こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です。
パラブーツのブロワが気になっているけれど、独特のサイズ感や廃盤の噂が心配でなかなか手が出せないという方も多いのではないでしょうか。
チャッカブーツの中でもシャフトが高く、雨の日でも安心して履ける機能性の高さは魅力的ですよね。でも、いざ買おうと思っても取扱店で在庫がなかったり、中古市場での相場が気になったりすることもあるはずです。
この記事では、私が実際に調べたブロワの魅力や、日々の手入れ方法、おしゃれなコーデのコツまで詳しくお伝えします。これを読めば、ブロワ選びに迷うことはなくなるはずですよ。
パラブーツのブロワが持つ魅力と歴史的背景

パラブーツというブランドは、世界で唯一ソールまで自社製造しているメーカーとして知られていますが、その中でもブロワ(BLOIS)は非常に特殊な立ち位置にあります。まずは、なぜこのモデルが「隠れた傑作」として愛され続けているのか、その背景と構造的な魅力についてじっくりとお話ししますね。
シャンボードとの比較で分かる独自性

パラブーツの代表作といえば、言わずと知れたUチップの名作「シャンボード」ですよね。実は、このブロワはシャンボードと同じ「TEXラスト(木型)」を採用していると言われています。
しかし、実際に足を通してみると、その履き心地の印象は驚くほど異なります。私自身、両者を比較してみて感じたのは、ブロワの方が圧倒的に「安心感」があるということです。
「踵抜け」問題を解決するハイハイト構造
シャンボードを履いたことがある方の多くが直面するのが、踵が浮いてしまう「踵抜け」の問題です。シャンボードは甲が高めに設計されているため、甲が低い人が履くと紐を限界まで締めても羽根が閉じきってしまい、足を固定しきれないことがあるんです。ところが、ブロワはチャッカブーツ、それも一般的なものより筒丈が長い「ジョージブーツ」に近い形状をしています。
この高いシャフト(筒)のおかげで、足首部分までしっかり紐でホールドできるため、物理的に足が靴の中で後方に固定され、踵が浮かなくなるのです。
シャンボードのデザインは好きだけどサイズがどうしても合わなかったという人にとって、ブロワはまさに理想の選択肢になるはずです。
デザインの洗練度とバランス
また、見た目の違いも大きなポイントです。シャンボードはモカシン縫いが主張するカジュアルな顔立ちですが、ブロワはつま先に装飾のないプレーントゥに近いスタイル。
これにより、カジュアルな装いの中にもドレスシューズのようなエレガンスが漂います。無骨なノルヴェイジャン製法のステッチがありながら、どこか気品を感じさせるのは、この高い筒丈とシンプルなフロントデザインのバランスがあるからこそですね。
関連記事:パラブーツのシャンボードのサイズ感選び!失敗しない目安とコツ
リスレザーがもたらす極上のエイジングと防水性
ブロワの機能性を支える最大の功労者は、アッパーに使用されている「リスレザー(Lisse Leather)」です。この革は、パラブーツが独自に開発した「フランスの宝石」とも称される特別な素材。
通常のカーフレザーよりも遥かに多くの油分とワックスを含ませており、そのしっとりとした質感は一度触れると忘れられません。
天然の防水性能を誇る秘密
なぜこの革が雨に強いのかというと、革の繊維の奥深くまで浸透したオイルが、外からの水分を強力に弾き返すからです。雨の日にブロワを履くと、水滴がコロコロと玉のように転がり落ちる様子が見られます。
もちろん完全防水ではありませんが、突然の豪雨でも靴の中に水が染み込みにくい安心感は、他の革靴ではなかなか味わえません。まさに「雨の日専用の勝負靴」としてこれ以上のものはないでしょう。
「ブルーム」は革が生きている証拠
ブロワを新しく買ったときや、しばらく履かずに置いておいたときに、表面に白い粉のようなものが浮き出ることがあります。「カビが生えた!」と驚く方もいるかもしれませんが、安心してください。
これは「ブルーム」と呼ばれるもので、革内部のワックス分が表面に析出したものなんです。豚毛のブラシで力強くブラッシングしてあげると、このロウ分が再び革の中に戻り、重厚感のある素晴らしい光沢が蘇ります。
リスレザーのエイジングを楽しむ
履き込むほどにワックスが革に馴染み、最初は少し硬かった革が驚くほどしなやかになっていきます。色が深く変化し、自分だけのシワが刻まれていく過程は、まさに革靴を育てる醍醐味。10年後の姿を想像しながら履けるのが、ブロワの魅力ですね。
メンテナンスの簡便さ
これだけ高性能な革でありながら、日々の手入れは驚くほど簡単です。基本はブラッシングだけで十分。オイルが抜けてきたと感じた時だけ、少量のクリームを補給してあげればOKです。この手間のかからなさも、道具としての完成度を物語っていますね。
デメリットとして知っておきたい重量と馴染ませ方

さて、ここまで良いことばかり書いてきましたが、ブロワにも当然「覚悟」が必要なポイントがあります。それは、初めて足を入れたときに誰もが感じるであろう「圧倒的な重さと硬さ」です。
自社製ラバーソールの重量感
パラブーツのこだわりである自社製ラバーソールは、空気を溜め込む構造でクッション性は抜群なのですが、レザーソールや一般的なスポンジソールに比べるとズッシリとした重みがあります。
片足だけでかなりの重量になるため、軽量なスニーカーに慣れている方は、最初は「鉄下駄を履いているようだ」と感じるかもしれません。しかし、この重みが実は歩行時の振り子の原理を助け、一度足が前に出ればスムーズな歩行をサポートしてくれるという側面もあります。
「修行」と呼ばれる馴染ませ期間
もう一つの難関は、履き始めの硬さです。特にブロワは足首までを覆うブーツタイプなので、くるぶしや脛のあたりに革が当たって痛むことがあります。この馴染むまでの期間は、ファンの間で「修行」と呼ばれたりもしますね。
最初は革が非常に頑丈なため、長時間歩くと靴擦れを起こすリスクが高いです。いきなり丸一日履くのではなく、まずは近所の散歩から始め、少しずつ履く時間を伸ばしていくのがコツです。厚手のウールソックスを履くのも、足を守るためには有効な手段ですよ。
ただ、この「修行」を乗り越えた先には、自分の足型に完全に沈み込んだインソールと、吸い付くようなアッパーのフィット感が待っています。
その時の快感を知ってしまうと、もう他の靴には戻れなくなる……。これがパラブーツの魔力なんですよね。
関連記事:革靴がきつい悩みを解消方法【馴染むまでの期間や伸ばすコツを解説】
レディースでも愛用できるサイズ展開とデザイン

ブロワは元々メンズのイメージが強いモデルですが、近年は女性の間でも非常に人気が高まっています。パラブーツは伝統的に幅広いサイズ展開を行っており、ブロワもレディースサイズ(UK2.5〜など)から用意されているのが嬉しいポイントです。
女性らしいスタイルへの取り入れ方
女性がブロワを履くと、そのボリューム感が足元を華奢に見せてくれる効果があります。
マニッシュなセットアップに合わせるのはもちろん、あえてふんわりしたロングスカートやワンピースと合わせて、足元で全体を引き締めるというコーデも非常に素敵です。特に、フランスの「FUDGE」系ファッションやトラッドスタイルとの親和性は抜群ですね。
ジェンダーレスな魅力
デザイン自体に過度な装飾がないため、性別を問わず「良い道具を履いている」という品格が漂います。男性ならタフなワークスタイル、女性なら上品なトラッドスタイルと、それぞれの解釈で楽しめるのがブロワの素晴らしいところ。
パートナーと共有したり、お揃いで履いたりするのにも最適な一足と言えるでしょう。
また、レディースモデルであってもリスレザーやノルヴェイジャン製法といった本格的なスペックは変わりません。女性用の革靴は「見た目重視」で作りが華奢なものも多いですが、ブロワなら一生モノとしてガシガシ履き倒すことができます。
ノルヴェイジャン製法が生む堅牢さと手入れのコツ

ブロワを横から見たときに、ソールとアッパーの接合部に見えるあの太いステッチ。これこそが、パラブーツの代名詞とも言える「ノルヴェイジャン・ウェルト製法」です。この製法は、元来は北欧の登山靴などに使われていた非常に手間のかかる技法です。
登山靴譲りの防水・防塵性能
一般的なグッドイヤーウェルト製法とは異なり、L字型に折ったウェルトを外側に縫い付けることで、靴の中に水や砂が入り込む隙間を物理的に塞いでいます。この構造があるからこそ、ブロワは雨の日でも雪の日でも、その堅牢性を保ち続けることができるのです。
長持ちさせるメンテナンスの極意
手入れについてですが、このノルヴェイジャン製法のステッチ部分には、ホコリや汚れが溜まりやすいという特徴があります。ここを放置すると糸が傷んだり、革が乾燥したりする原因になるので、手入れの際はまず馬毛ブラシで念入りにステッチの隙間を掃除してあげてください。
私のおすすめは、ブラッシングの後に少しだけ「ワセリン」や専用の「パラブーツ純正クリーム」をステッチ部分に薄く塗ることです。こうすることで糸の乾燥を防ぎ、防水性能をさらに高めることができます。
ソールの自社製ラバーについても、擦り減ってきたらオールソール交換が可能です。適切なケアを続ければ、20年以上履き続けることも決して夢ではありません。 (出典:Paraboot公式『Manufacturing』 https://www.paraboot.com/en/manufacturing )
パラブーツのブロワを後悔なく選ぶための知識

ここからは、いよいよ購入を検討されている方に向けて、具体的なサイズ選びや市場の動向など、より実践的な情報をお伝えしていきます。ブロワは決して安い買い物ではありませんから、納得のいく一足を選んでほしいと私は思っています。
失敗しないサイズ感の選び方と馴染ませるコツ
パラブーツのサイズ選びで最も多い失敗は、「いつものスニーカーと同じサイズを買ってしまうこと」です。ブロワのサイズ表記はUK(イギリス)サイズが基本ですが、実寸はかなり大きめに作られています。私が初めて試着したときも、そのサイズ感のギャップに驚かされました。
「タイトフィッティング」が基本の理由
ブロワに限らず、パラブーツの靴は「履き込むとインソールが沈み、革が伸びる」という特性が非常に強く出ます。そのため、買ったばかりの時点で「ちょうど良い、快適だ」と感じるサイズを選んでしまうと、数ヶ月後には靴の中で足が遊んでしまい、靴擦れや歩行の不安定さを招くことになります。
| 普段の靴のサイズ | 推奨されるブロワのサイズ | フィッティングの目安 |
|---|---|---|
| 25.5cm前後 | UK 6.0 〜 6.5 | ハーフサイズダウンが一般的 |
| 26.5cm前後 | UK 7.0 〜 7.5 | 幅広の方はUK7.5を検討 |
| 27.5cm前後 | UK 8.0 〜 8.5 | 厚手のソックスで調整可能 |
捨て寸とボールジョイントの確認
サイズ選びの際は、「ボールジョイント(親指と小指の付け根)がしっかりフィットしているか」と「踵がホールドされているか」を最優先してください。つま先には「捨て寸」と呼ばれる1cm程度の余裕が必要です。
ここが当たっていると、どれだけ履いても馴染むことはありません。逆に、横幅が少しタイトな分には、リスレザーの油分のおかげで自分の足の形に必ず伸びてくれます。
廃盤や復刻の噂が絶えない現在の在庫状況

ブロワを探している方が最も困惑するのが、「どこを探しても在庫がない」「もしかして廃盤になったのでは?」という状況ではないでしょうか。
実はこれ、パラブーツを象徴する定番モデルであるシャンボードやミカエルとは、生産の仕組みが根本的に異なっているからなんです。私自身、店頭で「次の入荷は未定です」と言われたことが何度もあります。
「準定番」という特殊な立ち位置
ブロワは、パラブーツのラインナップにおいて「通年生産モデル」ではなく、特定のタイミングで生産される「スポット生産品」や「準定番」という扱いをされることが多いモデルです。
フランス本国の工場で、世界中のバイヤーからのオーダーが一定数に達したとき、あるいはブランド側が特定のシーズンに向けて企画したときにだけ生産ラインが動きます。
そのため、一度市場から在庫が消えると、次の生産分が日本に届くまで数ヶ月、長いときには1年以上の空白期間が生まれることがあります。これが「ブロワ廃盤説」が定期的に流れる最大の理由ですね。
廃盤ではなく「待機」が必要なモデル
現状ではブロワが完全にラインナップから消えたわけではありません。しかし、原材料である高品質なレザーの確保が難しくなっている背景もあり、以前よりも生産頻度が下がっている可能性は否定できません。
もし、正規販売店で自分のサイズを見つけたなら、それは非常に幸運なタイミングだと言えるでしょう。
セレクトショップ別注による「復活」のパターン
一方で、ブロワはファッション界からの信頼が厚く、有名セレクトショップが別注企画として復刻させるケースが多々あります。例えば、過去には「nanamica(ナナミカ)」や「BEAMS(ビームス)」、「ユナイテッドアローズ」などが、素材やカラーを変更してブロワをベースにした別注品をリリースしてきました。
こうした別注モデルは、通常ラインにはないオールブラック仕様(ステッチまで黒いもの)や、グレインレザーを採用したものなど、非常に魅力的なアレンジが加わることが多いです。
価格上昇のトレンドと購入のタイミング
また、昨今の世界的な原材料費の高騰や為替の影響により、パラブーツ全体の価格が上昇傾向にあります。ブロワも例外ではなく、以前は6万円台で購入できましたが、現在は7万円を超え、さらなる値上げも予想されます。
革靴は「今が一番安い」と言われる世界ですので、欲しいと思った時が、経済的な意味でも最高の買い時かもしれません。
関連記事:パラブーツ値上げ推移と2026年定価!お得に安く買う方法
コーデを格上げするフレンチアイビーの着こなし
ブロワを手に入れたら、次に考えたいのがスタイリングですよね。この靴の最大の特徴である「無骨なのに上品」という二面性を活かすには、フランス流のアイビースタイル、いわゆるフレンチアイビーを意識するのが一番の近道です。
私が特におすすめしたい着こなしをいくつかご紹介しますね。
王道のデニムスタイルは「丈感」が命
ブロワはチャッカブーツとしてはシャフトが高めなので、パンツの裾との関係性が非常に重要です。裾が長すぎると、せっかくの美しい筒周りが隠れてしまい、ただの重たい靴に見えてしまいます。
おすすめは、くるぶしが見えるか見えないか程度の絶妙な長さにロールアップすること。こうすることで、ブロワの持つポッテリとしたフォルムが強調され、足元に程よいボリューム感が生まれます。
リゾルトのような細身のデニムはもちろん、少し太めのヴィンテージデニムを合わせても、靴のボリュームが負けないのでバランスが取りやすいですよ。

ビジネスカジュアルでの活用術
ブロワのブラック(NOIR)やカフェ(CAFE)は、ビジネスカジュアルでも非常に重宝します。特におすすめしたいのが、ツイードジャケットやフランネルのスラックスといった、秋冬の重厚感のある素材との組み合わせです。
ノルヴェイジャン製法の無骨なステッチが、素材の風合いと見事にマッチします。雨の日でも気兼ねなく履けるため、「今日は天気が怪しいけど、それなりの格好をしなければならない」という日の救世主になってくれるはずです。
意外に合うミリタリーとワーク
さらに、ブロワのルーツには登山靴の要素があるため、カーゴパンツやベイカーパンツといったミリタリー・ワーク系のボトムスとも相性抜群です。上品なリスレザーの光沢が、カジュアルすぎる装いをグッと大人っぽく引き締めてくれます。「綺麗めな格好にしたいけど、気取りすぎたくない」という時に、ブロワほど頼りになる靴はありません。
中古市場の相場や信頼できる店舗での探し方
新品の入手が難しい時期が長いため、ブロワを中古市場で探すという選択肢は非常に合理的です。私自身も中古の革靴をよくチェックしますが、ブロワは流通数が少ないため、見極めには少しコツが必要です。現在の市場環境を整理してみました。
中古相場とコンディションの目安
大手オークションサイトやフリマアプリ、中古ブランド買取店での取引データを見ると、ブロワの平均的な取引価格は約23,000円〜45,000円程度で推移しています。
| ランク | 状態の目安 | 価格の目安 |
|---|---|---|
| S / A | 試着程度、または数回着用の極美品 | 50,000円〜 |
| B | 一般的な中古品。履きシワや小傷あり | 25,000円〜40,000円 |
| C | ソールの減りや目立つ傷がある | 15,000円〜25,000円 |
中古購入時の絶対チェック項目
ブロワを中古で買う際に最も注意すべきは、「ソールの摩耗」と「革の乾燥」です。パラブーツの自社製ソールは非常に耐久性が高いですが、踵の外側が極端に減っている場合は、歩行バランスが悪くなっている可能性があります。
また、長期間手入れをされずに放置されていた個体は、リスレザー特有の油分が抜けて「クラック(ひび割れ)」が起きやすくなっています。特に屈曲部(指の付け根あたり)に深いシワやひびがないか、写真は細部まで確認しましょう。
インソールの沈み込みに注意
中古靴全般に言えることですが、前オーナーの足型にインソールが沈み込んでいる場合、自分の足に馴染むまで時間がかかったり、違和感を感じたりすることがあります。可能であれば、実店舗で試着できるショップでの購入が最も安全です。
パラブーツのブロワを一生モノの相棒にする方法
さて、ここまで長い時間をかけてブロワの魅力を解剖してきましたが、いかがでしたでしょうか。パラブーツのブロワという靴は、単なるファッションアイテムではなく、厳しい環境にも耐えうる「信頼できる道具」としての側面を強く持っています。
確かに、新品で7万円を超える価格は決して安くはありません。しかし、10年以上履き続けられる耐久性と、万が一手放す際のリセールバリュー(再販価値)の高さ、そして何より「雨の日でもオシャレを諦めなくて良い」という精神的な余裕を考えれば、これほどコストパフォーマンスに優れた投資はありません。
