こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
日本の本格靴ブランドとして圧倒的な支持を集めるスコッチグレインですが、その中でもウェールズシリーズはちょっと特別な存在感を放っていますよね。
スコッチグレインのウェールズのレビューを探している方は、その独特なオイルレザーの質感や、雨の日でもガシガシ履ける実用性、そして日本人の足に馴染むサイズ感や正しい手入れの方法が気になっているのではないでしょうか。
本記事では、私が実際にウェールズに触れて感じた魅力や、長く愛用するためのポイントを分かりやすくまとめてみました。この記事を読めば、あなたのライフスタイルにウェールズがどうフィットするかがはっきり見えてくるはずですよ。
スコッチグレインのウェールズをレビューして感じた魅力

ここでは、ウェールズがなぜ20年以上も愛され続けているのか、その設計思想やこだわりの素材について、私なりの視点で詳しく解説していきますね。
英国製リージェンシーカーフの質感とエイジング

ウェールズを語る上で絶対に外せないのが、アッパーに使用されているチャールズ・F・ステッド社製の「リージェンシーカーフ」です。
この革、実はかなり特殊な製法で作られているんですよ。イギリスの名門タンナーであるステッド社といえばスエードが有名ですが、このリージェンシーカーフも負けず劣らずの名作だと私は思っています。
製造工程では、藁を束ねたロープを革の下に敷いて、その上から職人が手作業でオイルを刷り込むという、なんともクラシックな技法が使われています。そのおかげで、表面には絶妙なムラ感があって、どこかワイルドでアンティークな表情を見せてくれます。均一に塗られた一般的なオイルレザーとは一線を画す、温かみのある風合いがたまりません。
オイルの移動が魅せる「プルアップ効果」
この革の最大の特徴は、指で押したり歩行時に屈曲したりすると、中のオイルが移動してその部分だけ色が明るくなる「プルアップ効果」です。これによって、一歩踏み出すたびに靴の表情が刻々と変化し、履いている自分だけが楽しめるダイナミックな視覚的変化を与えてくれます。
使い込むほどに色が深まり、鈍い光沢から透明感のある光沢へと変化していく「グロスエイジング」は、まさに革を育てる醍醐味。単なるビジネスシューズを超えた、相棒のような愛着が湧いてくるはずです。特にブラウン系のモデルは、手入れ次第で驚くほど深みのある色に化けますよ。
幅広なEEEウィズが実現する快適なサイズ感

スコッチグレインの靴選びで一番悩むのがサイズ感ですよね。ウェールズは、日本人に多い「幅広・甲高」の方に最適な「EEEウィズ」を採用しています。
私自身、海外ブランドの細いラストだと小指が痛くなってしまうタイプなのですが、ウェールズを初めて履いた時はそのリラックスした履き心地に感動しました。
同ブランドの定番である「オデッサ」などのシングルEモデルと比べると、ボールジョイント(親指と小指の付け根)付近にかなりゆとりを感じる設計です。だからといってカカトが抜けやすいわけではありません。カカト周りや土踏まず付近はしっかりと絞り込まれているので、「ゆったりしているのにホールド感がある」という理想的なフィッティングを実現しています。
サイズ選びの具体的なテクニック
ウェールズはラウンドラスト(丸みを帯びた形状)のため、ロングノーズのモデルに比べて「捨て寸」が短めに設定されています。そのため、普段のサイズを選んでも「つま先が当たりそう」と感じる場合があるかもしれませんが、実際には幅に余裕があるため快適に履けることが多いです。
| モデルタイプ | 推奨ウィズ | サイズ感の傾向 |
|---|---|---|
| ウェールズ (No.89/87) | EEE | 幅広・甲高向け。全体的にゆったりめ |
| アシュランス | EEE | 標準的。多くの日本人に合う基準サイズ |
| オデッサ | E | タイト。幅が狭くスマートな人向け |
グッドイヤーウェルト製法特有の「コルクの沈み込み」を考慮すると、最初は少しタイトかな?と感じる程度で選ぶのが、数年後のフィット感を最高にするコツです。
もしサイズ選びで迷ったら、こちらのスコッチグレインのサイズ選び完全ガイドを参考に、自分の足長と足囲を測ってみるのが一番の近道ですね。
4年履いた経年変化から見る革靴の耐久性

ウェールズは、適切な手入れをすれば10年、20年と履き続けられるポテンシャルを持っています。その理由は、伝統的なグッドイヤーウェルト製法で作られているからです。アッパー、中底、ウェルト、ソールの各パーツを頑丈に縫い合わせるこの製法は、まさに耐久性の塊と言えます。
この製法の最大のメリットは、ソールが摩耗しても何度も交換ができること。アッパーのリージェンシーカーフは、油分が多く柔軟性に富んでいるため、一般的なカーフに比べて乾燥によるひび割れ(クラック)が起きにくいという特徴があります。
実際に4年ほどガシガシ履き込んだ個体を見ても、履き皺は深く刻まれているものの、革の表面は非常に健やかで、むしろ重厚感が増してカッコよくなっているのが分かります。
コルクが沈むことで完成する履き心地
履き始めから半年ほど経つと、中底に敷き詰められた厚手のコルクが、自分の足裏の形に合わせて徐々に沈み込んでいきます。これがウェールズを「一生モノ」へと格上げする重要なポイントです。最初は少し硬く感じたソールも、4年も経てば「自分の足型をコピーした専用インソール」のような状態になり、一日中歩いても疲れにくい最高の履き心地へと進化します。
グッドイヤーウェルト製法は、履き込むほどに返り(ソールの曲がり)が良くなり、足に吸い付くような感覚が増していきます。4年目のウェールズは、まさに完成された「自分だけの一足」と言える状態になりますよ。
数値データとしては、週に1〜2回の着用であれば、5年以上はアッパーの大きなダメージなく履けるというのが一般的な目安です。もちろん、定期的なブラッシングとクリームによる保湿が前提となりますが、その手間をかける価値が十分にある靴ですね。
カジュアルに使えるUチップとチロリアン
ウェールズのラインナップには、主にUチップ(No.89)とチロリアン(No.87)の2つのタイプがあります。

昨今のビジネスカジュアル化が進む中で、この絶妙にリラックスしたデザインが非常に重宝するんです。カチッとしすぎず、かといって崩しすぎない、大人の余裕を感じさせるフォルムが魅力ですね。
UチップのNo.89は、スコッチグレインの中でも珍しい「合わせ縫い」のモカを採用しています。一般的なUチップよりもモカ部分の主張が控えめで、スーツスタイルに合わせても上品に馴染んでくれます。
それでいて、オイルドレザーの質感とボリュームのあるラストのおかげで、ジャケパンスタイルやデニムスタイルにも自然に溶け込みます。一足で何役もこなしてくれる、まさに「万能選手」ですね。
アウトドアの血統を継ぐチロリアンモデル
一方のチロリアンNo.87は、もともと登山靴や作業靴としてのルーツを持つデザインです。太めのステッチや重厚なフォルムが特徴で、ウェールズシリーズの中でもより「カントリー調」な雰囲気が強いモデルです。休日の散歩や旅行など、歩行量が多いシーンでも足元を力強く支えてくれます。
どちらも「ドレスとワークの境界線」に位置する絶妙なバランスを持っており、今のトレンドであるリラックスしたシルエットのボトムスとも相性が抜群です。一足持っておくだけで、コーディネートの幅が劇的に広がること間違いなしですよ。
関連記事:パラブーツのチロリアン徹底解説!ミカエルの特徴の人気の秘密
雨の日でも滑りにくいグリッパーソールの実力
「革靴は雨の日に滑るから怖い」と思っている方にこそ、ウェールズのグリッパーソールを体感してほしいです。

このソール、実はスコッチグレインが独自に開発した、実用性を極限まで高めたハイテクソールなんですよ。単なるゴム底とは一線を画す工夫が随所に散りばめられています。
まず驚くのが、ソールの断面に見えるブツブツとした質感。これはゴムに天然コルクを練り込んでいるためです。これによって、ゴム単体よりも通気性が良くなり、足裏の蒸れをわずかですが軽減してくれる効果があります。また、コルクの粒子が路面との摩擦を高め、驚異的なグリップ力を発揮してくれます。
都市部のタイルでも安心のグリップ
特に雨の日の駅構内や地下街のタイルなど、ツルツルした路面での安心感は格別です。
また、つま先やカカトなどの摩耗しやすい部分には硬度の高いゴムを、地面に設置する中央部には柔軟なゴムを配置するという「異硬度コンパウンド」を採用しているため、耐久性と歩きやすさを見事に両立させています。
| 機能ポイント | 具体的なメリット |
|---|---|
| コルク練り込みゴム | 吸湿性をサポートし、濡れた路面で滑り止め効果を発揮 |
| 異硬度設計 | つま先が減りにくく、ソールの返りが良いため疲れにくい |
| ドット状意匠 | 水を効率よく排出し、ハイドロプレーニング現象を防ぐ |
実際に雨の中で歩いてみると、アスファルトをしっかり掴んでいる感触が伝わってきて、通勤時のストレスが劇的に減るのを実感できるはずです。ただし、あくまで滑りにくいソールであり、靴全体が完全防水ではないという点は覚えておいてくださいね。
スコッチグレインのウェールズをレビューして気づいたこと

ここからは、実際に運用する上で気になるメンテナンス方法や、他の人気モデルとの具体的な違いについて、さらに深掘りしていこうと思います。ウェールズは非常にタフな靴ですが、その特性を理解して付き合うことで、さらにその価値を引き出すことができますよ。
雨に濡れた後の塩抜きなど正しい手入れの方法
オイルたっぷりのリージェンシーカーフは水に強い方ですが、大雨で中までびっしょりと濡れてしまった時は、特別なケアが必要です。そのまま放置すると、革の表面に白い粉のようなものが浮き出ることがあります。これが「塩ふき」です。

革内部に蓄積された足の汗の塩分が、水分と一緒に表面に移動し、乾燥とともに結晶化してしまう現象ですね。
この状態を放置すると、塩分が革の水分や油分を奪ってしまい、革がカチカチに硬化して最悪の場合はひび割れ(クラック)を引き起こします。そうなる前に「塩抜き」というメンテナンスを行ってあげましょう。
自宅でできる「ティッシュパック」の手法
まず、濡れた靴の表面を固く絞った布で拭き、内部に新聞紙を詰めて水分を吸い取ります。その後、革全体に水で濡らしたティッシュペーパーを貼り付け、その上から指先で軽く叩いて塩分をティッシュ側に吸い上げます。これを何度か繰り返し、風通しの良い日陰で時間をかけて自然乾燥させてください。
乾燥後は、革が極度に「脱脂・脱水」された状態になっています。まずはデリケートクリームを薄く塗り込み、その後に乳化性クリームで仕上げてあげれば、驚くほどしっとりとした質感が戻ります。正しい知識を持って接すれば、雨も怖くありませんよ。
匠のFシリーズとの大きな違い

スコッチグレインには、アウトレット等で展開される「匠シリーズ(Fシリーズ)」という人気ラインがありますが、ウェールズとは履き心地も用途も全く異なります。この違いを理解していないと、「思ったのと違う…」ということになりかねませんので注意が必要です。
匠シリーズの多くは、フランスのアノネイ社やドイツのワインハイマー社など、世界的なタンナーの高級カーフを使用しています。これらはキメが細かく、鏡面磨き(ハイシャイン)をすると宝石のように美しく輝く、まさに「ドレスシューズの王道」といった革です。対してウェールズのリージェンシーカーフは、厚みがあり、オイルをたっぷり含んだ「ワーク・カントリー」寄りの革です。
「光沢の美しさ」か「質感の深み」か
匠シリーズが、パーティーや重要な会議など「ここぞという時の勝負靴」に相応しい繊細な美しさを持っているのに対し、ウェールズは、毎日ガシガシ履いて、キズやムラさえも味わいとして楽しむ「日常の相棒」としての性格が強いです。どちらが良い・悪いではなく、自分のライフスタイルにどちらが必要かを考えるのが正解です。
| 比較項目 | ウェールズ (WALES) | 匠シリーズ (Fシリーズ) |
|---|---|---|
| 使用皮革 | オイルドレザー (ステッド社) | スムースカーフ (アノネイ社等) |
| 推奨シーン | ジャケパン、カジュアル、雨天 | ビジネス、冠婚葬祭、晴天 |
| 手入れの方向性 | 革のしっとり感、色ムラを楽しむ | 強い光沢、キメの細かさを楽しむ |
もしあなたが、毎日スーツでバリバリ働き、かつ雨の日でも気分を上げたいと思っているなら、ウェールズのタフさと上品さのバランスは最高の選択肢になるはずです。
関連記事:スコッチグレインの匠シリーズとは?他ラインとの違いを徹底比較
シャインオアレインとの違いを徹底比較

雨の日用として有名な「シャインオアレイン」とウェールズ、どちらを買うべきか迷う方も多いでしょう。一言で言うと、「雨への特化度」か「育てる楽しみ」かの違いです。これはどちらも名作ゆえに非常に悩ましい問題ですね。
シャインオアレインは、革の鞣し段階でフッ素を配合した撥水レザーを使用しています。そのため、手入れが非常に楽で、多少の雨なら面白いように弾いてくれます。しかし、その撥水加工の影響で、革本来の経年変化(エイジング)が起きにくいという側面もあります。何年履いても比較的「新品に近い均一な状態」を保ちやすいのが特徴です。
エイジング重視派ならウェールズ一択
一方のウェールズは、リージェンシーカーフに含まれる豊富な「オイル」によって撥水効果を得ています。そのため、撥水性を持続させるには定期的なオイル補給が必要ですが、その分、劇的な色の変化や質感の深化を楽しむことができます。まさに「手をかけた分だけ応えてくれる」のがウェールズの魅力です。
実用性全振りで、雨対策を最優先したいならシャインオアレイン。晴れの日も主役として履きこなし、自分だけの一足へと育て上げる「ロマン」を求めるなら、断然ウェールズをおすすめします。私は断然、後者のロマン派です(笑)。
それぞれの特性を公式サイトでも確認してみると、より自分の好みがはっきりするかもしれませんね。(参照:スコッチグレイン公式サイト)
上野店限定パンダシューズの遊び心と希少性
ちょっと面白いバリエーションとして、エキュート上野店限定の「パンダシューズ」があります。

初めて見た時は「えっ、スコッチグレインがこんな靴を?」と驚いたものですが、これが実はウェールズのチロリアンモデル(No.87)をベースにしているんです。パンダの聖地である上野ならではの、非常にユニークなプロダクトです。
見た目はパンダをイメージした白と黒のバイカラーだったり、ステッチでパンダの表情を模していたりと、かなり遊び心が満載です。しかし、驚くべきはその中身。伝統的なグッドイヤーウェルト製法で作られ、ソールももちろんグリッパーソール。デザインは可愛いですが、スペックはガチガチの本格靴なんです。これぞ「大人の遊び心」ですよね。
特定の店舗でしか手に入らない特別感
エキュート上野店という限られた場所でしか購入できないため、ファンにとってはたまらないコレクターズアイテムとしての側面もあります。週末のカジュアルな外出にこんな靴を履いていたら、話題になること間違いなしです。
堅苦しい紳士靴の世界に、こうした親しみやすさを持ち込むスコッチグレインの姿勢には、私もファンの一人としてとても好感を持っています。
もし上野に行く機会があれば、ぜひ店頭で実物をチェックしてみてください。写真で見るよりもずっと「本格的な作り」に驚くはずですよ。
メリットとデメリットから選ぶ最適なユーザー像
ここまで詳しく解説してきましたが、最後にウェールズを検討している方へ、良い点と気になる点を客観的にまとめてみました。どんな名靴にも必ずメリットとデメリットはあります。それを理解した上で選ぶのが、失敗しない靴選びの鉄則です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| EEE設計で、幅広の足でも一日中快適 | 細身のイタリアンスーツにはボリュームが出すぎる |
| オイルレザーとグリッパーソールで雨に強い | 鏡面磨き(ハイシャイン)が入りにくく輝きにくい |
| リージェンシーカーフのエイジングが唯一無二 | 定期的なブラッシングとオイル補給の手間が必要 |
| グッドイヤー製法でソール交換ができ一生履ける | 初期費用として3〜4万円台の投資が必要 |
この靴が向いているのは、「仕事でもプライベートでも使いたい」「幅広の足に合う本格靴が見つからない」「雨の日でも履けるタフでカッコいい相棒が欲しい」という方です。逆に、毎日ピカピカに磨き上げたドレスシューズで、シュッとした細身のスーツを着こなしたい、という方には少し無骨すぎてバランスが取りにくいかもしれません。
ウェールズは、日本の職人が「日本の気候と日本人の足」を本気で考えて作った、最高に誠実な道具です。その誠実さに惹かれる方なら、手に入れて後悔することはないと断言できます。
※数値データやサイズ感はあくまで一般的な目安です。正確な情報は公式サイトや店舗でご確認ください。最終的な判断は、実際に店舗へ足を運び、試着されることを強く推奨します。
スコッチグレイン・ウェールズのレビューまとめ
ここまでスコッチグレインのウェールズをレビューしてきましたが、いかがでしたでしょうか。20年以上ラインナップから消えずに愛され続けているのには、やはり確固たる理由があることがお分かりいただけたかと思います。
日本の職人が作る確かな品質、英国の伝統的な素材、そしてどんな天候でも歩みを進められる機能性。これらが三位一体となったウェールズは、単なる消耗品としての靴ではなく、履く人と一緒に成長していく「資産」のような存在です。
手間暇かけて磨き、自分だけの一足に育てていく喜びは、何物にも代えがたい贅沢な体験です。この記事が、あなたの靴選びの参考になり、最高の相棒に出会うきっかけになれば、管理人としてこれ以上に嬉しいことはありません!
