こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
いつかは手に入れたい憧れの英国靴といえば、やっぱりクロケット&ジョーンズですよね。でも、いざ買おうと思ってもネットで安いものを見かけると、これってクロケット&ジョーンズの偽物じゃないかなと不安になることもあるはずです。
最近はフリマアプリでの個人売買や、一見すると公式サイトのような通販サイトも増えていて、模倣品の見分け方がより難しくなっています。せっかく高いお金を払うなら、絶対に本物を手に入れたいですよね。
この記事では、私が個人的に調べて納得した真贋判定のポイントや、賢い買い方についてじっくりお話ししていきます。
クロケット&ジョーンズの偽物を掴まないための基礎知識

まずは、なぜクロケット&ジョーンズがこれほどまでに信頼されているのか、その理由から見ていきましょう。
偽物と比較するためには、本物が持っている「本来の姿」を知っておくことが一番の近道かなと思います。140年以上の歴史が紡いできた技術の結晶を理解することは、偽物の違和感に気づくための強力な武器になります。
英国靴の聖地が守る最高峰のグッドイヤー製法
クロケット&ジョーンズといえば、やっぱり1879年から続くノーザンプトンの名門。最大の特徴は、手間暇かかるグッドイヤー・ウェルト製法を頑なに守り続けていることですね。

この製法は、アッパー(甲革)とインソール(中底)、そしてアウトソール(本底)を「ウェルト」という細い革の帯を介して縫い合わせるもの。1足作るのに約8週間、200以上の工程を経るというから驚きです。この複雑な構造こそが、英国靴の堅牢性と美しさを支えています。
本物のグッドイヤー製法で作られた靴は、履き込むほどに中底に敷き詰められた天然コルクが足の形に沈み込み、自分だけの一足に育つのが醍醐味。この「育てる楽しみ」こそが本物の証と言えるかもしれませんね。
偽物には到底真似できない、職人の魂がこもった構造なんです。また、この製法は靴底の張り替え(オールソール)が何度も可能であるため、適切なケアを施せば10年、20年と履き続けることができます。一方で、模倣品はこの手間を嫌い、見た目だけを似せた簡易的な構造を採用するため、長期間の着用には耐えられません。
内部構造に隠された真実
外側からは見えませんが、本物には土踏まずを支える「スチールシャンク」という鋼鉄製の芯材が入っています。これにより、長時間の歩行でも足が疲れにくく、靴の形が崩れるのを防いでくれます。
対して偽物はプラスチック製だったり、そもそもシャンクが入っていなかったりするため、靴を手に持って軽くねじると、ぐにゃりと曲がってしまうことがあります。この剛性感の差も、本物を見極める重要な指標となります。
模倣品に多い安価な接着剤によるセメンテッド製法
一方で、クロケット&ジョーンズの偽物として出回る粗悪品の多くは、見た目だけを似せた「セメンテッド製法」で作られていることが多いです。

これはアッパーとソールを強力な接着剤でペタッと貼っただけのもの。製造コストが極めて低く、大量生産に向いているため、模倣品ビジネスでは定番の製法です。一見するとウェルトにステッチがあるように見えますが、実はプラスチック製の偽ウェルトに飾りの糸が乗っているだけ、なんてことがよくあります。
セメンテッド製法は通気性が悪く、足が蒸れやすいという欠点があります。何より致命的なのは、靴底の張り替えが基本的にできないこと。一度ソールが削れてしまえば、修理して使い続けることが難しく、使い捨てのような存在になってしまいます。長く愛用することを前提としたクロケット&ジョーンズの本物とは、根本的に思想が異なります。
見た目のステッチが「本当に革を貫通して縫われているか」を観察するのが大切です。偽物はステッチの糸が不自然に浮いていたり、等間隔ではなかったりすることが多いですよ。 また、接着剤の劣化により、履いている途中で突然ソールが剥がれてしまうというリスクも孕んでいます。足の健康や安全を考えても、安易な偽物への手出しは禁物かなと思います。
ハンドグレードとメインラインの仕様の違い
ここは結構マニアックなポイントですが、クロケット&ジョーンズには大きく分けて2つのラインがあります。
これを理解していないと、「仕様が違うから偽物だ!」と勘違いしちゃうかもしれません。私自身、最初は戸惑った記憶がありますが、実は明確なランク分けがされているんです。
メインラインは決して「質が低い」わけではなく、質実剛健な英国の伝統的なスタイル。一方のハンドグレードは、よりビスポークに近い意匠を取り入れたエレガントな仕上がりです。
偽物はこれらの仕様を適当に混ぜ合わせていることもあるので、自分が狙っているモデルがどちらのラインなのか、事前に把握しておくのが賢明かなと思います。例えば、代表的な「オードリー」はハンドグレードですが、これにオープンチャネルのソールが付いていたら、即座に疑うべきポイントになりますね。
ヒドゥンチャネルとオープンチャネルの決定的な差

高級なハンドグレードモデルに採用される「ヒドゥンチャネル(伏せ縫い)」は、まさに職人の技が光る部分。ソールの革を薄く起こして、その下を縫った後に再び革を伏せて接着するという、とんでもなく高度な技術です。
これにより、新品の状態では底面に縫い糸が一切見えず、まるで一枚の滑らかな革のような美しさを誇ります。この仕上げは非常にコストがかかるため、偽物で再現されることはまずありません。
一方で、メインラインに多い「オープンチャネル」は、ソールに溝を掘ってそこにステッチを走らせる実用的な仕様。偽物の場合、このステッチのピッチ(間隔)がガタガタだったり、糸の素材が安っぽかったりします。
本物は1インチ(約2.5cm)の間に8〜10針という非常に細かく均一なピッチで縫われていて、その精密さこそがブランドのプライドそのものなんです。また、本物のステッチはしっかりとロウ引きされた丈夫な糸が使われており、革に食い込むように力強く縫われています。この密度とテンションの均一さは、熟練の職人ならではの仕事です。
10万円を超える正規の市場価値と資産性を知る

価格設定は、偽物を見分ける最も分かりやすいフィルターになります。現在、クロケット&ジョーンズの新品定価は、原材料の高騰や人件費の上昇もあり、10万円を超えるのが当たり前。
どんなにセールや並行輸入でも、新品が3万円や4万円で売られることはビジネス構造的にまずありえません。職人が8週間かけて作る靴に、それだけのコストがかかるのは当然のことなんです。
極端に安い新品価格(例:全品70%OFF、29,800円など)を提示しているサイトは、偽物販売サイトか、最悪の場合は個人情報を盗むフィッシングサイトの可能性が高いので、絶対に近づかないようにしましょう。
中古市場でも、状態の良いオードリーやキャベンディッシュ3なら3万円〜6万円程度の値がつきます。この「資産価値の高さ」こそが本物の証。あまりにも相場から乖離した安さは「何かがある」と疑うべきですね。
| モデル名 | 定価(税込) | 中古相場(美品) | 備考 |
|---|---|---|---|
| オードリー | 約115,500円〜 | 約40,000円〜65,000円 | ハンドグレードの代表格 |
| キャベンディッシュ3 | 約115,500円〜 | 約35,000円〜55,000円 | 不屈の人気ローファー |
| モールトン | 約105,000円〜 | 約30,000円〜50,000円 | 万能なUチップモデル |
この価格表からもわかる通り、クロケット&ジョーンズは「価値が落ちにくい靴」なんです。この価値を理解している人なら、怪しい安売りサイトでリスクを冒すことはしないはずですよ。
並行輸入品と国内正規品の品質やサービスの違い

「並行輸入品だから安い」という説明はよく聞きますよね。確かに、海外の正規店から直接買い付けた本物の並行輸入品は、国内正規品より2〜3割安く買えることがあります。製品自体のクオリティは世界共通なので、ノーザンプトンの工場で作られた本物であれば、製品そのものは国内正規品と全く同じです。ここは安心してくださいね。
しかし、最大の違いはアフターサービスにあります。国内正規品は正規代理店が品質を保証しているため、公式のリペアが受けられたり、初期不良の対応がスムーズだったりします。
一方で、並行輸入品を装って巧妙に偽物を送りつける悪質な業者も存在します。「並行輸入=偽物」ではないけれど、「偽物の言い訳に並行輸入が使われやすい」という点は覚えておきたいポイントかなと思います。
特に日本語のタグがないことや、箱が少し傷んでいることを逆手に取って、粗悪品を紛れ込ませる手口には注意が必要です。購入する際は、その業者が長年並行輸入を扱っている実績があるかどうかを、レビューなどで入念にチェックしてくださいね。
クロケット&ジョーンズの偽物を見分ける鑑定のポイント

ここからは、実際に靴を手に取った時にチェックすべき、より具体的なポイントを深掘りしていきます。実は、本物のオーラと偽物の安っぽさは、五感をフル活用すれば意外とハッキリ分かるものなんです。特に「匂い」と「文字」には嘘をつけないポイントが隠されています。
レザーの質感と科学薬品のような異臭をチェック

本物のクロケット&ジョーンズを箱から出した瞬間、漂ってくるのは上質な「革の香り」です。これは欧州のトップタンナーから供給された高品質なフルグレインレザーを使用している証。
ベジタブルタンニン鞣しの工程を経た革特有の、落ち着くような香ばしい匂いがします。対して、安い偽物はガソリンのような刺激臭や、ゴム、ボンド、安価な塗料のようなツンとした化学薬品臭がすることが多いんです。これはコストを抑えるために、質の悪い革を化学物質で無理やりコーティングしているからです。
また、アッパーの質感も全く違います。指で軽く押してみてください。本物のカーフレザーは、きめ細かなシワ(血筋や毛穴の痕跡)が自然に現れ、圧力を解くとすぐに元に戻ります。
偽物によく使われる「修正銀面」や「床革」は、不自然なほどツルツルしているか、逆にシワの入り方がビニールのように大きく、一度ついたシワが戻りにくい傾向があります。
職人の手書きによるライニング表記とフォントの精度

靴の内部(ライニング)には、モデル名やサイズ、ラスト番号などが記載されています。本物はここが非常に美しく、規則性を持って印字、あるいは熟練の職人によって手書きされています。英国靴らしい、クラシックで洗練されたフォントが使われているのが特徴です。
偽物の場合、この文字が滲んでいたり、左右の靴で印字の位置が上下に大きくズレていたりします。また、使用されているフォントが現代的すぎたり、数字の形が不自然(例えば「3」の形が妙に丸いなど)だったりすることも。
フォントの太さが不自然に太かったり、インクのノリが安っぽかったりする場合は要注意かなと思います。また、実在しないラスト番号とモデル名の組み合わせが記載されていることもあるので、ネットの図鑑サイトなどで照合してみるのも非常に有効な手段ですよ。
アウトソールにあるリジェクト品の刻印の有無
本物ではあるけれど、検品で惜しくも基準に満たなかった「セカンド品(リジェクト品)」というものも存在します。
これらは、製造工程で生じた極めて微細なキズや色ムラが原因で、A級品として出荷できなかった個体。通常は英国のファクトリーショップなどで、ソールの土踏まず付近に「R」や「SUBS」(Sub-standardの略)といった刻印を打った上で、割安で販売されます。

これ自体はブランドが製造した真正品なのですが、悪質な業者がこの刻印を「隠して」新品の正規品として高値で転売しているケースがあります。また、稀にこの「R」刻印を偽物の証拠だと勘違いしてトラブルになるケースも見かけますが、それは間違いです。
むしろ、刻印がある場所が削り取られていたり、不自然に上から色を塗って隠そうとしている跡がある方が危険です。本物のリジェクト品であれば、その分安く手に入る「お得な本物」ですが、隠して売るような相手からは買わないのが無難ですね。
メルカリやヤフオクなどの二次流通市場での防衛策

フリマアプリでの購入は、最も安く買える可能性がある反面、偽物を掴まされるリスクも最大です。写真がどれほど綺麗でも、出品者がその靴について詳しく語れるかどうかをチェックしてください。
もし購入してしまったら、絶対に「受取評価」を急がないこと! メルカリ等の利用規約では、偽物の疑いがある場合は事務局に連絡して対応を待つことができます。一度評価をしてしまうと代金が出品者に渡り、取り返すのは絶望的になります。届いたらまず、この記事で紹介した「匂い」「ステッチ」「ライニング」を隈なくチェックしましょう。
付属品や靴箱の印刷の質から真正性を判断する

「靴本体は精巧に作れても、パッケージングにまでコストをかけきれない」のが偽物ビジネスの弱点です。本物のクロケット&ジョーンズの箱は、非常に頑丈な厚紙で作られており、深みのある緑色や紺色が特徴。ロゴの箔押しも立体感があり、剥がれにくい高精度の仕上がりです。
付属の布袋(シューバッグ)も重要な鑑定ポイント。本物は肌触りの良いきめ細かなコットン素材で、ロゴのプリントも鮮明。偽物の布袋は生地がペラペラで透けて見えたり、ロゴのインクが薄かったり、さらにはスペルミスがあることもあります。
ラベルの整合性を確認
箱の側面にある商品ラベルも見てください。モデル名、色、サイズ、ラスト、シリアルナンバーが印字されていますが、この情報が靴内部のライニングの表記と1文字でも違えば、それは管理がずさんな個体か、あるいは偽物の箱を使い回している可能性があります。細部にこそ、ブランドの誠実さが現れるものです。
専門の鑑定サービスや信頼できる販売店を活用する

結局のところ、安心を一番に考えるなら「どこで買うか」が全てかもしれません。特に高額な買い物ですから、数万円を惜しんで偽物を掴むより、信頼を買う方が最終的な満足度は高いはずです。
| 購入ルート | 信頼度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 国内直営店・有名百貨店 | 100% | 間違いなく本物。サイズ計測やフィッティング相談も可能。 |
| 老舗セレクトショップ | 100% | BEAMSやUAなど。独自の別注仕様があり、希少性も高い。 |
| 革靴専門店のリユース | 95%以上 | ラストラボやラスタイルなど。専門鑑定士が常駐。 |
| 海外個人輸入(正規店) | 99% | 本物だが、関税の手続きやサイズ交換のハードルがある。 |
「これ、本物かな…?」と疑いながら履く靴は、歩いていても楽しくありません。自信を持って街を歩くために、初心者のうちは対面で説明を受けられる店舗での購入を強くおすすめします。
失敗しないためのクロケット&ジョーンズの偽物対策
最後になりますが、クロケット&ジョーンズの偽物を掴まないためには、何よりも「適正価格と品質を知ること」に尽きるかなと思います。
140年以上、一貫してノーザンプトンで作り続けているこの靴には、安売りできない理由、そして高いお金を払う価値が確実に詰まっています。今回紹介したステッチの密度、上質なレザーの香り、そして内部の精密な印字といったポイントを意識すれば、偽物の違和感には必ず気づけるはずです。
偽物を撲滅することは難しいですが、私たちが賢い消費者として知識を身につけることが、ブランドを守ることにも繋がります。もし手元にある靴に少しでも不安を感じたら、一人で悩まずにブランド靴を専門に扱う修理店(ユニオンワークスさんなど)や、革靴に強い買取店でプロの意見を聞いてみるのも一つの手です。
正確な情報は(出典:Crockett & Jones 公式サイト)を確認するのが一番ですので、迷ったら基本に立ち返りましょう。最終的な判断は専門家にご相談くださいね。あなたが最高の1足と出会い、共に素晴らしい革靴ライフを歩めるよう、心から応援しています!
