こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
憧れのオールデン990ですが、いざ買おうと思ってもどこも在庫切れで買えないという状況が続いていますね。
入荷時期がいつになるか分からず、中古相場も高騰していて、中には偽物まで出回っているという噂を聞くと不安になるのも無理はありません。私自身、革靴が大好きで色々調べてきましたが、この990を巡る狂騒曲には驚かされます。
ということでこの記事では、なぜここまで手に入らないのかという理由から、失敗しないためのサイズ感の考え方、そして今すぐ手に入れるための意外な穴場まで、私の知っている限りの情報をお伝えします。
なぜオールデンの990が買えないのか?供給不足の理由

そもそも、どうしてこれほどまでに手に入らないのか、その裏事情を掘り下げてみますね。単なる人気だけではない、素材や製造現場の深刻な問題が見えてきます。
コードバンの枯渇と入荷時期が長期化している現状

オールデンの代名詞とも言えるコードバンですが、実はこれ、馬の臀部にあるごくわずかな繊維層からしか取れない非常に希少な革なんです。しかも、現在はこの原皮自体の供給が世界的に細っていると言われています
かつては農耕馬が一般的でしたが、機械化が進んだ現代では食用などの副産物としてしか手に入りません。そのため、質の良い「シェル」を持つ個体に出会える確率は年々下がっているのかなと思います。
さらに追い打ちをかけるのが、その製造工程の長さです。シカゴの老舗タンナーであるホーウィン社では、伝統的な植物タンニンによる鞣し工程に約6ヶ月もの時間をかけています。
これだけリードタイムが長いと、急激な需要増に対して生産調整を行うことが物理的に不可能です。特に「990」は、大きな一枚革を贅沢に使用するプレーントゥのデザイン。
傷のない綺麗な大判のコードバンが必要になるため、パーツを繋ぎ合わせる他のモデルよりもさらに製造のハードルが高いんですよね。一度在庫が切れると、次の入荷時期が数年先になってしまうのは、こうした「待つしかない」素材の特性が大きく関係しています。
ホーウィン社(Horween Leather Co.)の公式見解でも、コードバンは非常に特別で希少な素材(extremely special, scarce)であるとされており、その供給量は厳格に管理されています。(出典:Horween Leather Co. 公式サイト)
こうした状況から、日本の正規代理店やセレクトショップでも、発注から納品まで2年、3年待ちという事態が常態化しているというわけなんです。
希少なコードバンの特性と手入れによる魅力の変化
990に使われるコードバン、特に「Color 8」と呼ばれるダークバーガンディは、光の当たり方で表情を変える独特の艶があります。この革は「育てる楽しみ」が他の革とは段違いなんですよね。

牛革の銀面とは異なり、繊維が緻密に詰まった層を削り出して磨き上げているため、内側から発光するような深い光沢が生まれます。この質感を一度味わってしまうと、他の靴では満足できなくなる中毒性があるのかなと感じます。
新品時は少し黒ずんだ深い紫色に見えることが多いですが、履き込んでいくうちに紫外線による退色や、クリームによる油分の補給、そしてブラッシングによる摩擦が重なり、少しずつ透明感のある赤みを帯びた「飴色」へと進化していきます。
このエイジングこそがコードバンの醍醐味であり、持ち主の歩き方によって刻まれる太い「うねるようなシワ」と共に、世界に一足だけの表情を作り上げます。この変化を愛するコレクターが世界中に存在し、彼らが常に在庫を追い求めているため、新規の購入者がなかなか手に入れられない状況が続いているわけです。
コードバンの輝きを維持するには、日々のブラッシングが最も重要です。馬毛ブラシで埃を落とした後、山羊毛ブラシやネル生地で磨き上げることで、革の内部から油分が浮き出し、宝石のような艶を保つことができます。
また、コードバンは「非常に丈夫だが繊細」という二面性を持っています。繊維が縦に並んでいるため、引き裂き強度には非常に強いのですが、水に濡れると繊維が立ち上がって「水ぶくれ(通称:サメ肌)」になりやすいという弱点があります。
こうした手間のかかる性質さえも、愛好家にとっては「手入れのしがいがある」とポジティブに捉えられており、そのこだわりが990の神格化に一役買っているのは間違いありませんね。
職人の高齢化による供給の限界と正規店での予約

オールデンの靴作りは、1884年の創業以来、マサチューセッツ州ミドルボロウの工場で続けられています。今でも多くの工程が熟練の職人たちによる手作業で行われており、特に990のようなバリーラストを用いた伝統的な製靴には、機械では代替できない絶妙な匙加減が必要とされます。
しかし、アメリカ国内でも製造業を支える職人の高齢化は深刻な問題となっており、技術の継承が追いついていないという話も聞かれます。
白が映えるサドルシューズ。職人の引退などで、現在は製作できない靴です
ASCIIより引用
990は「プレーントゥ・ブルーチャー」という非常にシンプルな形式ですが、シンプルが故に誤魔化しが全くききません。アッパーの一枚革をラスト(木型)に沿わせて吊り込む作業は、革の厚みや伸び具合を指先で感じ取りながら進める職人技の結晶です。
もし少しでも歪みがあれば、履き心地や見た目の美しさが台なしになってしまいます。こうした高度な技術を持つ職人の数が限られているため、たとえ原皮があっても「作れる数」そのものが物理的に決まってしまっているんです。
現在、国内の正規代理店である「ラコタハウス」をはじめとする有名店では、予約を受け付けている場合もありますが、それでも順番待ちは果てしないものです。予約リストに名前を載せたとしても、「いつ入荷するかは本国(アメリカ)の出荷次第」という返答になることがほとんど。
こうした不透明な入荷状況が、多くのユーザーに「実店舗では買えない」という印象を植え付けている大きな要因ですね。もし正規店で新品を狙うなら、年単位の忍耐が必要になることは覚悟しておいたほうがいいかもしれません。
現在の定価と中古相場の推移や偽物の見分け方

供給が追いつかない一方で、輸入コストの高騰や世界的なインフレの影響により、オールデンの国内定価は上昇の一途をたどっています。2026年現在、新品の990であれば18万円から、ショップによっては20万円に近い価格設定も珍しくなくなってきました。
数年前までは12万円前後で手に入っていたことを考えると、まさに「高嶺の花」になってしまった印象ですね。
この急激な価格高騰により、手が出しにくくなった層が中古市場へ流入し、結果として二次流通の相場も大きく跳ね上がっています。状態の良いものであれば、中古でも10万円から15万円程度で取引されることが一般的になりつつあります。
こうした状況下で特に注意したいのが、悪質な転売や「偽物」の流通です。オールデンは人気が高いため、残念ながらコピー品が存在します。偽物を見分けるための最大のポイントは、やはり「革のシワ」と「ロゴの刻印」です。
コードバンは牛革と異なり、繊維が横に走っていないため、シワが線ではなく「うねり」のような立体的な山状になります。もし、細かくひび割れたような線状のシワが入っている場合は、コードバンではなく牛革に加工を施したガラスレザーの可能性が高いです。
また、インソールのロゴや土踏まず付近の刻印もチェックしてください。本物は非常に精緻ですが、偽物は文字の太さがバラバラだったり、刻印の深さが浅かったりすることが多いです。
フリマアプリ等で「海外正規店購入」と称して相場より極端に安く出品されているものは、偽物や大きなダメージを隠した個体であるリスクが非常に高いです。特に990は一枚革を使用しているため、大きな傷やクラック(割れ)があると修理が困難です。説明文だけでなく、写真を細部まで拡大して確認することを忘れないでください。
また、正規のコードバン製品には、ホーウィン社の「シェルコードバン」であることを証明するスタンプが革の裏側に押されていることがありますが、990はライニング(裏地)があるため直接確認することはできません。
二次流通市場でのリセールバリューと状態の確認

一方で、オールデンは「資産価値」が非常に高い靴としても知られています。もしサイズが合わなくなったり、好みが変わったりして手放すことになっても、状態が良ければ購入価格の多くを回収できる可能性があります。
これが「リセールバリュー」の高さであり、高額な初期投資に対する強力なリスクヘッジとなっているわけです。特に990のような王道モデルは、流行に左右されない普遍的な価値があるため、中古市場でも常に需要が絶えません。これから購入を検討している方にとって、この「売れる安心感」は背中を押してくれる大きな要素になるのかなと思います。
中古で990を探す際に、必ずチェックすべきポイントをいくつか挙げますね。まずは「インソールの沈み込み」です。グッドイヤーウェルト製法の靴は、履き込むことで中底のコルクが自分の足型に合わせて沈み込みます。
あまりに沈み込みが激しい個体は、前の持ち主の足癖が強く残っているため、自分に馴染ませるのが大変かもしれません。次に「ソールの減り」です。オールソール(靴底の全交換)には数万円の費用がかかるため、購入価格に修理代を上乗せして考える必要があります。
中古靴のコンディションを判断する際、アッパー(甲革)の乾燥具合にも注目してください。長期間手入れされずに放置されたコードバンは、柔軟性を失ってクラック(割れ)が起きやすくなっています。購入後は、デリケートクリーム等でしっかりと水分と油分を補給してあげるのがコツです。
オールデンの990が買えない時の解決策と在庫確認

「正規店で予約して3年待つなんて無理!」という方のために、ここからは現実的に今すぐ動ける解決策を具体的に紹介していきます。私も実際に使っている手法ですので、ぜひ参考にしてみてください。
在庫があることも多いAmazonや楽天の活用術
意外な盲点かつ、最も手っ取り早いのが、Amazonや楽天市場などの大手ECサイトを活用することです。これらのサイトには、日本の正規代理店を通さない「並行輸入品」を扱うプロのショップが多数出店しています。

並行輸入品と聞くと不安に思う方もいるかもしれませんが、モノ自体はアメリカのオールデン本国で製造された本物です。むしろ、日本国内の厳しい検品基準(A品のみ流通)から外れた、アメリカ基準では合格とされる「微細な色むらや傷」がある個体が、少し安く出回っていることもあります。
「オールデン 990」で検索をかけ、自分のサイズを条件に入れてアラート設定をしておくと、突如として在庫が復活することがあります。特に楽天のスーパーセール時などは、ポイント還元を含めると実質的にかなりお得に手に入るケースもあり、私もよくチェックしています。
通販で心配なのはサイズ感ですが、990が採用している「バリーラスト」は全体的にゆったりした作りなので、厚手の靴下で調整しやすいというメリットもあります。万が一サイズが合わない場合でも、大手モールの優良ショップであれば返品・交換を受け付けてくれるところも多いため、実店舗で買えないもどかしさを解消する強力な武器になりますね。
| 購入手段 | 在庫の有無 | 価格帯 | おすすめの活用シーン |
|---|---|---|---|
| Amazon/楽天 | 比較的見つかりやすい | 定価〜やや安価 | 今すぐ手に入れたい、ポイントを貯めたい時 |
| 実店舗(正規店) | ほぼ絶望的 | 定価(上昇中) | 数年待てる、完璧な接客を求める時 |
| フリマ/中古 | 豊富にある | 中古相場(高騰中) | エイジング済みが欲しい、安く試したい時 |
オールデンに似てる国産ブランドを代替案にする

もし「オールデン」というブランドのロゴにこだわりがないのであれば、ぜひ日本の誇る革靴ブランドを検討してほしいなと思います。正直なところ、日本製の靴は「作りの緻密さ」という点では、本家オールデンを超えている部分が多々あります。
特にコードバンを使用したモデルに関しては、日本国内にもホーウィン社から直接革を仕入れている優れたブランドがいくつか存在します。日本人の足型に合わせて設計された木型は、欧米人向けの木型で起きがちな「踵抜け」や「幅の不一致」を解消してくれるはずです。
また、修理体制が整っているのも国産ブランドの強みです。浅草などの靴作りの聖地に拠点を置くブランドであれば、万が一の際もメーカー自身による高品質なリペアが受けられます。
コードバンのプレーントゥという「本質的な価値」を求めるのであれば、オールデンの代替案としてこれ以上の選択肢はありません。私自身、いくつかの国産コードバン靴を愛用していますが、その履き心地と美しさはオールデンに勝るとも劣らないものだと断言できます。次に紹介する具体的なブランド名を、ぜひ一度検索してみてください。
メイカーズなどコードバンに定評ある国内ブランド

国産コードバン靴の最高峰として、私が真っ先に挙げるのが「Makers(メイカーズ)」です。デザイナーの手嶋氏が手がけるこのブランドは、とにかくコードバンの魅力を最大限に引き出すことに特化しています。
使用しているのは、もちろんオールデンと同じホーウィン社のシェルコードバン。特筆すべきは、オールデンの990(Color 8)では飽き足らない層に向けて、さらに希少な「ウイスキー」や「No.4」といった、VIP顧客でも滅多に拝めないようなレアカラーを積極的にラインナップしている点です。
メイカーズの靴は、日本人の足を徹底的に研究した独自の木型を採用しており、特に土踏まずのシェイプや踵のホールド感は感動モノです。「オールデンの990はぼってりしすぎていて、自分の足には合わない」という方でも、メイカーズなら吸い付くようなフィッティングを感じられるはずです。
また、縫製の一つひとつが非常に丁寧で、アメリカ製の「味」とはまた違った「工芸品のような美しさ」があります。供給不足でオールデンの990が買え ないとストレスを抱えるくらいなら、メイカーズという至高の選択肢を一度試してみる価値は十分にありますよ。
ウィールローブやリーガルの国産プレーントゥ

もう少しコストパフォーマンスや実用性を重視したいという方には、「WHEEL ROBE(ウィールローブ)」や「REGAL(リーガル)」をおすすめします。
ウィールローブのプレーントゥは、まさにオールデンへのリスペクトを感じさせるボリューム感のあるフォルムが特徴です。コードバンモデルも存在しますが、あえてホーウィン社の「クロムエクセルレザー」を選んでみるのも面白いですよ。クロムエクセルは油分が豊富で雨にも強く、コードバンに負けない重厚なエイジングが楽しめます。
また、日本が誇る老舗のリーガルも、上位ラインでは水染めコードバンを使用した傑作を世に送り出しています。特にリーガルのコードバンは、透明感のある仕上げが美しく、オールデンとはまた異なる繊細な輝きを放ちます。
中古市場でも1万円台から見つかることがあり、コードバン入門としてはこれ以上ないほど優秀な一足です。「雨の日は絶対に履けない」というコードバンの制約が辛いと感じるなら、あえて国産ブランドのタフな一足を選ぶ方が、結果として革靴ライフが楽しくなるかもしれませんね。
関連記事:リーガルの革靴の寿命は何年?修理価格や20年履く手入れ術を解説
個人輸入や海外通販サイトを利用した購入のコツ

国内でどうしても見つからない場合の最終手段が、アメリカやヨーロッパのショップからの個人輸入です。アメリカの「The Shoe Mart」などの有名店では、稀に990の在庫がリストに並ぶことがあります。
円安の影響で価格的なメリットは薄れていますが、それでも「本国アメリカの在庫」にアクセスできる強みは大きいです。購入には英語でのやり取りが必要になりますが、最近は翻訳ツールも優秀なので、それほど高いハードルではありません。
ただし、注意点もいくつかあります。まずは「関税」です。革靴の関税は非常に高く、購入価格の約30%、あるいは一足あたり4,300円の高い方が適用されるという、かなり痛い出費になります。
また、配送中に箱が潰れたり、届いた個体に傷があっても返品のハードルが非常に高い点は覚悟しておく必要があります。こうしたリスクを許容できるのであれば、世界中にアンテナを広げることで、憧れの990に出会える確率は飛躍的に高まります。
海外通販を利用する際は、配送業者(UPSやFedExなど)による追跡ができるショップを選びましょう。また、サイズ表記が「US」であることを再確認し、自分の足に合ったウィズ(幅)の在庫があるか、チャットやメールで事前に問い合わせるのがスマートな買い方です。
関連記事:オールデンをアメリカで買う方法【値段や関税額・やり方を解説】
オールデンの990が買えない現状のまとめと対策
さて、ここまでオールデンの990が買え ないという深刻な悩みに対して、様々な角度から解決策を提案してきました。オールデン990は、間違いなく「一生モノ」と呼ぶにふさわしい素晴らしい靴です。し
かし、その希少性ゆえに、今や手に入れること自体が一種のプロジェクトのようになっていますね。正規店での予約、Amazonや楽天でのこまめな在庫チェック、そして信頼できる中古品の探索。これらを組み合わせることで、必ずチャンスは巡ってきます。
一方で、視野を少し広げて、MakersやWHEEL ROBEといった国産ブランドの「質の高さ」に触れてみることも強くおすすめします。ブランド名に惑わされず、自分自身の足に最も合い、見ていて心躍る一足を選ぶことこそが、本当の意味での「良い買い物」ではないでしょうか!
