こんにちは!革の小部屋管理人の「小次郎」です!
お気に入りの革靴を履いて意気揚々と出かけたのに、静かなオフィスや廊下を歩くたびに足元からギュッギュッと音が鳴り響いて、恥ずかしい思いをしたことはありませんか。
あの音って、一度気になりだすと歩くこと自体がストレスになってしまいますよね。実は、革靴のギュッギュッという不快な異音には必ず明確な原因があり、その正体さえ突き止めれば、自分でも意外と簡単に直し方を見つけることができるんです。
この記事では、原因の特定から自分ですぐに試せる対策、さらにはプロのリペアショップに任せるべき重症なケースの判断基準まで、私自身の経験も踏まえて徹底的に掘り下げて解説します。
革靴の音鳴り、対策、原因、そして消す方法を網羅していますので、足元の悩みから解放されたい方はぜひ最後までお付き合いくださいね。
革靴でギュッギュッと音が鳴る原因とは

まずは、なぜあのような大きな音が鳴ってしまうのか、そのメカニズムを深掘りしていきましょう。音の出どころを正しく特定することが、無駄な出費を抑える賢い対策への第一歩になりますよ。
歩くと音が出る仕組みと不快な摩擦の正体
革靴を履いて一歩踏み出すとき、私たちの足元では想像以上に複雑な物理現象が起きています。あの独特な「ギュッギュッ」という音の主な正体は、専門用語で「スティック・スリップ現象」と呼ばれるものです。
これは、二つの面が接触して滑り出すときに、摩擦力の変化によって「密着(スティック)」と「滑り(スリップ)」を高速で繰り返すことで発生する微細な振動です。この振動が靴のパーツ全体に共鳴し、私たちの耳にはあの耳障りな音として聞こえてくるわけですね。
特に音が発生しやすいポイントは、足の甲を覆う「タン(ベロ)」と、紐を通す部分である「羽根」の裏側が重なっている箇所です。
歩行のたびに足の甲が屈曲し、これらのパーツ同士が強い圧力で擦れ合います。革は天然素材ですから、内部には微細な繊維が絡み合っており、水分や油分が不足して革が乾燥状態にあると、この表面の摩擦係数が跳ね上がります。
結果として、潤滑を失った革同士が悲鳴を上げるように鳴り響いてしまうのです。私たちが「靴が泣いている」と感じる現象の多くは、実はこの乾燥による悲鳴なんですね。
また、アッパー(甲革)だけでなく、靴の内部にある「ライニング(裏地)」とソックスとの摩擦が原因になることもあります。特に化学繊維の靴下を履いている場合、特定の条件下で同様の摩擦音が生じることがあります。
まずは、靴のどのあたりを触ったときに音が鳴るのかを、手で押したり揉んだりしてじっくり確認してみることが大切です。原因が外部の摩擦なのか、それとも次で解説するような内部の構造的なものなのかを切り分けることで、対処法はガラリと変わってきます。
新品の革靴が馴染むまでの初期症状と対処法

「奮発して買ったばかりの高級靴なのに、なぜ歩くたびにギュッギュッとうるさいの?」と、ショックを受けている方もいるかもしれません。しかし、新品の革靴が鳴くのは、実は品質の良し悪しに関わらず非常によくある現象なんです。
むしろ、しっかりとした厚みのある上質な本革を使用している靴ほど、使い始めは革が硬く、パーツ同士が馴染むまでに時間がかかるため、音が出やすい傾向にあります。
新品時の音鳴りの主な原因は、革や芯材がまだ足の動きに合わせて柔軟に動けないことにあります。特にグッドイヤーウェルト製法のような本格的な靴の場合、インソールの下にはたっぷりの「練りコルク」が敷き詰められています。
このコルクが履き手の足型に合わせて沈み込み、自分の形に固定されるまでの「ナラシ期間(ブレイクイン)」は、内部のパーツ同士が安定せず、微妙な隙間で擦れ合いが生じることがあります。
一般的には、1週間から2週間程度(回数にして5〜10回ほど)履き込むことで、革が体温と湿気を吸収して柔らかくなり、パーツ同士の「アタリ」が最適化されて音は自然に消えていきます。
もし、新品の状態でどうしても音が気になって外を歩けないという場合は、無理に履き続ける前にプレメンテナンスを行いましょう。
新品の靴は製造から手元に届くまでに時間が経過しており、革が乾燥していることが多いです。まずは全体を軽くブラッシングし、パーツが重なり合っている部分に少量の保湿クリームを馴染ませるだけでも、摩擦が劇的に軽減されます。「馴染むのを待つ勇気」も、革靴愛好家にとっては大切なスキルの一つかもしれませんね。
新品の革靴を購入した際は、まず「プレメンテナンス」としてデリケートクリームを入れる習慣をつけましょう。これにより、音鳴り防止だけでなく、履きシワによるひび割れ(クラック)の予防にも繋がります。
関連記事:革靴はデリケートクリームだけでOK?【効果や頻度のコツ・ブランド別の特徴】
靴底のシャンク折れや内部構造の故障を疑う場合
一方で、数ヶ月から数年履き込んだ愛着のある靴から、ある日突然「ギシギシ」「ゴリッ」という重い音が聞こえてきた場合は、深刻な内部故障のサインかもしれません。
最も疑わしいのは、靴の背骨とも言える「シャンク(芯材)」の異常です。シャンクは土踏まず部分の形状を維持し、歩行時の体重移動を支える重要なパーツで、主に鉄や強化プラスチック、木などが使われています。
このシャンクが金属疲労や強い衝撃によって折れてしまったり、あるいは固定している接着剤が劣化して中底から浮き上がったりすると、歩くたびにシャンクが内部の他のパーツと干渉して不快な異音を発生させます。
これは表面をいくら保湿しても直りません。「靴底の深いところから音が響く」「体重をかけたときだけ音がする」といった場合は、このシャンク折れの可能性が極めて高いです。放置しておくと、靴の強度が低下して形が崩れるだけでなく、足のアーチを支えられなくなるため、疲れやすくなったり足の裏の痛み(足底腱膜炎など)を引き起こしたりするリスクもあります。
もう一つの可能性として、ソール(靴底)の接着剥がれが挙げられます。特に雨の日に履いた後などは、内部に浸入した水分が接着剤を弱め、部材同士の間に空隙(隙間)を作ることがあります。
歩くたびにその空隙から空気が押し出されて「プシュッ」という音がしたり、剥がれた面同士が擦れて「ギュッ」と鳴ったりするわけです。こうした構造的な問題は、外見からは判断が難しいため、もし数日間様子を見ても音が止まない場合は、プロの診断を仰ぐべきタイミングだと言えるでしょう。
靴底の中央付近を強く押したときにパコパコと音がしたり、左右で明らかに靴のしなり方が違う場合は、内部のシャンクが損傷している可能性が高いです。無理に履き続けると怪我の原因にもなるので注意してください。
オフィスの床でキュッキュッと響く環境要因

自分の靴が悪いわけではなく、歩く「場所」との相性が原因で音が鳴ることもあります。
特にオフィスのフロアや公共施設の廊下に多いリノリウム、Pタイル、あるいは磨き上げられた大理石などの平滑な床材を歩く際、「キュッキュッ」という高く鋭い音が鳴り響くことがあります。これは靴内部の問題ではなく、アウトソール(靴底)と床材の間の高い摩擦抵抗によって生じる音です。
この現象は特に、グリップ力の高いラバーソール(ゴム底)や、滑り止めのために後付けしたゴム半張り(ハーフラバー)を施した靴で顕著に現れます。
ゴムの性質上、平らな面に吸い付くような特性があるため、一歩踏み出すたびに吸盤が剥がれるような現象が起きているのです。これはある意味で「滑りにくい」という安全性の裏返しでもありますが、静かな環境では周囲に響き渡ってしまい、非常に気まずい思いをしますよね。
特に湿度の高い日や、床にワックスが塗りたての状態、あるいは靴底に微細な水分や油分が付着していると、この音は増幅される傾向があります。
対策としては、まず靴底を綺麗に清掃することです。
長年履いていると、靴底の溝に汚れや油分が溜まり、それが床との粘着性を高めてしまうことがあります。水で濡らして固く絞った布で靴底を拭くだけでも、意外と音は収まるものです。
それでも鳴り止まない場合は、接地面積を少し変えるために、市販の滑り止めステッカーを貼るなどの工夫が必要になるかもしれません。ただし、あまりに滑りやすくしすぎると転倒の危険があるため、安全性とのバランスを考慮した慎重な対応が求められます。
周囲の視線が恥ずかしい異音を放置するリスク
「たかが音くらい、我慢すればいい」と放置してしまうのは、あまりおすすめできません。なぜなら、靴の異音は精神的なストレスだけでなく、実質的な「損害」に繋がることが多いからです。
まず精神面では、静かな会議室やレストランで足元からギュッギュッと音がするたびに、「自分の靴がうるさくないか」と意識がそがれ、本来集中すべき仕事や会話に身が入らなくなってしまいます。
周囲からも「手入れがされていない靴なのかな?」と、身だしなみの面でネガティブな印象を持たれてしまうかもしれません。第一印象が大切なビジネスシーンにおいて、足元の音は意外な落とし穴になり得るのです。
また、身体への影響も無視できません。音をさせまいと意識するあまり、足を引きずったり、逆に踵を強く打ち付けないように不自然な歩き方(すり足など)を続けていると、足首や膝、さらには腰にまで過度な負担がかかります。
本来、革靴は歩行をサポートするための道具であるはずなのに、その道具のせいで姿勢が崩れてしまっては本末転倒ですよね。さらに、構造的な欠陥(シャンク折れ等)が原因である場合、放置すると修理代がより高額な「オールソール」まで膨らんだり、最悪の場合は修理不能になってしまうことさえあります。
異音は靴が発している「SOS」のサインです。早期に対処すればクリーム一つで解決することもありますし、早めに修理に出せば最小限のパーツ交換で済みます。
何より、音の不安がない状態で颯爽と歩ける快感は、何物にも代えがたいものですよ。愛着のある靴だからこそ、その小さな叫びを無視せず、しっかりと向き合ってあげましょう。
誰でもできる革靴のギュッギュッ音を消す対策

原因がわかったところで、次は具体的な解決策を実践していきましょう。お金をかけずに今すぐ試せる方法から、プロによる本格的な治療まで順を追って解説します。
靴用クリームを使用した簡単な保湿メンテナンス
アッパー由来の音鳴り、つまり革同士の摩擦が原因である場合、最も確実で効果的なのは「革の柔軟性を高め、滑りを良くすること」です。
そこで登場するのが、私たちが普段の靴磨きで使用している靴用クリームです。特に、油分と水分のバランスが良い「乳化性クリーム」や、浸透力の高い「デリケートクリーム」がこの用途には最適です。
具体的な手順としては、まず馬毛ブラシで靴全体のホコリを落とし、特に音が鳴っている箇所(タンの周囲や羽根の隙間)を入念に掃除します。
次に、指先や布に少量のクリームを取り、タンの端や羽根の裏側の革が重なり合っている部分に、塗り込むように馴染ませていきます。革の繊維に油分が染み込むことで、表面のガサつきが抑えられ、パーツ同士がスムーズに摺動(しょうどう)するようになります。これだけで、今までの不快な音が嘘のように静まるケースが多いんです。
私自身、何度もこの方法で「鳴き」を鎮めてきました。
もしクリームを塗っても効果が薄い場合は、革の質感が少し変わってしまう可能性はありますが、より油分の強い「ミンクオイル」や「レザードレッシング」をピンポイントで使うのも一つの手です。
ただし、塗りすぎると革が柔らかくなりすぎて型崩れの原因になったり、ベタつきにホコリが付着したりするため、あくまで「適量を薄く」が鉄則です。このメンテナンスは、音を消すだけでなく、革を健やかに保つための最高のご馳走になります。
日々のケアの一環として取り入れてみてくださいね。詳しいクリームの塗り方や選び方については、こちらの記事も参考になりますよ。
革靴を柔らかくする方法4選【痛い靴を快適にする履き慣らしのコツ】
これらの「可動域」を重点的に保湿するのがコツです。
ベビーパウダーで革同士の摩擦を抑える応急処置

「クリームを塗ったけれど、どうしても特定の箇所だけ音が残ってしまう」という場合や、「今すぐ音を止めたいけれど乾かす時間がない!」という緊急時におすすめの裏技が、ベビーパウダーを活用する方法です。
一見すると意外な組み合わせですが、ベビーパウダーの主成分である「タルク」などの微細な粒子が、革と革の間のミクロな凹凸に入り込み、ボールベアリングのような働き(潤滑作用)をしてくれるのです。
使い方は非常にシンプルです。音が鳴っているタンと羽根の隙間に、ベビーパウダーをごく少量振りかけ、指や小さなブラシで軽く広げるだけです。パウダーをはたくことで、革表面の粘着性が抑えられ、物理的に接触抵抗が下がります。
これにより、摩擦音が劇的に消失します。この方法は、特に湿気が多く革がペタつきやすい時期や、オイルを塗りすぎて逆に粘り気が出てしまった靴に非常に有効です。私もしばしば、出先で音が気になり始めたときに、ドラッグストアでパウダーを買ってしのいだ経験があります。
注意点としては、「つけすぎないこと」。パウダーを多く使いすぎると、黒い革靴の場合は粉の白さが目立ってしまいますし、水分と混ざってダマになると後で掃除が大変になります。
また、パウダーはあくまで一時的な緩和策であり、革そのものを健康にするわけではありません。まずはクリームによる保湿を基本とし、どうしても解決しない箇所の「最終兵器」として活用するのがベストかなと思います。手軽ですが効果は絶大ですので、困ったときはぜひ試してみてください。
専門店に依頼する効果的な直し方と修理の相場
自分であれこれ試しても音が消えない場合や、前述した「シャンク折れ」など構造的な問題が疑われる場合は、迷わずプロのリペアショップ(靴修理店)へ持ち込みましょう。
靴を熟知した職人さんは、靴を軽く叩いたり曲げたりするだけで、音の出どころを瞬時に見抜いてくれます。プロによる修理は、単に音を止めるだけでなく、靴の構造的な寿命を延ばすことにも繋がります。
代表的な修理方法としては、まずアウトソールの一部を剥がし、中底の下にアクセスしてシャンクの状態を確認します。シャンクが浮いていれば再接着し、折れていれば新しいパーツに交換した上で、隙間にたっぷりとコルクや専用の接着剤を充填して遊びをなくします。
この工程は非常に緻密な作業ですが、完了すれば新品時のような、あるいはそれ以上の静粛性と安定感が戻ってきます。修理費用の目安を以下にまとめました。
| 修理・メニュー内容 | 費用の目安(片足) | 納期・預かり期間 |
|---|---|---|
| シャンク交換・再固定 | 3,300円 〜 5,500円程度 | 1週間 〜 2週間 |
| アウトソール一部接着直し | 1,100円 〜 2,200円程度 | 即日 〜 3日 |
| オールソール(靴底全面交換) | 11,000円 〜 18,000円程度 | 3週間 〜 1ヶ月 |
※料金は店舗や靴の製法、使用するパーツによって変動します。また、修理を依頼する際は、具体的な音の種類や、どのような動作で音が鳴るかを伝えるとスムーズです。
全国展開しているリペアショップだけでなく、地元の信頼できる職人さんがいるお店を探してみるのもおすすめですよ。修理にかかる費用や期間についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
雨の日のトラブルを防ぐ防水対策と乾燥の手順

「晴れの日は静かなのに、雨の日やその翌日になると靴が鳴き出す」という現象に悩まされている方も多いはず。これは水分が革の繊維をふやかせたり、内部の接着剤を加水分解させたりすることで、摩擦条件が大きく変わってしまうためです。
特に、中底に水が染み込むと、乾燥する際に革が収縮して硬くなり、部材同士の間に新しい隙間が生まれてしまいます。これが後の異音の原因になるわけですね。
雨の日のトラブルを防ぐ最大の防御は、「事前の防水スプレー」と「徹底した乾燥」に尽きます。防水スプレーは表面に微細なフッ素皮膜を作り、水滴だけでなく汚れの付着も防いでくれます。
これにより、パーツの隙間に水分が入り込むのを最小限に抑えられます。そして、万が一濡れてしまった場合は、帰宅後すぐに汚れを拭き取り、シュートゥリーを入れるか、新聞紙を詰めて湿気を吸い取りましょう。乾燥は直射日光を避け、風通しの良い日陰で行うのが鉄則です。
もし、濡れた後に「シュッ」という空気の漏れるような音や、気泡が出るような音がする場合は、ソールが一部剥がれて水が入っている証拠です。
そのまま履き続けると、内部のカビや腐食の原因にもなるため、早めにプロの手で圧着し直してもらう必要があります。雨の日のケアを丁寧に行うことは、単に音を防ぐだけでなく、靴の寿命を数年単位で延ばすことにも繋がります。大切な相棒を守るために、少しだけ手間をかけてあげましょう。
(参照:KAWANOMA「革を知る」)
適切なケアで革靴のギュッギュッ音を解消するまとめ
今回は、多くの人を悩ませる「革靴のギュッギュッという異音」について、その原因と対策をじっくりと掘り下げてきました。あの恥ずかしい音は、決して放置すべきものではなく、靴からの大切なメッセージでしたね。
革同士の乾燥による摩擦であれば、靴用クリームでの保湿やベビーパウダーによる潤滑といった、自宅でできる簡単なメンテナンスで驚くほどあっさり解消することが可能です。
一方で、新品特有の「馴染み待ち」が必要なケースや、シャンク折れのようなプロの技術を要する重症なケースがあることもお分かりいただけたかと思います。
適切なケアを行い、革靴のギュッギュッという音をしっかり解消することは、快適な歩行を取り戻すだけでなく、あなたのビジネスマンとしての信頼感や、心身の健康を守ることにも直結します。
一足一足、個性のある革靴だからこそ、小さな変化に気づいてあげることが大切です。この記事で紹介した方法を一つずつ試していけば、きっとまたあの静かで優雅な足音とともに、自信を持って街を歩けるようになるはずですよ。
