こんにちは!革の小部屋管理人の「小次郎」です!
お気に入りの革靴を履いて意気揚々と出かけたのに、歩くたびに足元から「キュッキュッ」と変な音が響いて、恥ずかしい思いをしたことはありませんか。
静かなオフィスの廊下や、大切な会議室へ向かう途中で音が鳴り始めると、周りの視線が自分の足元に集中しているような気がして、歩き方までぎこちなくなってしまいますよね。
実は、この革靴のキュッキュッ音には、素材の乾燥や雨の日特有の物理現象、さらには靴の寿命に関わる深刻な故障まで、いくつかの明確な原因が隠されているんです。私自身、これまでたくさんの靴と向き合う中で、この不快な音に何度も悩まされてきました。
そこでこの記事では、私が調べた知識と経験をもとに、100均グッズを使った手軽な対策から、専門の修理店に相談すべきケースまで詳しく深掘りしてお伝えします。
この記事を読めば、不快な音の正体を突き止めて、また自信を持って街を歩けるようになるはずですよ。
革靴がキュッキュッ音を出す原因を徹底解説

まずは、なぜあなたの革靴がまるで鳴き声を上げているかのような音を出すのか、その正体を探ってみましょう。一言で「音」と言っても、その発生源やタイミングはさまざまです。
まずは自分の靴をじっくり観察して、どこが原因で革靴のキュッキュッ音が鳴っているのかを切り分けることが解決への第一歩になりますよ。ここでは、よくある原因を5つのパターンに分けて詳しく解説していきますね。
新品の革靴が歩くときに鳴る摩擦音の正体

新しい靴を卸したばかりの時期に、歩くたびに「キュッ、キュッ」と小気味よく(?)鳴ってしまうのは、実はよくあることなんです。これは故障ではなく、革がまだ新しくて硬いために、パーツ同士が強く擦れ合っていることが主な原因です。
革靴は何枚もの革を重ねて縫い合わせたり、接着したりして作られていますが、歩行時に靴が屈曲する際、それらのパーツがミリ単位で動きます。そのとき、硬い革同士が強い圧力で擦れると、摩擦によって音が発生するんですね。
物理学的な用語を使うと「スティック・スリップ現象」に近い状態といえるかもしれません。
これは、二つの面が接触して動くときに「固着」と「滑り」を高速で繰り返すことで振動が起きる現象です。新品の革は表面の油分が馴染みきっておらず、摩擦係数が高いため、この振動が音となって私たちの耳に届きます。特にアッパー(甲革)とライニング(裏地)の間や、履き口付近で起こりやすいですね。
新品の場合の異音は「革の馴染み不足」が原因であることが多く、数週間履き続けることで革が柔らかくなり、自然と音が消えるケースがほとんどです。
もし数週間履いても音が消えない、あるいは音が大きすぎて耐えられないという場合は、後ほど紹介する潤滑対策を試してみる価値があります。無理に我慢して変な歩き癖がつく前に、早めに対処してあげましょう。革が柔らかくなるまでの「通過点」だと考えれば、少しは気が楽になるかもしれませんね。
参考記事:革靴は伸びるのか解説【辛い時の対処法や馴染むまでの目安期間まとめ】
雨の日にタイルで音が鳴るサクション効果とは
晴れの日には全く音がしないのに、雨の日や床が濡れているときだけ「キュッ!」と大きな音が響くことがありますよね。あれ、実は靴そのものの問題ではなく、地面との関係で起きる物理現象なんです。
特に駅のコンコースやビルのエントランスにあるような、ツルツルしたタイルやリノリウムの床を歩く際に発生しやすいのが特徴です。
この現象の正体は、「サクション効果(吸盤現象)」と呼ばれるものです。靴底と濡れた床の間にわずかな水分が入り込むと、それがシールの役割を果たし、接地した瞬間に靴底と床の間の空気が押し出されて、一瞬だけ「真空状態」に近い密閉空間が作られます。
そして、足を地面から離そうとする瞬間に、その密閉が解けて空気が一気に流れ込むことで、あの独特の鋭い摩擦音が発生するんです。吸盤を壁から引き剥がすときに「ポコッ」と鳴るのと原理は同じですね。
特に接地面が広く、凹凸の少ないラバーソール(ゴム底)の靴で顕著に見られます。ラバーはグリップ力が高い反面、平滑な面に対しては密着しやすいため、このサクション効果が起きやすいというわけです。
一方で、レザーソール(革底)の場合は、素材自体が微細な凹凸を持っているため、ラバーほど極端な音はなりにくい傾向があります。雨の日のタイル歩きは、音だけでなく滑りやすさも伴うので、歩幅を小さくして静かに着地することを意識すると、音を抑えつつ安全に歩けますよ。
シュータンやアッパーの乾燥による摩擦音の対策

革靴を長く愛用している方でも、お手入れを少しサボってしまったときに音が鳴り始めることがあります。それは、革の「乾燥」が原因かもしれません。
革は動物の皮膚ですから、水分や油分が不足すると柔軟性が失われ、表面がガサガサになってしまいます。こうなると、パーツ同士が擦れ合うときの抵抗が強くなり、不快な音を出しやすくなるんです。
特に音が鳴りやすいのが、靴紐の下にある「シュータン(ベロ)」とアッパーが重なっている部分です。歩くたびに足の甲が動くため、この部分は常に激しく擦れ合っています。
乾燥した革同士が擦れると、まるで乾いた指先でガラスを力いっぱいなぞったような、耳障りな高い音が発生します。これは、革が悲鳴を上げている「メンテナンス不足のサイン」とも言えますね。革の繊維が硬くなると、音が出るだけでなく、そのまま放置すればひび割れ(クラック)の原因にもなり、靴の寿命を縮めてしまいます。
対策としては、まずはしっかりと保湿をしてあげること。デリケートクリームなどの水分量の多いケア用品を、音が鳴っている箇所、特に重なり合っている裏側に塗り込んでみてください。
革がしなやかさを取り戻せば、驚くほど簡単に音が止まることもありますよ。日頃のブラッシングや定期的なオイルケアが、実は異音防止の最大の近道だったりするんです。お気に入りの一足を長く楽しむためにも、足元の「声」に耳を傾けてあげましょう。
関連記事:革靴はデリケートクリームだけでOK?【効果や頻度のコツ・ブランド別の特徴】
故障のサイン?シャンク折れの見分け方とリスク
ここまでの原因は、いわば「素材の相性や状態」によるものでしたが、中にはもっと深刻なケースがあります。
靴の内部から「ギシギシ」「カチカチ」という、金属が軋むような、あるいは何かが外れたような低い音が聞こえてくる場合は、靴の背骨とも言える「シャンク(芯材)」の破損を疑わなければなりません。
シャンクとは、靴の土踏まず部分に埋め込まれている細長いプレートのことで、歩行時に体重を支え、靴の形状を維持する非常に重要な役割を持っています。
素材はスチール(鋼)や木材、プラスチックなどがありますが、長年の使用による金属疲労や強い衝撃によって、これが折れたり、固定している釘や接着剤が外れたりすることがあります。こうなると、一歩踏み出すたびに靴の内部でパーツが暴れ、周囲の部材と干渉して異音を出し続けることになるんです。
シャンクが折れた状態で履き続けるのは、実はとてもリスクが高いことなんです。靴のアーチを支えられなくなるため、ソールが歪んでヒールが傾き、歩行バランスが崩れます。
その結果、足が疲れやすくなるだけでなく、膝や腰を痛める原因にもなりかねません。東京都皮革技術センターの調査報告でも、シャンクの強度が歩行性能や靴の耐久性に直結することが示唆されています(出典:東京都皮革技術センター『靴のクレームの実例と品質性能値:シャンクの折れ』)。
もし靴を手で持って前後に曲げたり捻ったりしたときに、足を入れていないのに内部から異音が聞こえるなら、それは「重症」のサインかもしれません。早めにプロの修理店に診断してもらうことを強くおすすめします。
中底と中敷きの隙間から発生する異音を特定する

意外と盲点なのが、靴の中、つまりインソール(中敷き)周辺から発生する音です。足を入れた瞬間に「ギュッ」と鳴ったり、歩くときの荷重移動に合わせて「シュッ、シュッ」と擦れる音がしたりする場合は、中敷きとその下にある中底の間にわずかな隙間ができている可能性があります。
特に、サイズ調整のために後から市販のインソールを入れた場合に、このトラブルは起きやすいですね。中敷きの素材(裏側のゴムやプラスチック)と、靴本来の中底が化学反応や静電気、あるいは単純な摩擦によって「鳴き」を引き起こすんです。
また、もともと貼られている中敷きが湿気や乾燥で浮いてしまい、その接着剤が残った部分がペタペタと音を立てることもあります。
この原因を特定する方法はとてもシンプルです。まずは中敷きを外して歩いてみてください。もし外した状態で音が止まるなら、間違いなく中敷きの摩擦が原因です。
解決策としては、後述するパウダーによる潤滑や、中敷きを一度しっかり貼り直す、あるいは別の素材のインソールに変えるといった方法があります。
靴を脱いだときに中敷きがクシャッとなっていたり、ズレていたりする人は、このパターンを疑ってみるのが良いでしょう。小さな違和感ですが、ここを直すだけで驚くほど快適な履き心地が戻ってきますよ。
革靴のキュッキュッ音を解消する対策と修理料金

原因がわかったところで、次は「どうやってこの音を止めるか」という実践編に移りましょう。不快な音を消すためのアプローチには、大きく分けて「滑りを良くする(潤滑)」と「固定する(密着)」の二つがあります。
家にある身近なものや、100円ショップで手に入るアイテムでも、正しい使い方を知れば絶大な効果を発揮します。ここでは、私が実際に試して効果があった方法を中心に、具体的な手順と、どうしても直らない場合の修理費用について詳しく解説していきますね。
ベビーパウダーを中敷きに使う身近な応急処置
靴の内部、特にインソールの摩擦音が原因の場合に、昔から「魔法の粉」として愛用されているのが、赤ちゃんの肌ケアに使うベビーパウダーです。
これがなぜ効くのかというと、パウダーに含まれる微細な粒子が、接触している二つの面の間に入り込み、まるで小さなボールベアリングのような役割を果たして摩擦抵抗を劇的に減らしてくれるからなんです。これを「個体潤滑」と呼びますが、潤滑油が使えない靴内部には最適の方法なんですね。
ベビーパウダーを使った具体的な手順
ただし、使う際にはいくつか注意点もあります。パウダーを使いすぎると、足の汗を吸収してペースト状に固まってしまい、逆に不衛生になったり、摩擦を強めてしまったりすることがあります。
また、黒い靴下を履いていると、靴を脱いだときに足先が真っ白になっていて恥ずかしい思いをすることも……。まずは指先に少し取って、音が鳴っている箇所に薄く塗る程度から始めてみるのが、失敗しないコツですよ。身近にあるもので解決できる、非常にコストパフォーマンスの高い方法です。
100均のダイソーやセリアで揃う便利グッズ

今の時代、靴のトラブル解決の強い味方になってくれるのが100円ショップです。ダイソーやセリアの「靴ケアコーナー」には、本来の用途以外にも、異音対策に応用できる優秀なアイテムがずらりと並んでいます。
数百円の投資で、何万円もする革靴のストレスが消えるなら、試さない手はありませんよね。
| アイテム名 | 活用のアイデア | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| ハーフインソール(前ずれ防止) | 中敷きの下に敷いて、足と靴の固定力を高める | 足が動くことによる摩擦音を根本から防ぐ |
| 滑り止めステッカー(靴底用) | アウトソールに貼り付けて、地面との接触面を変える | 雨の日などのサクション効果による音を大幅に軽減 |
| ジェルクッション | シュータンの裏など、擦れる部分に小さく切って貼る | 物理的な壁を作り、革同士が直接触れないようにする |
| 靴用除湿・消臭剤 | 脱いだ後の靴に入れて、常に内部をドライに保つ | 湿気による素材の張り付きや接着剤のベタつきを解消 |
特におすすめなのが、セリアなどで売られている「スリミティ タンパッド」のような厚みのあるクッション材です。これをシュータンの裏に貼ることで、甲周りの隙間が埋まり、歩行時の不要な足の動きが制限されます。
結果として「擦れ」そのものが起きなくなるため、非常に効果が高いんです。また、ダイソーの「靴底の滑り止めシール」は、タイル面でのキュッキュッ音を防ぐだけでなく、転倒防止にもなるので一石二鳥ですよ。まずは100均パトロールから始めてみるのも楽しいかもしれませんね。
関連記事:革靴の擦れた跡を消す方法!100均・サフィール補修とプロの料金
タンパッドやクリームで摩擦を防止する手順
原因解説でも触れた通り、シュータン(ベロ)部分からの異音は、革の乾燥が大きな要因です。
これを根本から解決するには、物理的な保護と科学的なケアの両面からアプローチするのが最も効果的です。特に、見た目には分かりにくい「革の裏側」や「隙間」へのアプローチが成功の鍵を握っています。
ステップ1:クリームによる集中保湿
まずは、デリケートクリームやミンクオイルを使って、革をしなやかにします。ポイントは、表側だけでなく、シュータンの側面(切り口)やアッパーと重なり合っている裏側部分にも丁寧に塗り込むことです。
綿棒などを使うと、細かい隙間までしっかりオイルを届けられますよ。塗り終わったら一晩置いて、革にじっくりと成分を浸透させてください。これだけで、摩擦係数が下がり、音がピタッと止まることがよくあります。
ステップ2:タンパッドによる物理的ガード
クリームを塗ってもまだ音が気になる場合は、タンパッドの出番です。パッドを貼ることで、足と靴の密着度が上がり、歩くたびにパーツがガチャガチャと動くのを防いでくれます。
パッド自体が緩衝材になるため、万が一擦れても音が発生しにくくなるというメリットもあります。貼る位置は、足の甲が一番高く盛り上がっているあたりを狙うと、ホールド感がアップして歩きやすさも向上しますよ。これらの対策は、靴を「育てる」一環だと思って、楽しみながら取り組んでみてくださいね。
ミスターミニットなど修理店に依頼する料金相場

DIYで色々と試してみたけれど、どうしても音が消えない……あるいは、明らかに靴の構造部分から音がしているという場合は、プロの職人さんに診てもらうのが一番の近道です。
無理に自分で分解しようとして、靴を壊してしまっては元も子もありませんからね。大手の修理チェーンである「ミスターミニット」や、クリーニングも得意な「靴専科」など、持ち込みやすいお店はたくさんあります。
【修理メニューと料金の目安(一例)】
※料金はあくまで目安です。靴の製法(グッドイヤーウェルト製法かマッケイ製法かなど)によっても大きく変動します。
| 修理内容 | 費用の目安(税込) | 作業時間の目安 |
|---|---|---|
| ハーフソール(前底のゴム貼り) | 2,200円 〜 4,000円 | 最短15分 〜 当日 |
| リフト交換(カカトのゴム交換) | 2,000円 〜 3,500円 | 10分 〜 当日 |
| オールソール(靴底全体の交換) | 13,000円 〜 20,000円 | 2週間 〜 1ヶ月 |
| 接着修理(ソールの剥がれなど) | 1,100円 〜 2,200円 | 最短30分 〜 当日 |
正確な見積もりや納期については、実際に店舗へ持ち込んで確認してください。公式サイトで事前に料金表をチェックしておくのも良いですね。
駅の中にある店舗なら、通勤のついでにパッと預けて帰りに受け取ることも可能です。「異音がするので原因を見てほしい」と正直に伝えれば、プロの視点でシャンク折れなのか、単なる摩擦なのかを瞬時に判断してくれますよ。
無料で見積もりを出してくれるお店も多いので、一人で悩むよりはずっと精神的にも楽になれるはずです。
ソール剥がれやパーツ不具合を直すプロの修理
「歩くたびにパカパカ、プシュプシュと変な音がする」という場合、それはソールの接着が一部剥がれて、そこに空気が入り込んでいるのかもしれません。
これを放置しておくと、ある日突然、外出先で底がペロンと剥がれてしまう……なんていう悪夢のような事態になりかねません。プロの修理では、一度ソールを剥がして古い接着剤を綺麗に落とし、強力なプレス機を使って再接着してくれます。これは家庭用のボンドではまず不可能な強度です。
また、最も手間がかかるのがシャンクの交換です。シャンクは中底とアウトソールの間に挟まっているため、交換するには一度靴底を全部剥がす「オールソール」という作業が必要になることがほとんどです。費用も時間もかかりますが、これは単に音を止めるだけでなく、靴の骨組みを入れ替えて「新品の履き心地」を取り戻す作業でもあります。
たまに瞬間接着剤で無理やり直そうとする人がいますが、これは絶対にNG!革が硬くなって割れたり、修理店での再接着ができなくなったりすることがあります。自分の手には負えないと感じたら、早めに専門家にご相談ください。
大切なのは、その靴にどれだけの愛着があるか、そしてあと何年履きたいかという視点です。高価な靴であれば、修理を繰り返しながら10年、20年と履き続けるのが革靴の醍醐味でもありますからね。プロの技でシャキッとした足元を取り戻した靴は、また新しい物語を一緒に歩んでくれるはずですよ。
革靴のキュッキュッ音を止めて長く愛用するまとめ
ここまで、革靴から発生する不快な異音の原因と対策について、詳しく解説してきましたがいかがでしたでしょうか。静かな場所で自分の足元から響くあの音は、本当に心をざわつかせるものですが、正体がわかれば怖くありません。
新品ゆえの馴染み不足なのか、雨の日の物理現象なのか、それとも乾燥や故障なのか。まずは今回の診断ポイントに沿って、あなたの靴の「声」を確認してみてください。
ほとんどの場合は、クリームによる保湿やベビーパウダー、100均の便利グッズといった、身近な方法で驚くほど簡単に解決できます。一方で、シャンク折れのような深刻なサインを見逃さないことも、あなたの足の健康を守るためにはとても重要です。
もし自分の手に負えないと感じたときは、信頼できるプロの修理店に相談して、適切なメンテナンスを施してあげてくださいね。革靴のキュッキュッ音をしっかりと止めて、ストレスフリーな足元を取り戻せば、毎日の通勤や外出がもっと楽しく、もっと自信に満ちたものになるはずです。
