こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
憧れの靴として名前が挙がることも多いオールデンの4562Hですが、いざ手に入れようとすると色々と気になることが出てきますよね。
私も以前、オールデンの4562Hのサイズ感や、似ているモデルである45625Hとの違いが分からず、ラコタハウスへ行く前にかなり調べた記憶があります。
最近は定価も上がっていますし、コードバンの経年変化を楽しみにして購入するなら、絶対に失敗したくないというのが本音ではないでしょうか。この記事では、私が実際に調べたり触れたりして感じた魅力を詰め込みました。購入を検討している方の不安が少しでも解消されれば嬉しいです。
オールデンの4562Hの特徴と他モデルとの違い

オールデンのラインナップの中でも、特に日本で神格化されているのがこのモデルです。なぜこれほどまでに愛されるのか、その設計思想や素材の魅力、そして混同されやすい他モデルとの決定的な違いについて、小次郎の視点で詳しく深掘りしていきます。
モディファイドラストが生む矯正靴由来の履き心地
オールデンの4562Hを語る上で絶対に外せないのが、モディファイドラスト(Modified Last)という伝説的な木型の存在です。この木型はもともと、ハンディキャップを持つ足や、歩行に問題を抱える人々のために開発された「医療用矯正靴」の系譜を継いでいます。
一般的なドレスシューズのラストが「見た目の美しさ」を優先して足を左右から均等に圧迫するのに対し、モディファイドラストは解剖学的な視点から、人間の足の骨格構造を徹底的に研究して作られているんですね。
実際に足を入れてみると、まず驚くのが土踏まず部分の強烈な突き上げ感です。これは「アーチサポート」と呼ばれ、足の裏をグッと持ち上げてくれるような感覚があります。
また、つま先部分が内側に大きくカーブした「内振り」の形状をしており、指先を自由に動かせる広いスペースが確保されています。踵(かかと)と土踏まずでガッチリとホールドしつつ、指先はリラックスさせるという、メリハリの効いた設計がこのラストの真骨頂です。
この設計のおかげで、夕方になって足がむくんできても窮屈さを感じにくく、一日中快適に過ごせるのは本当にありがたいポイントですね。
他の定番ラストとの決定的な違い
オールデンにはバリーラストやトゥルーバランスラストといった有名な木型がありますが、これらと比較するとモディファイドラストの異質さが際立ちます。バリーラストが全体的にゆったりとしたボックス型であるのに対し、モディファイドラストはウエスト部分(土踏まず周辺)の絞り込みが非常に鋭くなっています。
この極端なシェイプが、単なる靴を超えた「歩行をサポートする医療器具」としての価値をオールデンの4562Hに与えているかなと思います。まさに機能美の極致であり、一度この履き心地を知ってしまうと、他の靴には戻れないという「中毒者」が続出するのも納得のスペックです。
歩行時の安定性を提供するスチールシャンクも内部にしっかりと仕込まれており、長年の使用にも耐えうる堅牢な構造となっています。機能性を突き詰めた結果として生まれたこの独特のフォルムこそが、靴好きの心を掴んで離さない理由ではないでしょうか。
| ラスト名 | 主な特徴 | 代表的なモデル |
|---|---|---|
| バリー (Barrie) | 日本人の足に馴染みやすいゆったりとしたアメリカンな木型。 | 990、975、1339(チャッカ) |
| モディファイド (Modified) | 医療用矯正靴がルーツ。 土踏まずを押し上げるようなフィット感が抜群。 | 54321(Vチップ)、54411 |
| バン (Van) | 主にローファー用。 甲が低めで、踵が抜けにくい絶妙な設計。 | 986、987(ペニーローファー) |
| アバディーン (Aberdeen) | 最も細身でシャープ。 つま先が長く、ドレッシーな装いに最適。 | 563(タッセルローファー)、2211(NST) |
| トゥルーバランス (Trubalance) | 最も幅広でボリューム満点。 安定感がありワークブーツ系に多い。 | 403、405(インディーブーツ) |
| レイドン (Leydon) | バリーとアバディーンの中間。 スマートながら程よい丸みがある。 | タンカーブーツ(一部)、チャッカブーツ |
| プラザ (Plaza) | つま先がスクエア気味にカットされた、現代的でモダンなフォルム。 | キャップトゥブーツ、Vチップの一部 |
ブラックコードバンが放つ宝石のような光沢と希少性

アッパー素材に使用されているのは、ホーウィン社製の最高級シェルコードバンです。オールデンといえばバーガンディ(#8)が象徴的ですが、オールデンの4562Hで採用されている「ブラック」は、よりストイックで都会的な美学を感じさせてくれます。
コードバンは「革のダイヤモンド」と称されますが、これは農耕馬の臀部にある「シェル」と呼ばれる厚さわずか数ミリの緻密なコラーゲン繊維層を削り出したものだからです。牛革のように銀面(表面)があるわけではなく、裏側を削り出して磨き上げることで、あの独特な輝きが生まれるんですね。
シカゴの名門ホーウィン社におけるコードバンの製造プロセスは、驚くほど手間と時間がかかっています。植物タンニンで6ヶ月以上という長い時間をかけてじっくりとなめし、秘伝のオイルをたっぷりと浸透させます。
その後、熟練の職人がガラス棒で表面を力強く磨き上げる「グレージング」という工程を経ることで、鏡のような光沢が宿ります。特にブラックコードバンの場合、その透明感のある深い黒が、磨き込むことで光を吸い込み、跳ね返すような独特の奥行きを見せます。
ということもあってコードバンの製造には熟練の技術と膨大な時間が必要で、世界でも最高級の素材として扱われます。特にホーウィン社の製法は1905年の創業以来、伝統を頑なに守り続けており、その信頼性は世界中の靴メーカーから絶賛されています(出典:Horween Leather Company公式「Shell Cordovan」製品詳細ページ)。
ブラックコードバン特有の魅力とエイジング
バーガンディが経年変化で赤みが抜けていく(退色する)のを楽しむ素材であるのに対し、ブラックは色の変化自体は少ないですが、その分「質感とシワの深まり」が際立ちます。

長年履き込むことで、革内部に含まれた油分が表面ににじみ出し、新品時のような「硬質な輝き」から、ヌメり気のある「しっとりとした艶」へと進化していきます。また、光の当たり方によっては、漆黒の中にわずかに青みや緑みが混じるような深い表情を見せることもあり、これがマニアにはたまらないポイントです。
ブラックだからこそ、シワの一本一本が陰影を強く作り出し、立体的な造形美を際立たせます。オールデンの4562Hのプレーントゥデザインは、装飾を一切排除することで、この素材の素晴らしさをストレートに味わうための最高の贅沢と言えますね。
45625Hとの違いを徹底比較
ネットで検索していると、よく似た品番の「45625H」というモデルに遭遇し、どちらを選ぶべきか迷ってしまう方も多いはずです。私も最初は「末尾に5が付くだけで何が違うの?」と混乱しましたが、実はその背景には明確な仕様の違いと展開ルートの差が存在します。
結論からお伝えすると、オールデンの4562Hは日本の総代理店であるラコタハウスが主導して展開する「日本国内の定番モデル」であり、対する45625Hは主にアメリカ本国や海外のセレクトショップが別注・販売しているモデルという位置づけになります。
この「5」の有無が、実は履き心地や見た目の印象に小さくない影響を与えているんです。
最も大きな違いはソールの仕様にあります。日本の4562Hは、伝統的に「シングルレザーソール」を採用しています。これによって、モディファイドラストの最大の武器である「ソールの返りの良さ」が最大限に発揮され、新品の状態からでも足裏の動きに吸い付くような軽快な歩行が可能です。
一方、海外展開が多い45625Hは、実用性やタフさを重視して「ダブルレザーソール」や「プランテーションソール(ラバーとクレープの複合ソール)」を採用している個体が多く見受けられます。
ソールが厚くなる分、45625Hの方がよりボリューム感のある無骨なシルエットになり、履き始めの硬さは増す傾向にあります。また、アイレット(紐を通す穴)の構成やスピードフックの色味など、細かなディテールにおいて4562Hは「ドレス寄り」、45625Hは「ワーク寄り」というニュアンスの違いが生じています。
| 比較項目 | オールデンの4562H(日本仕様) | 45625H(海外・別注仕様) |
|---|---|---|
| 主なソール | シングルレザーソール(薄手で返りが良い) | ダブルレザーまたはプランテーション(厚手) |
| ラスト構成 | モディファイドラスト | モディファイドラスト |
| アイレット構成 | 5ハトメ + 4スピードフックが標準 | ショップ別注により構成が多様 |
| 購入のしやすさ | 国内正規店(ラコタハウス等)で可能 | 個人輸入または並行輸入がメイン |
| 雰囲気 | スマートでドレッシーな印象 | 重厚感がありカジュアルな印象 |
日本国内で確実なサイズフィッティングを受けたい、あるいは純正のアフターケアを重視したいという方には、やはりラコタハウス基準のオールデンの4562Hが最も安心な選択肢かなと思います。
一方で、よりタフでボリュームのある足元を演出したいという上級者の方には、並行輸入などで45625Hを探すのも面白いかもしれません。
履き皺が刻むコードバン特有のダイナミックな経年変化

オールデンの4562Hを所有する最大の喜び、それは自分だけの足跡を革に刻み込んでいくエイジング(経年変化)の過程にあります。コードバンという素材は、一般的な牛革のように「キメの細かい網目状のシワ」が入ることはありません。
その代わり、大きく波打つような、深く力強い「畝(うね)」状のシワが入るのが最大の特徴です。このシワは、コードバンのコラーゲン繊維が縦方向に整然と並んでいることに由来しており、まるで海岸線に打ち寄せる波のような、有機的で圧倒的な造形美を生み出します。
特にオールデンの4562Hは、つま先に一切の装飾や切り替えがない「プレーントゥ」デザインを採用しています。これがエイジングにおいて極めて重要な役割を果たします。
ステッチによる遮りがないため、甲の広い面積全体を使ってダイナミックな履き皺が刻まれるんです。履き始めは平滑だったブラックの表面に、自分の歩き癖や指の動きに合わせたシワが定着していく様子は、まさに新品の靴が自分の「体の一部」へと変わっていく儀式のようです。
履き込むほどにシワの山と谷ができ、そこが光を反射してキラキラと輝く様子は、まさに圧巻の一言。この豊かなシワこそが、所有者がどれだけこの靴を愛し、共に歩んできたかを示す最高の勲章になるかなと思います。
失敗しないためのモディファイドラストのサイズ感

サイズ選びは、オールデンの4562Hを検討する上で最も慎重になるべきポイントです。なぜなら、モディファイドラストは他のどんなブランドの靴とも異なる「極端な形状」をしているからです。
普段履いているスニーカーや、他の英国靴のサイズ感覚をそのまま持ち込んでしまうと、ほぼ確実にフィッティングに失敗してしまいます。高価な靴ですから、サイズ選びのミスは精神的にも経済的にも大ダメージですよね。まずはモディファイドラスト特有の「フィッティングポイント」を正しく理解することが、成功への近道です。
一般的に、オールデンのモディファイドラストは「バリーラストと同じ、あるいはハーフサイズ下」を選ぶのが一つの目安とされています。しかし、ここで最も重要なのは足の全長(レングス)の数字だけではありません。最も意識すべきは、「自分のアーチ(土踏まず)の位置と、ラストの盛り上がりが一致しているか」という点です。
この靴は、土踏まずで足を下から支えることで快適性を生む設計になっています。もしサイズが大きすぎてアーチの位置が前にズレてしまうと、突き上げが急所に当たり、激しい痛みを感じる原因になります。
逆に小さすぎるとアーチサポートの恩恵を十分に受けられません。踵を靴の後ろにピタリと合わせた際、土踏まずが心地よく持ち上げられ、かつ指先には「捨て寸」と呼ばれる1cm程度の自由な空間があること。これが理想的な状態です。
他ブランドやスニーカーからの換算目安
あくまで目安ですが、ナイキやニューバランスなどのスニーカーサイズからは「1.0cm〜1.5cmダウン」が一般的です。例えば、スニーカーで28.0cmを履いている方なら、オールデンの4562HではUS8.5(26.5cm)やUS9.0(27.0cm)が候補になります。
英国靴(クロケット&ジョーンズなど)と比較しても、オールデンは表記に対してハーフサイズほど大きめの作りです。ただし、モディファイドラストは「踵を細く絞り、つま先は広く開放する」という特殊なバランスを持っています。
| 日本サイズ (目安) | スニーカーサイズ (Nike/NB等) | 英国靴サイズ (Crockett等) | 推奨オールデンサイズ (US) |
| 24.5 cm | 25.5 〜 26.0 cm | UK 5.5 〜 6.0 | US 6.5 (D/E) |
| 25.0 cm | 26.0 〜 26.5 cm | UK 6.0 〜 6.5 | US 7.0 (D/E) |
| 25.5 cm | 26.5 〜 27.0 cm | UK 6.5 〜 7.0 | US 7.5 (D/E) |
| 26.0 cm | 27.0 〜 27.5 cm | UK 7.0 〜 7.5 | US 8.0 (D/E) |
| 26.5 cm | 27.5 〜 28.0 cm | UK 7.5 〜 8.0 | US 8.5 (D/E) |
| 27.0 cm | 28.0 〜 28.5 cm | UK 8.0 〜 8.5 | US 9.0 (D/E) |
| 27.5 cm | 28.5 〜 29.0 cm | UK 8.5 〜 9.0 | US 9.5 (D/E) |
| 28.0 cm | 29.0 〜 29.5 cm | UK 9.0 〜 9.5 | US 10.0 (D/E) |
オールデンの4562Hの購入方法と正しい手入れ

ここからは、実際にこの憧れの一足を手に入れるための戦略や、手に入れた後の「育てる楽しみ」を最大化するメンテナンス、そして日常のコーディネートについて詳しく解説していきます。一生モノとして付き合うためのヒントを詰め込みました。
ラコタハウスでの在庫状況と最新の定価をチェック

日本でオールデンの4562Hを新品で購入する際の最短ルートは、正規輸入総代理店である「ラコタハウス(Lakota House)」を利用することです。
青山、丸の内、大阪に店舗を構えるラコタハウスは、オールデンに対する深い知識を持ったプロフェッショナルが揃っており、特にモディファイドラストのフィッティングに関しては日本で最も信頼できる場所と言えます。
しかし、現在直面している最大の壁は、その「入手困難性」です。世界的な需要の増加と原材料の不足により、ラコタハウスの店頭にオールデンの4562Hが並んでいることは極めて稀な状況が続いています。多くの場合、入荷連絡を待つためのリストに登録し、自分のサイズが届くのを数ヶ月から半年、場合によってはそれ以上の期間待つのが当たり前になっています。
さらに、近年は円安や原材料価格の上昇に伴い、定価が驚くほどのスピードで上昇しています。2020年代半ば現在、オールデンの4562Hの国内定価は23万円台(税込)という、かつての水準を知る者からすれば驚愕の価格に達しています。
数年前は10万円台半ばで購入できたことを考えると、まさに「今が一番安い」という状況がずっと続いているイメージです。しかし、定価が上がるということは、それだけ「資産価値」も高まっているということです。
中古市場を見ても、状態の良いものは10万円〜15万円以上の高値で安定して取引されており、大切に履いていれば、数年後に手放す際にも大きな損失が出にくい「賢い買い物」という側面もあります。思い切って購入するなら、入荷待ちの時間を考慮して、一日でも早く正規店に足を運んでおくのが賢明かなと思います。
関連記事:ラコタハウスのオールデン在庫不足の理由【再入荷の時期と入手方法】
美しさを長く維持するコードバンの手入れとケア

オールデンの4562Hを手に入れたら、次はその美しさを一生持続させるためのメンテナンスを楽しみましょう。ブラックコードバンの手入れは、コツさえ掴めば決して難しくありません。
むしろ、磨けば磨くほど応えてくれるので、靴磨きが趣味になる人も多いですよ。まず知っておいてほしいのは、コードバンはもともとオイルを豊富に含んだ革なので、「クリームの塗りすぎは厳禁」だということです。
クリームを多用すると、革が柔らかくなりすぎて型崩れしたり、表面がベタついてホコリを呼び、かえって光沢が曇ってしまう原因になります。基本は、脱いだ後の「1分間のブラッシング」だけで十分なんです。
日々のケアは馬毛ブラシで丁寧にホコリを落とし、摩擦熱で革内部の油分を表面に移動させてあげるだけで、コードバン特有の濡れたような艶が維持されます。数ヶ月に一度、あるいは輝きが鈍くなってきたと感じた時だけ、コードバン専用のクリーム(サフィールノワールやオールデン純正がおすすめ)をごく少量使用します。
クリームを塗り広げた後は豚毛ブラシでしっかりと革に押し込み、最後に清潔なネル生地で乾拭きして仕上げてください。また、コードバンケアの必需品と言えば「アビィ・レザースティック(かっさ棒)」です。
履き続けるとシワの部分が白っぽく毛羽立つ(繊維が起き上がる)ことがありますが、ここに少量のクリームを乗せてスティックで圧力をかけながら押し潰すことで、また元の滑らかな表面と深い艶が蘇ります。このひと手間が、コードバンをより美しく、より強く育てる秘訣です。
関連記事:オールデン・コードバンの手入れ完全ガイド!一生モノを育てる秘訣
デニムからスーツまで幅広くこなすスタイリング
オールデンの4562Hの真の凄さは、その「振り幅の広さ」にあります。一見すると武骨なワークブーツのようでありながら、モディファイドラストの絞り込まれた優雅な曲線と、コードバンの気品ある光沢が同居しているため、合わせる服を選ばないんです。
私自身、休日のリラックスしたデニムスタイルから、少し気合を入れたい日のジャケパンスタイルまで、この靴一足でコーディネートが完成してしまう便利さにいつも助けられています。まさに「迷ったらこれを履けば間違いない」と言える、絶対的な信頼感がある一足ですね。
最も相性が良いのは、やはりリジッド(生)デニムとの組み合わせです。濃紺のデニムを少しだけロールアップして、オールデンの4562Hの足首部分をチラリと見せる。

これだけで、アメカジ特有の野暮ったさが消え、一気に洗練された「大人の休日スタイル」へと昇華されます。ブラックコードバンの艶がデニムのインディゴを引き立て、足元から高級感を漂わせてくれます。
また、ビジネスシーンでも活躍の場は広いです。グレーやチャコールのスラックスにネイビーのブレザーを合わせたアイビースタイルにおいて、この靴は最高のアクセントになります。短靴よりもボリュームがあるため、全体の重心が程よく下がり、落ち着いた大人の余裕を演出してくれるんですね。ツイードやフランネルといった、素材感のある秋冬のスーツとも抜群にマッチします。
スピードフックの不具合やソール交換などの修理

オールデンの4562Hは、適切に修理を重ねることで一生以上履き続けることができる靴です。しかし、長く愛用する中で避けて通れないのがパーツの摩耗や不具合です。このモデル特有の注意点としてまず挙げられるのが、足首部分の「スピードフック」です。
紐を引っ掛けるだけで素早く着脱できる便利な機能ですが、長く使っているとフックが広がってしまったり、裏側の「菊割」と呼ばれる金具が浮き上がって、靴のベロ(タン)や靴下を傷つけてしまうことがあります。
もし少しでも引っかかりや浮きを感じたら、早めに信頼できる靴修理店に相談しましょう。パーツの打ち直しや交換は比較的安価で行えます。また、フックをあえて「全てアイレット(ハトメ)」に変更するカスタムも、耐久性を高め、よりクラシックな印象に変える方法として愛好家の間で人気があります。
次にメンテナンスが必要になるのは、ソールです。日本のオールデンの4562Hはシングルレザーソールを採用しており、返りが良く歩きやすい反面、摩耗が進むのは比較的早いです。
特に駅の階段やアスファルトの上を頻繁に歩く方は、つま先が削れやすいので、新品のうちに「ヴィンテージスチール」を装着して摩耗を防ぐのが賢い選択ですね。
そして、数年履き込み、ソール全体が薄くなってきたら「オールソール(ソールの全張り替え)」の時期です。ここでまたシングルレザーに戻すのも良いですし、あえてダイナイトソールなどのラバーソールに変更して、実用性を高めるアップデートを施すのもオールデンを楽しむ醍醐味です。
一回の修理でまた新品に近い感覚が戻り、そこから再びエイジングが始まる。このサイクルこそが、高級靴を所有する本当の喜びかなと思います。
一生モノとして愛用できるオールデンの4562Hの総評
さて、ここまでオールデンの4562Hという稀代の名作について、その魅力から購入後のケアまで、小次郎の熱量を込めてたっぷりとお伝えしてきました。いかがでしたでしょうか。
昨今の定価高騰や在庫不足を考えると、手に入れるまでのハードルは以前よりも格段に上がっています。23万円という価格を見て、二の足を踏んでしまうのも無理はありません。
しかし、それでもなお多くの人がこの靴を求め、入荷連絡を待ち続けるのは、それだけの価値がオールデンの4562Hにはあるからです。ホーウィン社のブラックコードバンが放つ深い光沢と、年月をかけて刻まれる自分だけのダイナミックな履き皺。それは単なる消費されるモノではなく、あなたの人生の歩みを共に記録し、10年後、20年後にさらに輝きを増す「パートナー」となるはずです。
