだ別注だと、コバ(ソールの縁)の仕上げや、ノルヴェイジャン製法のステッチの太さを微妙に変えていることもあります。通常品よりもコバを少し削り込んでボリュームを抑え、ポッテリ感を軽減させてシャープに見せているモデルなんかもありますね。
こうした「一見するとシャンボードだけど、どこか違う」という通好みのこだわりを楽しめるのが、別注スエードモデルの最大の魅力かもしれません。定番の武骨さを残しつつ、洗練されたエッセンスが加わった姿は、何度見ても惚れ惚れします。
コーデに映える黒やベージュ

シャンボードのスエードを選ぶ際、まず候補に挙がるのは「黒(Noir)」と「ベージュ(Sable/Sand)」の2大カラーでしょう。黒スエードの良さは、なんといってもその汎用性と上品さです。
表革の黒い革靴だと少しキメすぎかな?と感じる場面でも、スエードの起毛感によるマットな質感があれば、デニムやチノパンに合わせても足元が浮きません。モノトーンコーデに取り入れれば、質感のコントラストで着こなしに奥行きが出ますし、少しモードな雰囲気さえ漂います。大人の休日スタイルには、これ以上ないほど重宝するカラーですね。
一方で、ベージュのスエードはパラブーツらしい「フレンチアイビー」の精神を最も体現している色だと感じます。特に少し太めの軍パン(M-47やM-65)や、リジッドデニムとの相性は抜群です。ベージュの明るい色味が足元にくることで、全体のコーディネートがグッと軽やかになり、こなれた印象を与えてくれます。
シーン別・スタイリングの考え方
私がおすすめしたいのは、季節感を色で表現することです。例えば、春先にはベージュのスエードで軽やかさを出し、冬の重たくなりがちなウールコートの足元には、黒スエードで全体をグッと引き締める。
スエードという素材自体に温かみがあるので、どんな色を選んでも優しい印象になりますが、黒とベージュの2足があれば、正直どんな服にも合わせられてしまうくらいの万能さがありますよ。
サンドなどのカラーバリエーションと色の選び方
シャンボードのスエードには、他にも魅力的なカラーが揃っています。特に「サンド(Sand)」は、ベージュよりもさらに砂のような乾いた質感が強く、アメリカンカジュアルな雰囲気も持ち合わせています。
他にも、こげ茶に近い「ブラン(Brun)」や、少しオレンジがかった「ゴールド(Gold)」のようなスエードも存在し、それぞれのショップが独自の解釈でカラーを選んでいます。
色選びで迷ったときに意識してほしいのが、「普段よく履くパンツの色との相性」です。例えば、ネイビーや黒のパンツを多用するなら、足元を明るく見せるサンドやゴールドが非常に映えます。

逆に、カーキやベージュのチノパン、グレーのウールパンツをよく履くなら、全体を馴染ませるブラウンや、引き締める黒が相性抜群です。色のコントラストを強く出すのか、それともワントーンでまとめるのか、その方向性を決めるだけで自分にぴったりの一色が見えてくるはずですよ。
リスレザーとの違いから見る起毛素材の良さ
シャンボードといえば、油分をたっぷり含んだ「リスレザー」が代名詞ですが、あえてスエード(Velours)を選ぶ理由は、その圧倒的な「初期の快適性」にあります。リスレザーは非常にタフで頑丈な革ですが、その分厚みがあり、馴染むまでは「修行」と呼ばれるほど足に痛みを伴うことがあります。
特にかかとの食いつきや小指の当たりに苦労する方が多いのも事実。それに対し、スエードは革の繊維が起毛されており、最初から組織が非常に柔軟なんです。足を入れた瞬間に優しく包み込まれるようなフィット感は、スエードならではの特権ですね。
また、スエードは傷が目立ちにくいという実用的なメリットもあります。表革だと一度深くついた傷は修復が難しいですが、スエードなら多少の擦り傷はブラッシングで毛並みを整えればほとんど気にならなくなります。この「気兼ねなく履ける」という安心感は、デイリーユースする靴としては非常に大きいのではないでしょうか。
経年変化(エイジング)の表情の違い
リスレザーは履き込むほどにツヤが増し、履きジワが深く刻まれる「武骨なエイジング」が魅力ですが、スエードは履き込むことで毛並みが寝てきたり、色が少しずつ褪せてきたりすることで、よりヴィンテージ感のある「こなれた表情」へと変化します。

この柔らかい変化を好む人も多いですし、実際、フレンチカジュアルの文脈ではこの少しくたびれたスエードの風合いが最高にカッコいいとされています。履き始めの快適さと、長く愛用した後のこなれ感。その両方を手に入れられるのが、スエードモデルを選ぶ最大の良さかなと思います。
中古市場で探す際の注意点
別注品が多いため、新品で希望のモデルが見つからない場合、メルカリやヤフオクなどの二次流通を頼ることも多いですよね。中古市場でシャンボードのスエードを探す際は、いくつか絶対に見ておくべきポイントがあります。
まず最も重要なのが、「アッパーのテカリや黒ずみの有無」です。スエードは水分や油分、あるいは摩擦によって毛が寝てしまい、その部分だけがテカテカと光ってしまうことがあります。特にベージュなどの薄い色は、デニムの裾から色が移って青黒くなっていることもあるので、掲載写真のつま先と履き口周りは念入りにチェックしてください。
また、かかとのライニング(内側の革)が擦り切れていないかも確認しましょう。シャンボードはかかとが大きめの作りなので、前オーナーがサイズを無理して履いていた場合、内部が激しく摩耗していることがあります。外見が綺麗でも、内部にダメージがあると修理費がかさんでしまいます。
保管状況とメンテナンス履歴の確認
「防水スプレーを定期的に使用していたか」を質問してみるのも一つの手です。スエードは手入れが命なので、何もケアされずに乾燥しきった個体だと、革が硬くなっていて履き心地が悪くなっている可能性があります。
逆に、適切にブラッシングされ、栄養補給されていた一足なら、中古であっても非常に良い状態で長く付き合えるはずです。中古購入は賢い選択肢の一つですが、スエードは表革よりもコンディションの差が出やすい素材だということを、頭の片隅に置いておいてくださいね。
シャンボードのスエードを長く愛用するための実用ガイド

せっかく手に入れたシャンボードのスエード、できるなら10年、20年と履き続けたいですよね。ここでは、後悔しないためのサイズ選びと、日々のケアの極意をお伝えします。
失敗しないサイズ感と選び方

シャンボードのサイズ選びにおいて、最も重要なアドバイスは「タイトめを選ぶこと」に尽きます。一般的に、スニーカーサイズからマイナス1.0cm〜1.5cm程度が良いとされていますが、スエードモデルの場合はさらなる注意が必要です。
前述の通り、スエードはリスレザーに比べて革の組織が緩いため、履き込むほどに横方向へ伸びやすい性質を持っています。さらに、パラブーツの自社製ソールは履き込むことで内部のコルクが沈み込み、縦方向にも余裕が生まれます。
理想的なのは、新品を履いたときに「少し横幅が窮屈で、羽根(靴紐の部分)が1.5cmから2cmほど開いている状態」です。最初から羽根が完全に閉じてしまうようなら、間違いなく後で緩くなりすぎてしまいます。
サイズ感のより詳細な比較データについては、パラブーツ・シャンボードのサイズ選びガイドで他ブランドとの比較を含めて詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
足の形に合わせた微調整の考え方
もし自分の足が「甲が非常に低い」あるいは「かかとが極端に小さい」という自覚がある場合は、ハーフサイズ下げるだけでなく、厚手のソックスで調整するか、あらかじめインソールを入れる前提でサイズを考えるのも手です。
シャンボードは捨て寸(つま先の余裕)が短い靴なので、極端にサイズを下げすぎるとつま先が当たって痛くなります。横幅は伸びますが、縦の長さは変わりません。「幅はタイト、つま先は当たらない」というポイントを死守しましょう。この見極めさえできれば、最高の履き心地を手に入れることができますよ。
要注意:シャンボード特有の「かかと抜け」について
シャンボードはヒールカップが比較的大きめに作られているため、多くの人が「少しかかとが浮く」という感覚を持ちます。これは構造上の特徴でもありますが、あまりに激しく浮く場合はサイズが大きすぎるか、歩き方の癖が影響している可能性があります。
ソールが馴染んで屈曲性が良くなれば改善されることも多いですが、不安な方は店舗での試着を強くおすすめします。
雨の日でも安心な耐水性とケア

多くの方が誤解しているのですが、実は「スエードこそが雨の日における最強の選択肢」だったりします。パラブーツの製品は、登山靴などに用いられる「ノルヴェイジャン製法」で仕立てられており、アッパーとソールの隙間から水が侵入しにくい構造になっています。
これに加えて、スエードという素材は繊維が起毛しているため、表面に防水スプレーをかけると毛の一本一本が水滴を弾く「ロータス効果(ハスの葉効果)」を発揮するんです。
私自身、雨の日にはあえてスエードのシャンボードを選びますが、しっかりと防水スプレーを吹き付けておけば、水滴がコロコロと転がり落ちていく様子は見ていて気持ちがいいほどです。
表革のように「雨ジミ」を心配しすぎる必要もありません。雨天走行後は、表面の水分を拭き取り、風通しの良い場所で陰干しすればOK。パラブーツの公式でも、ノルヴェイジャン製法による堅牢性と防水性については高く評価されています。
防水スプレーの正しい使い方
ただし、防水効果は永遠ではありません。効果を持続させるには、2週間に一度、あるいは雨の日の前日に「重ねがけ」することが重要です。 スプレーを20〜30cmほど離して、全体に霧がかかるように均一に吹き付けるのがコツ。
一度に大量にかけるのではなく、薄く何度も重ねることで、革の通気性を損なわずに高い撥水性能を維持できます。これさえ徹底すれば、シャンボードのスエードはまさに「全天候型シューズ」としての真価を発揮してくれます。 (出典:Paraboot公式『MANUFACTURE:ノルヴェイジャン製法の解説』)
汚れを落とす正しい手入れ方法

スエードの手入れは、決して難しいものではありません。必要なのは「正しい道具」と「ほんの少しの習慣」だけです。まず、日々のルーチンとして取り入れたいのが、スエード専用のクリーナー(消しゴム)を使ったポイントケアです。
特にシャンボードのようなUチップ靴は、つま先のモカ部分に汚れが溜まりやすいので、黒ずみが気になったら優しく消しゴムで削り落としましょう。
また、月に一度はスエード専用の栄養スプレー(補色・保革スプレー)をかけてあげてください。スエードは油分が抜けやすく、乾燥が進むと革が硬くなり、最終的にはひび割れの原因になります。
栄養補給を兼ねたスプレーをかけることで、しなやかさが戻り、色あせも防ぐことができます。サフィール(Saphir)などの信頼できるブランドのケア用品を選ぶと、より安心ですね。
| お手入れ内容 | 使用する道具 | 推奨頻度 | 期待できる効果 |
|---|---|---|---|
| クイックブラッシング | 馬毛または豚毛ブラシ | 履くたび毎回 | ホコリ除去・毛並みの整理 |
| ポイント汚れ落とし | スエード用消しゴム | 汚れが目立つ時 | 黒ずみや油汚れの除去 |
| 防水・防汚ガード | フッ素系防水スプレー | 2週間に1回 | 水や汚れを寄せ付けない |
| ディープケア(栄養補給) | 栄養補給スプレー | 1〜2ヶ月に1回 | 革の柔軟性維持・色あせ補正 |
ブラッシングで保つスエードの風合い
スエードの手入れにおける「真打」は、やはりブラッシングです。スエードの美しさは、整った毛並みが光を綺麗に反射することから生まれます。
逆に、毛が寝てしまっていると、その部分だけが汚れて見えたり、実際にホコリが詰まって革の劣化を早めてしまったりするんです。帰宅後、玄関で5秒ずつブラシをかけるだけで、靴の寿命は格段に延びます。
ブラシの選び方にもコツがあります。普段のホコリ落としには馬毛や豚毛で十分ですが、毛が寝てしまってテカリが出ている箇所には、「真鍮(ブラス)ブラシ」や「クレープブラシ(生ゴム)」を使いましょう。
真鍮ブラシは毛を起こす力が強いので、力を入れすぎずに優しく多方向からかけてあげると、驚くほどふっくらとした質感が蘇りますよ。パラブーツ全体の詳しい手入れ方法や道具の選び方については、こちらのコードバンのパラブーツ完全ガイド!を参考に、自分なりのセットを揃えてみてください。
ブラッシング時の「方向」にこだわる
ブラッシングの際は、まず「毛並みに逆らって」ブラッシングして内部のゴミを掻き出し、最後に「毛並みに沿って」撫でるように整えるのがプロの仕上がりへの近道です。
この一工夫で、スエード特有のマットな奥行きが引き立ち、いつまでも新品のような清潔感を保つことができます。手間がかかるように聞こえるかもしれませんが、ブラシをかけるたびに表情が変わるのを見るのは、革靴好きにとって至福の時間だったりしますよね。
まとめ:理想のシャンボードのスエードを手に入れる方法
シャンボードのスエードは、手に入れるまでのリサーチや、サイズ選びの見極めなど、確かにハードルは少し高いかもしれません。しかし、その分だけ手にした時の喜びと、足を入れた瞬間の多幸感は格別です。
リスレザーのような武骨さも良いですが、スエードが持つ「大人っぽさと優しさ」の両立は、一度体験すると抜け出せなくなる魅力があります。デニム、チノパン、そして少しきれいめなスラックスまで、あらゆるパンツを支えてくれるこの一足は、あなたのファッションライフにおいて間違いなく最強の味方になってくれるはずですよ。
