こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
パラブーツの代表作であるシャンボードを購入しようと決めたとき、最後に立ちはだかる大きな壁が色の選択ですよね。
特に深みのあるカフェと、明るく表情豊かなマロンのどっちにしようか、ネットの画像やブログを漁りながら何日も悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
実際、シャンボードのカフェとマロンのどっちを選ぶかによって、普段のコーデの雰囲気はもちろん、数年後のエイジングの姿も大きく変わってきます。
また、膨張色と収縮色の違いからサイズ感の見え方にも影響があるため、自分のワードローブとの相性をしっかり考える必要があります。
この記事では、私が個人的に調べた知識をもとに、それぞれの色が持つ魅力と選び方のポイントを詳しく整理しました。この記事を読めば、あなたがどちらを相棒に選ぶべきか、その答えがスッキリと見えてくるはずですよ。
シャンボードのカフェかマロンのどっちを選ぶ?

シャンボードを選ぶ際、まず直面するのが「色の第一印象」ですよね。
しかし、見た目の好みだけで決めてしまうと、後々「自分の服に合わないかも…」と後悔することになりかねません。ここでは、それぞれの色が持つ特性と、革靴としての構造的な魅力を深掘りしていきます。
リスレザーの特性と発色の違いについて

シャンボードのアッパーに使用されているのは、パラブーツの代名詞とも言える「リスレザー(Lisse Leather)」です。
この革は通常のカーフに比べて非常に多くの油分と蝋分を含ませてなめされており、その含有量の多さから「フランスの宝石」とも称されます。このリスレザーの特性が、カフェとマロンで全く異なる表情を見せるのが面白いところですね。
まず注目したいのが、革の表面に白い粉が浮き出る「ブルーム(Bloom)」という現象です。これは革内部の脂分が表面に結晶化したもので、革が健康である証拠でもあります。
濃い茶色である「カフェ」の場合、この白いブルームが視覚的に強く強調されるため、手入れを怠ると少し白っぽく、マットな質感に見えやすいという特徴があります。一方で明るい「マロン」は、ブルームの色味が革のトーンに近いこともあり、カフェほど目立つことはありません。むしろ、ブルームが馴染んで全体が少し霞んだような、ヴィンテージ感のある風合いを醸し出します。
また、シャンボードのアイコンとも言える「ノルヴェイジャン製法」による白いステッチ(ウェルト糸)との関係性も重要です。カフェはアッパーが暗いため、この白いステッチが縁取りのようにくっきりと浮かび上がり、デザインの輪郭を強調します。
これにより、どことなく「ギア(道具)」としての力強さを感じさせるのがカフェの魅力です。対するマロンは、革そのものが明るいためステッチとのコントラストが和らぎ、全体として柔らかな、一つの「塊」としての存在感を放ちます。
どちらが自分にとっての正解か、まずはこのコントラストの違いを意識してみると良いかもしれませんね。
リスレザーの耐水性に関する補足
リスレザーは非常に高い撥水性を誇りますが、これは革をなめる段階で油分を深く浸透させているためです。この油分の働きにより、水滴が革の繊維に染み込みにくくなっています。
ただし、完全防水ではないため、濡れた後はしっかりと水分を拭き取り、陰干しすることが長持ちの秘訣ですよ。
関連記事:雨の日の革靴がだめな理由【劣化を防ぐ正しい対策と手入れのコツ・雨天用革靴】
カフェの落ち着いたエイジングの魅力
カフェは、深煎りのコーヒー豆を思わせる極めて深いダークブラウンです。
室内で見ると黒靴に間違われるほど落ち着いたトーンですが、太陽光の下では赤みを帯びたマホガニーのような、なんとも艶やかな表情を見せてくれます。この「二面性」こそが、カフェを選ぶ最大の喜びだと言えるでしょう。
エイジングの傾向としては、劇的な色の変化を楽しむというよりは、「光沢の深化」と「質感の向上」を味わうタイプです。履き始めはややマットな質感ですが、数年かけてブラッシングを繰り返し、体温や摩擦で油分が移動することで、つま先やかかと部分に鋭い光沢が宿ります。
まるで上質なアンティーク家具のような、重厚感のある輝きへと進化していくのです。また、カフェは色が濃いため、歩行中に付きやすい擦り傷や多少の汚れがほとんど目立ちません。
忙しい毎日の中で、過度にメンテナンスに神経を使わずとも、常に凛とした表情を保ってくれるのは大きなメリットですよね。
さらに、長期的に履き込むことで、履きジワの部分が少しずつ色が抜け、淡い茶色に変化していく「プルアップ効果」が現れることがあります。これが濃い地の色と絶妙なコントラストを生み出し、立体感のある一足へと育っていきます。
都会のコンクリートジャングルでも、落ち着いた大人の品格を失わないカフェは、まさに「究極の汎用性」を体現した一色と言えるかなと思います。
マロンで見せる劇的な経年変化の姿
マロンは、パラブーツというブランドが持つカントリーな雰囲気を最も純粋に表現した色です。
その名の通り「栗色」をした明るい茶色は、新品の時には少しカジュアル過ぎるかな?と不安になるかもしれませんが、その真価は数年後に発揮されます。マロンの最大の魅力は、なんと言ってもその劇的な色の変化にあります。
最初は明るいレンガ色のような発色ですが、履き込むほどに日光やクリームの影響を受け、色が徐々に濃く、そして深くなっていきます。数年後には、オレンジがかった色味から、深みのあるブロンズや飴色へと変貌を遂げます。
この「自分色に染まっていく感覚」は、カフェでは決して味わえないマロンだけの特権です。傷がついた箇所は黒ずみ、水に濡れた部分はシミになることもありますが、それら全てが「靴の歴史」として刻まれ、唯一無二のオーラを放つようになります。
まさに「ワビサビ」の世界観を体現した色と言えるでしょう。
マロン特有の「成長痛」について
マロンを育てる上で避けられないのが、購入後半年から1年ほど続く「汚れが目立つ時期」です。この時期は傷やシミがまだ「味」として馴染んでおらず、単に汚れたように見えてしまうことがあります。
ここで諦めずに、こまめなブラッシングとクリームでの補色を続けることで、その先の「至高のエイジング」に辿り着くことができますよ。忍耐が必要ですが、その価値は十分にあります。
(出典:Paraboot公式サイト『LEATHERS』)によると、リスレザーは適切なケアを施すことでその柔軟性と質感を数十年維持できるとされており、特にマロンはその変化を最も視覚的に楽しめる色であることがわかります。
シャンボードのサイズ感と色の視覚効果
靴選びにおいて、色の「視覚的な膨張・収縮効果」を無視することはできません。
シャンボードはそもそも、Uチップのボリューム感と丸みを帯びたトゥが特徴の、非常に「ぽってりした」フォルムの靴です。このボリューム感を、色がどう補正し、あるいは強調するのかを考える必要があります。
カフェは「収縮色」です。視覚的に対象物を小さく、シャープに見せる効果があるため、シャンボードのボリュームを適度に抑え、スマートな印象を与えてくれます。
特にスーツやスラックスと合わせた際、足元だけが浮いて見えるのを防ぎ、全身のシルエットをバランス良く整えてくれるのがカフェの強みです。一方のマロンは「膨張色」に近い存在感があります。
足元に視線を集め、どっしりとした安定感を演出します。軍パンやワイドパンツなど、ボリュームのあるボトムスと合わせる場合、靴がマロンであれば、パンツの迫力に負けることなく、バランスの取れた「Aライン」や「Hライン」のシルエットを構築できるんです。
また、サイズ選びに関する重要なポイントとして「羽根の閉じ方」があります。シャンボードは甲が高い設計のため、甲の低い人が履くと紐を結んだ際に「羽根」が完全に閉じてしまう(羽根閉じ)ことがありますが、カフェであれば暗色のおかげでこのシルエットの崩れがあまり目立ちません。
対してマロンは、羽根の開き具合やシワの入り方が明確に見えるため、よりシビアなフィッティングが求められます。自分の足の形に自信がない、あるいは視覚的にスマートに見せたいなら、カフェの方が安心感があるかもしれませんね。
関連記事:革靴のUチップはダサい?魅力の理由と失敗しない着こなしを解説
レディースに人気なマロンの活用術

近年、メンズファッションの枠を飛び越えて、女性の間でもシャンボードは「一生モノの定番靴」として定着しています。特にレディースにおいて、カフェよりも「マロン」が選ばれる傾向が非常に強いのは、女性特有のワードローブとの親和性が高いためです。
女性のファッションは、メンズに比べて色使いが豊富で、かつ柔らかな素材(ウールやリネン、コットン)を多用します。そこに重厚すぎる黒や濃茶を持ってくると、足元だけが「重く」見えてしまいがちです。
その点、マロンは温かみのあるトーンなので、白やベージュのソックス、あるいはチェック柄のスカートなどと合わせても、全体の雰囲気を壊さず、程よい「ハズし」として機能してくれます。どこか「おじ靴」的な可愛らしさを強調できるのもマロンの魅力ですね。
また、マロンの明るさは、顔まわりから遠い足元に持ってくることで、全体のコーディネートをパッと明るくするアクセント効果もあります。
トレンチコートなどのクラシックなアイテムと合わせても、カフェのように生真面目になりすぎず、どこかフレンチシックな軽やかさを演出できるのが人気の秘密です。もしあなたがパートナーと一緒にシャンボードを楽しみたいと考えているなら、女性側にはマロンを提案してみるのが一番の近道かなと思いますよ。
失敗しないための色選びの判断基準
さて、ここまでカフェとマロンの魅力をたっぷりお伝えしてきましたが、「結局自分にはどっち?」という最終的な判断を下すためのチェックリストを用意しました。
ライフスタイルや手持ちの服を思い浮かべながら、以下のマトリクスを参考にしてみてください。
| 比較項目 | カフェ(Cafe) | マロン(Marron) |
|---|---|---|
| オンオフの比率 | オン:オフ = 7:3 | オン:オフ = 3:7 |
| 主なパンツの色 | ネイビー、グレー、ブラック | オリーブ、ベージュ、デニム |
| メンテの手間 | 少なめ(傷に強い) | 多め(育てる楽しみ) |
| 目指すスタイル | 都会的・誠実・ミニマル | 武骨・個性的・ヴィンテージ |
私自身の個人的な見解としては、「一足目のパラブーツで、絶対に失敗したくない」という守りの姿勢ならカフェを。逆に「革靴を趣味として長く付き合い、変化を愛したい」という攻めの姿勢ならマロンをおすすめします。
どちらを選んでも「10年選手」として活躍してくれることは間違いありませんが、毎日の玄関でどちらに足を通す自分がワクワクするか、その直感を大切にしてみてください。正確なサイズ選びや最新の在庫状況については、公式サイトや取扱店を確認してくださいね。
シャンボードはカフェとマロンのどっちが実用性高い?

前のセクションでは色の特性について触れましたが、ここからはさらに踏み込んで、「実際の使い勝手」や「最強の組み合わせ」についてお話しします。意外かもしれませんが、コーディネートを突き詰めていくと、マロンの持つ「真のポテンシャル」に驚かされるはずです。
マロンのコーデが実は汎用性抜群な理由
世の中の多くのブログでは「カフェが一番万能」と書かれていますが、私はあえてそこに異論を唱えたいと思います。
実はカジュアルな普段着において、マロンこそが最も汎用性が高いのではないかと感じているからです。その理由は、マロンの色彩が持つ「補色関係」と「馴染みの良さ」にあります。
例えば、カジュアルスタイルの王道である「軍パン(オリーブドラブ)」を想像してみてください。深緑色のパンツに暗いカフェを合わせると、全体がトーンダウンして重たくなりすぎてしまいます。
しかし、ここに赤みのあるマロンを持ってくるとどうでしょう。緑と赤(茶)は色彩学上で補色に近い関係にあるため、お互いを引き立て合い、非常にバランスの良い「完成されたコーデ」に見えるんです。同様に、リジッド(未洗い)の濃紺デニムにも、マロンの明るさが絶妙なアクセントとして効いてきます。
また、マロンは「アズーロ・エ・マローネ(青と栗色)」というイタリアの定番配色を簡単に再現できる色でもあります。

ネイビーのジャケットにマロンのシャンボードを合わせるだけで、どこか垢抜けた、こなれ感のあるスタイルが完成します。カフェが「正解」を出す色なら、マロンは「お洒落」を演出してくれる色。
カジュアルな装いにおいて、これほど頼もしい存在はありません。一度マロンの合わせやすさを知ってしまうと、もうカフェには戻れない…なんていう愛好家が多いのも納得の理由ですね。
カフェのメンテナンスと手入れのコツ
「万能さ」においてカフェがマロンに勝る点は、やはりその「イージーケア性」です。革靴、特にシャンボードのようなタフな靴は、雨の日や舗装されていない道を歩く場面も多いはず。
そんな時、カフェであれば汚れを気にせず一歩を踏み出せます。汚れが付いてもサッと拭き取り、同系色のダークブラウンクリームを薄く塗るだけで、元の輝きがすぐに戻ります。
カフェのメンテナンスで意識したいのは、「色を足すのではなく、艶を引き出す」ことです。カフェはもともと色が濃く安定しているため、頻繁に補色する必要はありません。
むしろ、無色の「ニュートラル」なクリームを使い、豚毛ブラシで力強くブラッシングすることで、革の内部にある脂分を表面に呼び起こしてあげるのがコツです。これにより、単なる「濃茶」ではなく、奥行きのある「深い艶」が生まれます。
雨の日の後のスペシャルケア
カフェのシャンボードを雨の日に履いた後は、しっかり乾かした後にデリケートクリームで水分補給をしてあげてください。
その後、油性ワックスをごく少量だけつま先に載せて磨くと、泥跳ねなどを弾くバリアにもなり、さらに上品なルックスを維持できますよ。実用性と美しさを両立できるのが、カフェの最大の強みですね。
クリームで色を育てるメンテナンス術

「マロンは色が明るすぎて、服から浮いてしまうのが心配」という方にぜひ知ってほしいのが、メンテナンスで色味を自由自在にコントロールするというテクニックです。革靴の面白さは、塗るクリームの色によって、その表情を後からいくらでも変えられるところにあります。
例えば、購入したばかりのマロンが明るすぎると感じたら、あえてワントーン暗い「ミディアムブラウン」や「ダークブラウン」のクリームを薄く塗り重ねてみてください。
すると、明るいマロンの地色の上に、薄いベールがかかったような深みが生まれます。これを繰り返すことで、元のマロンよりも落ち着いた、まるで数十年前のヴィンテージ品のような深みのあるブラウンへと育て上げることができるんです。
逆に、一部を明るく残したければ無色のクリームを使い分けることで、世界に一足だけの「パティーヌ(ムラ染め)」のようなグラデーションを自作することも可能です。
このように、マロンは「未完成の美しさ」を持っているため、自分の手で完成へと導く喜びがあります。メンテナンスを単なる作業ではなく、「クリエイティブな趣味」へと昇華させてくれるのが、マロンという色の懐の深さなのです。
自分だけの理想の茶色を追い求める旅に出られるのは、マロンを選んだ人だけの特権ですよ。
結論としてマロンがより万能な理由
さて、ここまで「マロン推し」とも取れる解説をしてきましたが、その結論を改めてお伝えします。ビジネスからカジュアルまでを100点満点でカバーしようとすると、どちらの色も少しずつ得意・不得意があります。
しかし、「現代のファッションシーンにおける汎用性」という軸で見ると、マロンの方が僅かにリードしていると私は考えています。
理由はシンプルで、現代の装いはますますカジュアル化が進んでいるからです。スーツを着る機会が減り、ジャケパンやオフィスカジュアルが主流となる中で、シャンボードのようなボリュームのある靴に求められるのは「適度なリラックス感」です。
カフェは少し真面目すぎて、今の空気感には少し重く映ることもあります。その点、マロンはどんなにラフな格好に合わせても品格を保ちつつ、軽快さを失いません。
さらに、メンテナンスで色を濃くしていけば、最終的には「ダークブラウン」に近い領域まで守備範囲を広げることができます。つまり、マロンは「カフェになる」ことができますが、カフェは「マロンになる」ことはできないのです。この可変性の高さこそ、マロンを「真の万能」と呼ぶにふさわしい理由かなと思います。
シャンボードはカフェかマロンのどっちが正解?
ついに結論です。シャンボードのカフェかマロンのどっちが正解か? その答えは、あなたがこの靴に「何を託したいか」によって決まります。
もしあなたが、毎朝の靴選びに迷う時間をゼロにし、どんな過酷な天候でも頼れる「鉄壁の道具」を求めているなら、正解は間違いなくカフェです。
一方で、休日をメインに、靴を磨く時間を楽しみ、10年後に誰よりも美しい一足に仕上げたいという「相棒」を求めているなら、迷わずマロンを手に取ってください。
シャンボードは、パラブーツの中でも特に「履く人の生き方」が出る靴です。カフェで都会的にスマートに決めるのも、マロンで泥臭くも愛着を持って育てるのも、どちらも素晴らしい正解です。
最後に一つだけ。もしどうしても迷って決められないなら、まずは「マロン」に挑戦してみてください。明るい色に戸惑うこともあるかもしれませんが、履き込み、磨き上げる過程で、あなたにとっての理想の色がきっと見つかるはずです。一生モノのシャンボード。その最高の一歩を、あなたのお気に入りの色で踏み出せることを応援しています!
