こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
日本を代表する老舗シューズブランド、リーガルの靴は、その圧倒的な堅牢さと飽きのこないデザインで、多くのビジネスパーソンを支え続けています。
私自身もその一ファンとしてリーガルの魅力を日々感じているのですが、長く履き込んでいると必ずと言っていいほど直面するのが、中敷き(敷き革)の剥がれというトラブルです。
ある日、脱いだ靴の中を見てみると、ロゴの入った革がめくれていたり、触ると不快なベタつきを感じたりして、「もう寿命なのかな…」と不安になったこともあるのではないでしょうか。
リーガルの中敷き剥がれには、実は避けて通れない加水分解という化学的な原因や、日々の歩き方による物理的な原因が隠されています。
今回は、この剥がれの正体を突き止めるとともに、修理に出した時の料金相場や、自分で100均のボンドを使って直す方法、さらには修理を安く済ませるコツまで、徹底的に深掘りしていきます。
リーガルの中敷き剥がれの原因と素材の劣化について

お気に入りのリーガルを長く愛用するためには、まず「敵」を知ることが第一歩です。リーガルの靴は非常に丈夫ですが、内部の素材は私たちの足と常に接しており、想像以上に過酷な環境に晒されています。
なぜあんなに頑丈な靴の中敷きが剥がれてしまうのか、そのメカニズムを詳しく解説しますね。
合成樹脂の加水分解による素材のベタつきと崩壊
リーガルの中敷きトラブルで最も厄介なのが、中敷きやその下層のクッション材に使われているポリウレタン素材の劣化です。これがいわゆる「加水分解」と呼ばれる現象で、空気中の水分と合成樹脂が化学反応を起こし、素材が本来の結合を失ってボロボロに壊れてしまうんです。
「最近、靴の中に黒い粉が落ちている」「中敷きがベタベタしてソックスが汚れる」といった症状があれば、それは加水分解が末期まで進行している証拠です。
日本の気候は非常に湿気が多く、特に梅雨時期や夏場に下駄箱の奥で眠らせていた靴などは、たとえ一度も履いていなくてもこの劣化が進んでしまいます。加水分解は素材そのものの化学的な崩壊なので、表面を拭くだけでは解決せず、最終的には中敷きを丸ごと交換するしかありません。
実はこの現象、多くのメーカーが注意喚起を行っているもので、国民生活センターでも靴底や内装材の劣化トラブルとして事例が紹介されています。(出典:独立行政法人国民生活センター『数年前に買った靴の底がパックリと割れてしまった』)
加水分解を少しでも遅らせるためには、靴を密閉された箱の中にしまい込まず、風通しの良い場所で保管することが非常に重要になってきます。お気に入りのリーガルだからこそ、時には箱から出して空気に触れさせてあげることが、長持ちさせるための優しさなのかなと思います。
歩行の摩擦やサイズ不適合による剥離ストレス

中敷きが剥がれるもう一つの大きな原因は、歩行中に発生する「摩擦」です。リーガルの靴は革が馴染むまで少し時間がかかるため、馴染む前の硬い状態の時に、足と靴の間で大きなズレが生じることがあります。
特に、自分の足の形に対して靴のサイズが大きすぎる場合、歩くたびに足が靴の中で前後に滑ってしまいますよね。この動きが、中敷きに対して強力な「めくる力(剪断力)」として働き、接着剤を引き剥がしてしまうんです。特にかかと部分は、歩行時に一番体重がかかり、かつ摩擦も激しいため、後端からペロッと捲れてくることが多いですね。
また、靴紐をしっかり締めずに「スリッパ履き」のようにして歩く習慣がある方も要注意です。紐が緩いと足の固定が甘くなり、内部での摩擦が劇的に増えてしまいます。
中敷きを守ることは、結果として靴のライニング(裏側の革)の破れを防ぐことにも繋がります。靴を履くたびにしっかりと紐を結び直し、足と靴を一体化させることが、中敷きの寿命を延ばすための意外な近道ですよ。
以前、別の記事でも紹介しましたが、自分の足に合ったサイズ感を知ることは、靴のトラブルを半分以上減らすことに繋がります。もし今の靴が「少し緩いな」と感じているなら、中敷きを修理するついでにフィッティングの調整も検討してみるといいかもしれませんね。
関連記事:リーガルのサイズ表記はどこ?その場所や数字の読み方を解説!
高温多湿な環境が接着剤に与える悪影響とリスク
靴の製造や修理に使われるボンドや接着剤には、特定の温度を超えると再び柔らかくなってしまう「熱可塑性(ねつかそせい)」という性質があるものが多いです。

そのため、高温になる場所での放置は、中敷き剥がれの致命的な原因になります。
例えば、夏の炎天下に停めた車の中に靴を放置したり、冬場に暖房器具のすぐそばで靴を脱ぎっぱなしにしたりしていませんか?こうした環境では、中敷きを固定している接着剤がドロドロに軟化し、粘着力を失ってしまいます。そこに足裏の体温と汗の湿気が加われば、接着層にとってはまさに最悪のコンディションです。
人間は一日に足裏から約200mlもの汗をかくと言われています。この水分が靴の中にこもると、接着剤の劣化を早めるだけでなく、カビの発生や悪臭の原因にもなってしまいます。
帰宅後はすぐにシューツリーを入れて形を整えるとともに、内部の湿気をしっかり逃がしてあげることが、中敷きの剥がれを防ぐための鉄則ですね。
快適な履き心地を支える中敷きの種類と交換のタイミング

リーガルの中敷きには、大きく分けて「半敷き(ハーフインソール)」と「全敷き(フルインソール)」の2種類があります。
| 種類 | カバー範囲 | 特性・メリット | デメリット・主な用途 |
| 半敷き (ハーフインソール) | かかと 〜 土踏まず | 多くのモデルに標準装備。 つま先の厚みが変わらないため、精密なフィッティングを損なわない。 | 端から剥がれやすい。 つま先部分の吸湿性は靴本体の中底に依存する。 |
| 全敷き (フルインソール) | かかと 〜 つま先 | 足裏全体の吸湿性が高い。 クッション性が増し、足への当たりがソフトになる。 | 靴の中が狭くなるため、サイズ調整用として優秀。 タイトな靴に入れるときつくなる。 |
多くのリーガルのビジネスシューズに標準装備されているのは、かかとから土踏まずまでを覆う「半敷き」です。これはつま先部分の薄さを維持してフィッティングを損なわないための設計ですが、やはり端から剥がれやすいという弱点もあります。
一方、つま先までカバーする「全敷き」は、足裏全体の吸湿性を高めたい場合や、少し靴が大きく感じる時の調整用として非常に優秀です。
では、いつ交換すべきなのか。目安としては、「ロゴが完全に消えて表面の革がツルツル、あるいはガサガサになった時」や、「端のめくれを貼り直してもすぐに剥がれてしまう時」です。
中敷きの革が硬くなるとクッション性も失われ、足への負担が増えてしまいます。もし中敷きの下のクッション(スポンジ状のもの)が見えてしまっているなら、それはもう限界。早めに新しい中敷きへ交換して、本来の快適な履き心地を取り戻しましょう。
靴底が剥がれる場合の原因とは
「中敷きだけじゃなくて、靴底まで剥がれてきた!」という事態に遭遇すると、かなり焦りますよね。これには靴の作り(製法)が大きく関係しています。
リーガルの代名詞とも言える「グッドイヤーウェルテッド製法」の靴は、靴底と本体を糸でがっちり縫い合わせているため、底がまるごと剥がれ落ちることは構造上ほとんどありません。
しかし、軽量で安価なラインに多い「セメンテッド製法」は、靴底を強力な接着剤のみで固定しています。この製法の場合、中敷きと同様に経年劣化や熱の影響で、ある日突然、つま先やカカトから底がパカパカと剥離してしまうことがあるんです。

靴底の剥がれは、歩行中の転倒事故に直結するため非常に危険です。もし歩いている時に「ペタペタ」と変な音がしたり、つま先に引っかかりを感じたりしたら、すぐに着用を中止して点検してください。リーガルのような良い靴であれば、底が剥がれても適切に再接着やソール交換をすることで、また安全に履けるようになりますよ。
リーガルの中敷き剥がれを直す修理料金と店舗選び

剥がれてしまった中敷きをどう直すか。選択肢はいくつかありますが、費用と仕上がりのバランスを考えるのが小次郎流です。
ここでは、具体的な金額差やそれぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。あなたにとって最適な修理方法がきっと見つかるはずです。
修理金額が安い場所・高い場所

修理をどこに依頼するかで、お財布への負担は変わってきます。まず最も安いのは、言うまでもなく「自分で行うセルフ修理」です。100円ショップで接着剤を買ってくれば、わずか110円で解決してしまいます。
お店に頼む場合、一般的な靴修理店(駅ナカのチェーン店など)と、リーガルの公式サービスを比較すると、実は中敷き交換だけであれば2,200円〜2,500円程度と、それほど大きな価格差はありません。ただし、個人の技術力が非常に高い高級靴修理店や、特殊なオーダーメイドインソールを製作するような場所では、5,000円を超えることも珍しくありません。
逆に、安く済ませる「裏技」としては、靴底の修理(ヒール交換やオールソール)を依頼するついでに中敷きの貼り直しをお願いすることです。軽微な剥がれであれば、他の修理の「おまけ」として無料で対応してくれる心優しい職人さんもいたりしますよ。
| 修理メニュー | 街の修理店 | リーガル公式 | こだわり工房 |
|---|---|---|---|
| 中敷き貼り直し | 550円〜1,100円 | 要相談 | 1,100円〜 |
| 中敷き交換(合皮) | 1,650円〜 | (設定なし) | 2,200円〜 |
| 中敷き交換(本革) | 2,200円〜 | 2,200円〜 | 3,300円〜 |
リーガル公式修理サービスの料金と純正パーツの価値
「やっぱりこのリーガルのロゴこそがアイデンティティだ!」と感じるなら、「リーガルファクトリーサービス」一択です。

全国のリーガルシューズの店舗から申し込むことができ、戻ってきた時の感動はひとしおです。
| 項目 | 内容・料金目安 |
| 中敷き替え(半敷) | ¥2,200 〜 |
| 中敷き替え(全敷) | ¥2,750 〜 |
| カップインソール | ¥2,750 〜 ¥4,400 |
| モカ縫い直し | ¥1,100 〜 ¥5,280 |
料金は中敷き(敷革)交換で2,200円(税込)から。何といっても最大の魅力は、そのモデルに合わせた純正のブランドロゴ入り中敷きが使われることです。
これによって、修理後も靴のオリジナリティを100%維持でき、愛着もさらに深まります。公式ならではの厳しい検品基準を通った仕上がりは、「履き皺以外は新品に戻った」と錯覚するほど美しいものです。
欠点を挙げるとすれば、その納期です。預けてから戻ってくるまで、通常で1ヶ月、混雑時だと2ヶ月近くかかることもあります。「今は履かないオフシーズンの靴をまとめて出す」といった使い方が、賢いリーガルユーザーの嗜みかもしれませんね。
納期が早い近隣の靴修理専門店を賢く利用するメリット

「今週末の出張に履いていきたい!」「平日は仕事で忙しくて店舗まで行けない」という方にとって、街の靴修理専門店は非常に強い味方です。ミスターミニットやウィンリペアなど、駅の構内やショッピングセンターにあるお店ですね。
| 項目 | 内容・料金目安 |
| 中敷き替え(合皮) | ¥2,200 〜 |
| 中敷き替え(本革) | ¥3,300 〜 |
| 履き口の破れ補修 | ¥3,300 〜(片足) |
| 納期 | 即日 〜 数日 |
これらの店舗の最大の強みは「圧倒的なスピード」です。中敷きの貼り直し程度であれば、空いていれば10分〜15分で完了し、その場で受け取れることもあります。交換が必要な場合でも、数日から1週間程度で仕上がることがほとんどです。
中敷きのロゴは無地のものに変わってしまいますが、最近の修理店は素材のバリエーションも豊富で、クッション性の高いインソールを選んで履き心地をアップグレードさせる、なんていう楽しみ方もできますよ。
自分で挑戦する100均ボンドでの修理

「修理屋に行く時間がないけれど、このペラペラを今すぐ何とかしたい!」という時、私は迷わず100均の接着剤を手に取ります。ただし、何でもいいわけではありません。
セルフ修理で絶対に使ってはいけないのが、いわゆる「瞬間接着剤」です。あれは乾くとプラスチックのようにカチカチに固まってしまうため、屈曲の激しい靴に使うと、すぐにバリッと割れて再剥離するだけでなく、革を傷めて取り返しのつかないことになります。
選ぶべきは、ダイソーやセリアで買える「ボンド Gクリヤー」や「靴底補修用」と書かれたゴム系接着剤です。これらは乾燥後も柔軟性が残るため、歩くたびにしなる中敷きをしっかりホールドしてくれます。110円という低コストながら、正しく使えば数ヶ月〜1年以上は余裕で持たせることができる、非常にコスパの良い方法です。
セルフ修理はあくまで応急処置、または自己責任での作業になります。高価な限定モデルや、失敗が許されない大切な一足の場合は、最初からプロに任せるのが一番の安泰ですよ。
ソール交換を無料で行ってくれるケース、場所

「無料で直せたら最高なのに…」と誰もが思いますが、残念ながらリーガルのような高品質な靴において、通常使用による摩耗や劣化での無料修理は、基本的に行われていません。
しかし、可能性がゼロではないケースもあります。それは「初期不良」が疑われる場合です。購入して数回しか履いていないのに中敷きがベロッと剥がれた、あるいはソールが剥離したという場合は、製造時の接着不良の可能性があります。この場合は、購入店舗にレシートを持参して相談すれば、無償で対応してもらえることがあります。
また、百貨店内のリーガルショップで購入している場合、その百貨店の「お買い物ポイント」を修理代金に充当できたり、友の会の積立金でお得に修理できたりすることもあります。実質的な出費を抑えるという意味では、購入した場所のサービスをフル活用するのが一番の近道かもしれません。
リーガルの中敷き剥がれを解決して長く愛用するコツ
ここまでお読みいただきありがとうございます。リーガルの中敷き剥がれを解決し、さらに10年先まで愛用するために、最後に私が実践している3つのコツをお伝えします。
1つ目は、「シューホーン(靴べら)を必ず使うこと」。かかとを潰さずに履くことは、中敷きの端へのダメージを劇的に減らします。2つ目は、「連投を避けること」。湿気を飛ばす休息時間を与えることが、接着剤と革の健康を保ちます。そして3つ目は、「剥がれかけたらすぐ直すこと」。小さな剥がれを放置すると、そこに埃が入り込んで接着が難しくなります。
リーガルの靴は、手入れをすればするほど応えてくれる素晴らしい道具です。中敷きの剥がれを「寿命」ではなく「リフレッシュの機会」と捉えて、また明日からの一歩を軽やかに踏み出していきましょう。詳しい修理の受付状況などは、ぜひお近くの店舗や公式サイトでチェックしてみてくださいね。
