こんにちは!革の小部屋管理人の「小次郎」です!
パラブーツのアヴィニョンのサイズ感について、悩んでいる方は多いですよね。フランスを代表する名靴ですが、高価な買い物だけにサイズ選びで失敗したくないという不安は大きいものです。
特にシャンボードと比較してどうなのか、普段履いているスニーカーサイズとどう違うのかなど、気になる点は尽きません。この記事では、アヴィニョンのサイズ感がきついと感じる理由や、レディースモデルの選び方まで、実際に検討している方の疑問に寄り添って詳しくお伝えします。
最後まで読めば、あなたにぴったりの一足が選べるようになりますよ。
パラブーツのアヴィニョンのサイズ感の正解

アヴィニョンを手に取る際、まず最初に驚くのがその独特なサイズ設計です。
フランスのブランドであるパラブーツは、私たちが普段履き慣れているスニーカーとは全く異なるロジックでサイズが作られています。まずは、その「基準」を正しく理解することから始めましょう。
スニーカーサイズから1センチ下げる法則
パラブーツを初めて購入する方が最も陥りやすい罠が、スニーカーと同じ感覚でサイズを選んでしまうことです。
結論から言うと、アヴィニョンのサイズ選びにおける大原則は、普段のスニーカーサイズから1.0cmから1.5cm程度、数字を下げることにあります。私自身の経験や多くの愛好家の声を総合しても、この「マイナス1センチの法則」は非常に高い確率で当てはまります。
なぜこれほど大きな差が出るのでしょうか。その理由は、靴の設計思想の違いにあります。ナイキやアディダス、ニューバランスといったスポーツブランドのスニーカーは、足を入れる内部のクッション材を含めた外寸に近い数値でサイズが表記されています。
一方で、パラブーツのような本格的な革靴は、靴の土台となる「ラスト(木型)」の寸法を基準にしており、かつ履き込むことで内部が沈み込むことを前提に設計されているからです。
内部容積の変化を見越したサイズ選び
本格革靴であるアヴィニョンには、インソールの下に厚手のコルクが敷き詰められています。数ヶ月履き込むと、このコルクが自分の足の形に合わせて3mmから5mmほど沈み込み、靴の中の容積が劇的に広がります。
さらに、アッパーに使用されているリスレザーも体温と湿気によって横方向に伸びていきます。もし新品の状態でスニーカーのように「快適なジャストサイズ」を選んでしまうと、半年後には靴の中で足が遊んでしまい、歩くたびに踵が抜ける「緩い靴」になってしまうのです。
スニーカーブランド別・推奨サイズダウン幅
| 普段のスニーカー | アヴィニョンの推奨サイズ | 理由・備考 |
|---|---|---|
| NIKE / Adidas (27.0cm) | UK 6.5 〜 7.0 | クッションの厚みが無いため大幅ダウン |
| New Balance (27.0cm) | UK 6.5 〜 7.0 | NBのDウィズよりパラブーツは幅広 |
| Converse All Star (27.0cm) | UK 7.0 | コンバースは捨て寸が長いため-1.0cmが目安 |
シャンボードと比較した際の違い

パラブーツの代表作といえば「シャンボード」を思い浮かべる方が多いですが、実はアヴィニョンこそが「日本人の足に最も合うパラブーツ」だという声も根強いのをご存知でしょうか。
サイズ感を語る上で、この両者の比較は避けて通れません。最大の違いは、採用されているラスト(木型)の形状にあります。
シャンボードはもともと登山靴の系譜を継ぐモデルであり、非常に甲が高く設計されています。そのため、日本人に多い「幅広・甲高」の足に合うとされていますが、実際には甲が標準的な人が履くと、羽根が閉じきっても甲が緩いという現象が多発します。
対してアヴィニョンは、甲の高さが抑えられており、より現代的でドレッシーなシルエットをしています。これにより、シャンボードではどうしても踵が抜けてしまうという方でも、アヴィニョンなら吸い付くようなホールド感を得られることが多いのです。
ラスト形状がもたらすフィッティングの恩恵
アヴィニョンはつま先がやや細く(テーパード)、捨て寸(つま先の余裕)が長めに取られています。一見するとタイトに見えますが、ボールジョイント(指の付け根)付近の横幅はしっかりと確保されているため、指先は楽なのに中足部はしっかり支えられるという絶妙なバランスを実現しています。
シャンボードが「点」で支える感覚なら、アヴィニョンは「面」で足を包み込む感覚に近いかもしれません。シャンボードのサイズ感については、「パラブーツ シャンボードのサイズ選びとフィッティング」の記事で詳しく解説していますが、アヴィニョンの方がより汎用的なフィット感を持っていると言えるでしょう。
失敗しないための選び方・見るポイント
アヴィニョン選びで絶対に失敗しないためのコツは、自分の「足の実寸」を正しく把握すること、そして「縦の長さ」を絶対に妥協しないことです。
革靴の幅や甲周りは履き込むことで伸びますが、ソールの縦の長さだけはどれだけ履いても変わりません。もし、親指や小指の先端が靴の壁に当たっているようなら、それは単純にサイズが小さすぎます。
試着の際は、必ず以下の3つのチェックポイントを意識してください。
また、靴を履く「時間帯」も重要です。足は重力の関係で午後から夕方にかけてむくみ、サイズがわずかに大きくなります。午前中にジャストフィットすぎるものを選んでしまうと、夕方の帰宅時に地獄のような痛みを味わうことになりかねません。
できるだけ夕方に、かつ実際に合わせる予定の厚みのソックスを持参して試着に臨んでください。私個人としては、「新品時は少し圧迫感があるが、指先だけは完全に自由」という状態が、アヴィニョン選びの正解だと考えています。
注意:オンライン購入の落とし穴
ネット通販で「実寸25cmだからUK6で大丈夫だろう」と即決するのは危険です。アヴィニョンはモデルによって個体差がある場合もあり、また左右の足の大きさの違いも影響します。
返品・交換が可能なショップを選ぶか、一度は実店舗で足を計測してもらうことを強くおすすめします。
関連記事:パラブーツのサイズ表記の場所はどこ?モデル別確認法
レディースのアヴィニョンのサイズ選びのコツ

近年、パラブーツは女性のファッションシーンでも欠かせない存在となりました。レディースのアヴィニョンも、基本的なサイジングの考え方はメンズと同じですが、女性特有の足の悩み(外反母趾や冷え性によるソックスの重ね履きなど)を考慮する必要があります。
女性は男性に比べて筋肉量が少なく、踵が小さいため、サイズ選びを間違えると歩行中にスポスポと脱げてしまうトラブルが起きやすいのです。
レディースモデルの場合、「厚手のコットンソックスで履くのか」「タイツやストッキングで履くのか」によって、選ぶべきサイズがハーフサイズ変わります。
もしデニムに合わせて冬場に厚手の靴下を履くなら、実寸通りのサイズ感で良いかもしれませんが、きれいめなスタイルで薄手の足元を想定するなら、かなりタイトに攻める(-1.5cm程度)必要があります。ミカエルのような履き口が広いモデルと違い、アヴィニョンは紐で甲をしっかり押さえられるので、女性でも比較的サイズを合わせやすいのがメリットですね。
また、パラブーツはフランス政府から「無形文化財企業(EPV)」の認定を受けている伝統あるメーカーであり、その堅牢な作りは女性にとっても「一生モノ」の投資価値があります(出典:Paraboot Official Site「Know-how」)。長く履き続けるためには、最初から「楽なサイズ」を選びすぎないことが、レディースにおいても鉄則となります。
ミカエルやランスなど他モデルとのサイズ比較
すでにパラブーツの他モデルを所有している方にとって、アヴィニョンのサイズ感は「比較」することでより明確になります。アヴィニョンはパラブーツのラインナップの中でも、標準的かつ安定したフィッティングを持っています。
例えば、チロリアンシューズの「ミカエル」をUK41(約26cm)で履いている場合、アヴィニョンではUK7.0か7.5が候補になります。ミカエルは紐による調整範囲が狭いため、かなり小さめを選ばないと踵が浮いてしまいますが、アヴィニョンは5つの紐穴でしっかりとホールドできるため、ミカエルよりはサイズ選びの自由度が高いと言えるでしょう。
また、ローファーの「ランス」や「コロー」は紐がないため、アヴィニョンよりもハーフサイズ下げてタイトに履くのが一般的です。一方で、デッキシューズの「バース」は素足や極薄のソックスで履くことを想定しているため、アヴィニョンと同じサイズを選ぶと大きく感じることが多いはずです。
パラブーツ主要モデル・サイズ相関表(アヴィニョンUK6.5を基準とした場合)
| 比較モデル | 推奨サイズ | フィッティングの特徴 |
|---|---|---|
| アヴィニョン | UK 6.5 | 基準:全方位にバランスが良い |
| シャンボード | UK 6.0 〜 6.5 | 甲が高いためサイズダウンを検討 |
| ミカエル | UK 6.0 | 踵が抜けやすいためタイトに |
| ランス | UK 5.5 〜 6.0 | スリッポン形式なので極限まで攻める |
| バース | UK 6.0 | 薄着(素足)想定のため小さめを推奨 |
パラブーツのアヴィニョンのサイズ感の注意点

正しいサイズを選んだとしても、アヴィニョンとの生活はバラ色で始まるとは限りません。むしろ、最初の1ヶ月は「本当にこのサイズで良かったのか?」と自問自答する日々が続くかもしれません。
ここでは、購入後に直面する現実的な注意点と、その乗り越え方を解説します。
リスレザーが馴染むまでのきつい修行期間
パラブーツを語る上で欠かせない「リスレザー(Lisse Leather)」。通常のカーフよりも多量の油分と蝋(ワックス)を含ませたこの革は、雨に強く耐久性に優れていますが、新品時はお世辞にも「柔らかい」とは言えません。
特にノルヴェイジャン製法による厚みのあるソールと相まって、履き始めは足全体がギプスで固定されているような強い圧迫感を感じることがあります。これこそが、愛好家たちの間で語り継がれる「修行期間(ブレイクイン)」の正体です。
この期間は、革の繊維がまだ解れておらず、歩行時の屈曲(返り)も悪いため、足の甲が痛くなったり、くるぶしが擦れたりすることがあります。しかし、ここであきらめてはいけません。
10回、20回と履き込むうちに、足の熱によって革の中の蝋分が馴染み、驚くほどしなやかに変化していきます。「いい意味できつい」という状態は、まさにこのリスレザーが自分の足に化けるための準備期間なのです。この馴染みのプロセスは、パラブーツというブランドの醍醐味でもあります。
修行を乗り切るためのコツ
いきなり一日中履いて出かけるのはおすすめしません。まずは家の中で1時間ほど履いてみる、次に近所のコンビニまで歩いてみる、といった具合に、徐々に距離を延ばしていきましょう。
また、厚手のソックスを履くことで、足への攻撃性を和らげるのも有効な手段です。もしブルーム(白い粉)が出てきたら、メンテナンスのサイン。ブラッシングをして革をケアしてあげると、馴染みも少し早まります。
くるぶしが当たる痛みへの適切な対処法

アヴィニョンのサイズ感で唯一にして最大の懸念点が、「外くるぶしが履き口の縁に当たって痛い」という問題です。アヴィニョンは他のモデルに比べてヒールカップがやや深く、サイドの立ち上がりが高めに設定されています。
そのため、くるぶしの位置が低い方が履くと、歩くたびに革の端がくるぶしに食い込むような痛みを感じることがあります。これはサイズの問題というよりは、ラスト(木型)と個人の骨格の相性の問題です。
もし当たって痛い場合は、以下の対処法を試してみてください。
多くの場合は、ソールが沈み込むにつれて足全体の位置が下がり、逆に痛みが強まる可能性もあります。早い段階でインソール等で調整をしておくのが、アヴィニョンを嫌いにならないための知恵ですね。
関連記事:革靴にインソールを入れるべき理由【疲れやサイズを改善する選び方】
履き込みで羽根が閉じる前の最適なフィッティング
アヴィニョンは「外羽根(ダービー)」と呼ばれる形式の靴です。この羽根の開き具合こそが、サイズ選びが成功したかどうかのバロメーターになります。
革靴初心者の方は「羽根はピッタリ閉じている方が美しい」と思いがちですが、それは間違いです。新品の時点では、羽根の間隔が1.5cmから2.0cmほど開いている状態がベストです。
なぜなら、前述した「沈み込み」が起こると、羽根は確実に閉じていくからです。もし新品で羽根がピッタリ閉じている(平行になっている)サイズを選んでしまうと、数ヶ月後には紐をいくら締めても足が固定されない状態になってしまいます。
アヴィニョンは甲をしっかり押さえてこその靴ですので、将来の「伸びしろ」を計算に入れておかなければなりません。「少し開きすぎかな?」と不安になるくらいが、実は1年後に最高のフィット感を生む魔法のスパイスになるのです。
この感覚を信じて、少しタイトなサイズからスタートすることをおすすめします。
トリッカーズやオールデンとの実寸比較

手持ちの本格靴があるなら、それとの比較が最も信頼できるガイドラインになります。ここでは世界的な定番ブランドとの比較を掘り下げます。
トリッカーズ(Tricker's)との比較
イギリスを代表するカントリーブーツの名作「バートン(Bourton)」をUK7.0(フィッティング5)で履いているなら、アヴィニョンもUK7.0でほぼ間違いありません。ただし、バートンの方が内部容積(特に幅)が広く感じられるはずです。
アヴィニョンの方が土踏まずから踵にかけての絞りが効いているため、より「カッチリ」としたホールド感になります。バートンが少し緩く感じる方は、アヴィニョンではハーフサイズ下げたUK6.5を検討しても良いでしょう。
オールデン(Alden)との比較
アメリカの雄、オールデンの「バリーラスト」との比較です。バリーラストのUS7.5Dを履いている場合、アヴィニョンではUK7.0が相当します。バリーラストはゆったりとした万能ラストですが、アヴィニョンはそれに比べて甲のホールド力が強く、踵も小さめです。
オールデン特有の「中底の返りの良さ」に対し、パラブーツは「ソールのクッション性と剛性」が特徴です。アヴィニョンの方が雨の日でもガンガン履ける実用性があるため、サイズ選びさえ間違えなければ最強の通勤靴になります。
経年変化で完成する最高の履き心地の目安

アヴィニョンの「完成」は、購入から1年、あるいは100回ほど履いた瞬間に訪れます。最初はあんなに頑固だったリスレザーが、あなたの足の関節に合わせて美しいシワを刻み、中底のコルクが自分の足裏の起伏を完全にコピーした状態です。この段階に達したアヴィニョンは、もはや「靴」というよりは「第2の皮膚」と呼べるほど快適になります。
最高の履き心地に到達した目安は、「靴べらを使わなくても、スッと足が吸い込まれるように入り、かつ歩いても踵が全く浮かない」という状態です。
また、長時間歩いても特定の箇所が痛くならず、パラブーツ独自のラバーソールの恩恵を最大限に感じられるようになります。もし数年経ってもどこかに違和感がある場合は、迷わず信頼できる靴修理店に相談してください。
インソールの微調整や、必要に応じたストレッチ(機械による革伸ばし)を行うことで、眠っていた名靴が最高の相棒として蘇るはずです。
パラブーツのアヴィニョンのサイズ感の総括
長々と解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。パラブーツのアヴィニョンは、その端正な顔立ちからは想像できないほどの質実剛健な作りと、奥深いフィッティングの世界を持っています。
最後にもう一度、この記事で最も伝えたいことをまとめます。パラブーツのアヴィニョンのサイズ感は「スニーカーサイズマイナス1.0cm」を基準とし、新品時の適度な圧迫感を「成長の証」として受け入れること。これこそが、失敗しない選び方の核心です。
シャンボードの陰に隠れがちなアヴィニョンですが、その実力は間違いなくパラブーツ随一です。ビジネスからカジュアルまで、文字通りあなたの足元を支え続けてくれるでしょう。
