こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
フランスの至宝とも呼ばれるJ.M.Westonの靴、憧れますよね。特に自分だけの仕様で作るJ.M.Westonのオーダーについて、気になっている方も多いのではないでしょうか。
既製品でも十分に素晴らしいウエストンですが、いざオーダーしようと思うと、パーソナライズドエディションの料金や、注文してから手元に届くまでの納期、さらには失敗しないためのサイズ感など、知っておきたいことがたくさんあります。一生モノの投資だからこそ、後悔はしたくないですよね。
この記事では、ウエストンのオーダーシステムで選べる素材のバリエーションや、気になる値段の目安、そして実際に店舗へ行く前に押さえておきたいフィッティングのコツまで、私の調べた情報を整理してお伝えします。この記事を読めば、憧れのカスタムオーダーへの第一歩がグッと身近になりますよ。
J.M.Westonのオーダーで作る自分だけの一足

まずは、J.M.Westonのオーダーシステムで具体的にどのようなカスタマイズが可能なのか、その自由度の高さと魅力について詳しく見ていきましょう。
パーソナライズドエディションで選べる素材と色の種類

J.M.Westonの「パーソナライズド・エディション」に足を踏み入れると、まずその圧倒的な素材の選択肢に驚かされます。自社で歴史あるタナリー(革なめし工場)の「デュプイ」を傘下に収めているウエストンだからこそ、用意されているレザーのクオリティは世界最高峰と言っても過言ではありません。
選べるレザーの数は常時100種類以上にのぼります。内訳を見ると、ボックスカーフやスエードといったカーフレザーが約89種類、そしてアリゲーターやリザードなどのエキゾチックレザーが約41種類も用意されています。これだけの種類があると、もはや「選べない」という贅沢な悩みに直面しますね。
さらに面白いのが、このサービスでは最大3種類まで素材を組み合わせることができる点です。
このように、既製品(Ready-to-Wear)では絶対に手に入らない独創的なデザインを実現できるのが、パーソナライズド・エディションの凄みです。最高品質の素材をどう料理するか、フランスの職人と対話するような感覚で選べるのは、靴好きにとって至福の時間かなと思います。
伝統に裏打ちされた素材の信頼性
ウエストンで使用されるボックスカーフは、きめが細かく、磨き込むほどに宝石のような光沢を放ちます。これは単に見た目が美しいだけでなく、繊維が詰まっているため耐久性も非常に高いのが特徴です。
私の経験上、質の悪い革は馴染む前にひび割れたりしますが、ウエストンの革は数年経ってからが本当の「味」が出てくるんですよね。
180ローファーを自分好みにカスタマイズする魅力

「フレンチエレガンス」の象徴とも言える「#180 シグニチャーローファー」は、1946年の誕生からデザインが変わっていない完成された一足です。この完成された靴をあえてオーダーする理由は、やはり「不変のデザインに自分だけの文脈を加える」ことにあるのではないでしょうか。
オーダーにおける#180の醍醐味は、カラーリングの自由度です。既製品のブラックやタンも素敵ですが、オーダーなら深いネイビーのカーフに白のステッチを入れた爽やかな仕様や、あえてライニング(内張りの革)をパッションレッドにして、脱いだ時にだけ見える色気を演出することも可能です。
価格面については、ベースとなるオーダー料金が209,000円(税込)からとなっています。既製品との価格差はありますが、ここにはウエストンのこだわりが詰まっています。
何より、世界中で愛されているこのローファーを、自分の美意識で再解釈できるというのは、靴愛好家にとってこれ以上ない贅沢ですよね。
ゴルフやヨットなど人気モデルのカスタム範囲

「#641 ゴルフ」や「#690 ヨット」といったカジュアル寄りの名作たちも、オーダーによってその表情を劇的に変えることができます。特にゴルフは、もともと「ジャーナリストの靴」と呼ばれるほど堅牢な設計のため、オーダーでもその「実用美」をどう引き出すかが鍵になります。
例えば、ゴルフをオーダーする際に、アッパーに傷が目立ちにくいグレインレザー(型押し革)を選び、ソールを厚手のラバー仕様に変更すれば、最強の全天候型シューズが完成します。一方で、あえて繊細なボックスカーフを載せて、上品な「ドレスゴルフ」に仕立てるのも面白い選択です。
| モデル名 | 主なカスタムの特徴 | 価格の目安(税込) |
|---|---|---|
| #641 ゴルフ | Uチップのステッチ強調やソール変更 | 225,500円〜333,300円 |
| #690 ヨット | アッパーとサドルの大胆な色使い | 200,000円前後〜 |
| #590 トリプルソール | 超重量級のソールとエキゾチック素材 | 499,400円〜 |
価格に幅があるのは、エキゾチックレザーなどの高価な素材を選んだり、ソールの仕様を複雑にしたりすることで加算されるためです。予算と相談しながら、どこまでこだわるかを決めるプロセスも楽しいものです。
ヨットをオーダーする際の楽しみ
#690 ヨットは、デッキシューズの流れを汲むデザイン。オーダーなら、ソールに明るい色を持ってきたり、履き口のパイピングだけ色を変えたりといった、遊び心のあるカスタマイズが非常によく映えます。週末のリラックスしたスタイルを格上げする一足になりますね。
ソールの仕様やステッチの色までこだわるディテール

パーソナライズド・エディションの深淵は、一見気づかないような細部にまで及びます。アッパーの革を選んだら、次は靴の「土台」となるソールの選択です。
レザーソールの厚み一つとっても、シングル、ダブル、そしてウエストンの象徴的なトリプルソールまで選択可能です。ソールの厚みは歩き心地だけでなく、靴全体のボリューム感や重厚感に直結します。
こうした細かい部分を一つずつ決めていくことで、自分のライフスタイルに完璧に合致した靴ができあがります。例えば、都市部での歩行が多い私なら、あえてレザーソールではなく、耐水性とクッション性に優れた「オールテラン」などの純正ラバーソールを選びたいな、なんて想像が膨らみます。
付属する専用シューツリーと製作期間の目安

オーダーを検討する上で避けて通れないのが「待ち時間」です。J.M.Westonのパーソナライズド・エディションは、注文から手元に届くまで約6ヶ月という期間を要します。
「半年も待てない!」と思う方もいるかもしれませんが、フランスのリムーージュにある自社工場で、熟練の職人が一工程ずつ手作業で進めていることを考えると、むしろ必要な時間だと言えます。この待っている期間に、どんな服と合わせようか、どんな場所へ履いていこうかと思いを馳せるのも、オーダーならではの豊かな時間ですよね。
そして、完成時に必ず付いてくるのが「専用の純正シューツリー」です。
シューツリーの価値
ウエストンの靴は木型が非常に特殊で立体的です。この専用ツリーは、オーダーした靴と同じラスト(木型)に基づいて作られているため、靴の形を完璧に保持してくれます。これがあることで、10年、20年経っても靴のシルエットが崩れず、一生モノとしての価値を保つことができるんです。
ビスポークとの違いと手に入れやすい価格設定

最後に、オーダーシステムのランクについても触れておきましょう。今回中心にお話しした「パーソナライズド・エディション」と、究極の「ビスポーク」には明確な違いがあります。
ビスポークは、個人の足に合わせてゼロから木型(ラスト)を削り出す、いわば「一点ものの彫刻」を作るような作業です。そのため、価格も35万円以上、納期も1年以上かかるのが一般的です。
対して、パーソナライズド・エディションは既存の完成されたラストを使用します。しかし、ウエストンは一つのサイズに対してAからGまでの幅広いウィズ(足囲)を用意しています。
よほど特殊な足の形をしていない限り、このパーソナライズド・エディションで十分に「自分だけの一足」という満足感を得られるはずです。
J.M.Westonのオーダーを成功させる店舗と手順

ウエストンのオーダーシステムの内容がわかったところで、次は「どこで、どうやって」注文するのか、そして最も重要な「サイズ選び」の戦略について深掘りしていきましょう。
東京などで注文できる常設店舗と取扱店

J.M.Westonのオーダーを体験するには、ブランドの哲学を熟知した専門スタッフのコンサルテーションが欠かせません。現在、日本国内でパーソナライズド・エディションを常時受け付けている拠点は限られていますが、その分、質の高いサービスが期待できます。
東京エリアで注目すべきは、2023年に開業した「メゾン エ ヴォヤージュ 麻布台ヒルズ店」です。ここでは、ウエストンの世界観を体現したラグジュアリーな空間で、100種類以上のレザーサンプルブックをじっくりと手に取ることができます。スタッフの方と対話しながら、一つひとつのパーツを選んでいく時間は、まさに至福のひとときと言えるでしょう。
また、名古屋エリアも非常に充実しています。「名古屋栄三越」には常設のオーダーカウンターが設置されており、メンズ25型、ウィメンズ6型という非常に幅広いモデルからベースを選択可能です。名古屋地区は古くから高品質な紳士靴を愛好する文化が根付いているため、スタッフの知識も非常に豊富かなと感じます。
常設店で受けられる主なサービス
「いきなりオーダーは緊張するな」という方も、まずはこれらの店舗で既製品を試着し、自分の足の傾向を把握することから始めるのがおすすめですよ。
伊勢丹新宿など期間限定のトランクショー情報

常設店以外でオーダーを検討しているなら、定期的に開催される「トランクショー」や期間限定イベントも見逃せません。特に、日本の紳士靴の聖地とも言える「伊勢丹新宿店メンズ館」でのイベントは、毎回大きな注目を集めます。
こうした期間限定イベントの魅力は、通常店舗では展開していないような「イベント限定の希少なレザー」が登場したり、フランス本国からマスターフィッターが来日して直接採寸を行ってくれたりする場合があることです。
また、最近では「Who are you, J.M. WESTON? 展」といった、ブランドの歴史や職人技術を紹介する大型催事が「ジェイアール名古屋タカシマヤ」などで開催されることもあります。こうした機会を利用すれば、ブランドへの理解を深めながら、より納得感のあるオーダーが可能になります。
イベント情報を逃さないために
百貨店のカード会員向け情報誌や、ブランドの公式SNSをこまめにチェックしておきましょう。トランクショーは予約制の場合が多いため、早めの問い合わせが安心です。また、左右で極端にサイズが異なる方のための「左右サイズ違いオーダー」などの特別な相談に乗ってもらえることもあります。
万力締めを考慮した失敗しないサイズ選びのコツ

ウエストンのオーダーにおいて、最も勇気がいるのが「サイズ選定」です。特にシグニチャーローファー#180で有名な「万力締め」は、初めての方にはかなりのプレッシャーかもしれませんね。
万力締めとは、新品の状態では足が万力に挟まれたように痛いほどのタイトフィッティングを指します。これは、ウエストンの靴に使われる堅牢な中底のコルクが数ヶ月かけて沈み込み、アッパーの革が足の熱と湿気で馴染んだ後に、「完璧なフィット感」になるよう設計されているためです。
失敗の多くは、試着時の「今の痛み」から逃げてしまい、ハーフサイズ大きいものを選んでしまうことで起こります。履き始めて半年後に革が伸びた際、かかとがパカパカと浮いてしまうのは、ウエストン愛好家にとって最大の悲劇と言っても過言ではありません。
修行を乗り越えるための覚悟
ウエストンの靴、特にダブルソール仕様などを選んだ場合、馴染むまでの「修行期間」は必須です。最初のうちは1〜2時間の短時間から履き始め、少しずつ自分の足の形に調教していく感覚が必要です。この過程を乗り越えた人だけが、吸い付くような最高の履き心地を手に入れられるのです。
ラストごとの特徴を捉えたフィッティングの要諦

ウエストンには多くの「ラスト(木型)」が存在し、それぞれ性格が全く異なります。オーダーを成功させるためには、モデル名だけでなく「どのラストを使っているか」に注目することが重要です。
例えば、ビジネスシーンで人気のハーフハント(#598)に使われる「ラスト21」は、非常に個性的です。
ラスト21(#598)の攻略法
ラスト21の特徴は、「甲が非常に高く、捨て寸が短いためにつま先が狭い」という点にあります。この木型に自分の足を合わせるためのセオリーとして、「通常のサイズからウィズを一段階下げ、レングス(長さ)をハーフ上げる」という手法が知られています。
このように、ラストのクセを理解した上で、自分の足型(エジプト型、ギリシャ型など)との相性を考える必要があります。私のような幅広甲高の日本人の足には、ウィズ展開が豊富なウエストンのシステムは本当にありがたいのですが、その分、選択を間違えた時のリスクも大きいんです。
| ラスト(木型) | 主な対応モデル | フィッティングの傾向 |
|---|---|---|
| ラスト41 | #180 ローファー | かかとの食いつきを重視。タイト目が基本。 |
| ラスト31 | #641 ゴルフ | 丸みのある形状。安定感があるが、かかと抜けに注意。 |
| ラスト21 | #598 ハーフハント | 甲が高く、指先が詰まりやすい。ウィズ調整が鍵。 |
購入後の純正修理と長く愛用するためのメンテナンス

せっかくオーダーした「自分だけの一足」ですから、30年、40年と添い遂げたいですよね。そのためには、適切なメンテナンスと、何よりブランドによる「純正修理」の活用が不可欠です。
J.M.Westonはフランスのリムーージュに自社工場を持ち、世界中から送られてくる修理品を職人が一足ずつ再生させています。純正修理の最大のメリットは、その靴が作られた時と同じ「オリジナルのラスト」を使用して型崩れを補正しながらソールを張り替えてくれる点です。これにより、長年履いて馴染んだ感覚を維持しつつ、新品時のようなシャンとした姿に戻ります。
純正修理を利用する際の注意点
一度でも街の修理屋さんなどで、社外品のラバーを貼ったり、ウェルトに針を通したりしてしまうと、ブランド側で「純正の状態ではない」と判断され、修理を断られるケースがあります。資産価値を守るためにも、少し費用と時間はかかりますが、一貫して純正サービスを利用することをお勧めします。
日々の手入れについては、高品質なクリームで革に栄養を与え、履いた後は必ず専用のシューツリーに入れて休ませることが基本です。特にウエストンの革はタフですが、乾燥には弱いため、定期的なケアを欠かさないようにしたいですね。
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理想を実現するJ.M.Westonのオーダーまとめ
ここまでJ.M.Westonのオーダーについて詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
自分だけの素材選び、妥協のないフィッティング、そしてフランスの職人が半年かけて作り上げる工程。これらすべてが、J.M.Westonのオーダーという特別な体験を構成しています。既製品にはない、自分自身の美意識が形になった靴に足を通す瞬間は、他の何物にも代えがたい高揚感を与えてくれるはずです。
最後に、私がJ.M.Westonのオーダーを成功させるために大切だと思うことをまとめます。
- パーソナライズド・エディションの自由度を存分に楽しみ、自分だけの組み合わせを見つけること。
- 「修行」を恐れず、将来の沈み込みを見越した誠実なサイズ選びを行うこと。
- 完成した後は純正修理を活用し、一生モノとして大切に育て上げること。
ウエストンのオーダーは決して安い買い物ではありません。しかし、時を経るほどに輝きを増し、自分の人生の一部となっていくその靴は、真のラグジュアリーを教えてくれるはずです。この記事が、あなたの理想の一足を手に入れるための助けになれば嬉しいです。
