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革靴

トリッカーズのプレーントゥ徹底解説!種類・サイズ感・モデル比較

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こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!

英国靴の王道として知られるトリッカーズですが、カントリーブーツやウィングチップの陰に隠れて、実は絶大な支持を集めているのがプレーントゥのモデルです。

装飾がないからこそ誤魔化しが効かず、ブランドが持つ革の質や木型の美しさがダイレクトに伝わってくるんですよね。しかし、いざ購入しようと調べ始めると、ウッドストックやケンダルといった似たようなモデル名が並び、さらにラストによるサイズ感の違いなど、初心者の方には少しハードルが高く感じられる部分もあるかと思います。

この記事では、トリッカーズのプレーントゥを検討している方が抱える「どのモデルを選べばいいの?」「サイズ選びで失敗したくない」「エイジングはどう変わるの?」といった疑問をすべて解消できるよう、私の実体験と膨大なリサーチをもとに詳しく解説していきます。

頑強な作りゆえに履き始めは大変かもしれませんが、正しく選んで手入れをすれば、20年先まで寄り添ってくれる最高の相棒になります。ぜひ最後までじっくりと読んでみてくださいね。

ポイント

  • ウッドストックやケンダルなど主要なプレーントゥモデルの具体的な違い
  • カントリーブーツと同じ4497Sラストのサイズ感と選び方のコツ
  • シーシェイドレザーを美しく育てるためのメンテナンスとエイジングの過程
  • カジュアルからビジネスまで幅広く活躍するプレーントゥのコーディネート術

トリッカーズのプレーントゥを選ぶ理由

トリッカーズというブランドにおいて、プレーントゥを選択することは「通の選択」だと言われることがあります。

華やかなメダリオンを持つバートンも素晴らしいですが、あえて引き算の美学を追求したプレーントゥには、カントリーシューズとしての本質的な強さと、どんなスタイルにも馴染む懐の深さがあるからです。ここでは、その多様なバリエーションと、190年を超える歴史が紡ぐ信頼の背景について、私なりの言葉で深掘りしていきたいと思います。

ポイント

  • ブーツ含むプレーントゥ全種類まとめ
  • 代表モデルウッドストックの魅力と特徴
  • 雨に強いケンダルとゴーセカーフの機能性
  • マットロックに見る無骨なグレインレザー
  • 190ラストを採用したトランピングシューズ
  • 聖地ノーザンプトンが誇る195年の歴史

ブーツ含むプレーントゥ全種類まとめ

トリッカーズのプレーントゥは、一見するとどれも同じように見えるかもしれませんが、実は用途やコンセプトに合わせて細かくモデルが分かれています。

短靴(シューズ)タイプが主流ですが、歴史を紐解けばブーツタイプや、特殊な環境を想定したモデルも存在します。私たちが現代で手にできる主要なモデルだけでも、その個性は驚くほど豊かなんですよ。

まず、トリッカーズのプレーントゥを語る上で外せないのが、王道中の王道である「ウッドストック(Woodstock)」です。これは最もバランスの取れた短靴で、タフさと上品さを兼ね備えています。

一方で、より過酷な環境を想定した「ケンダル(Kendall)」は、使用される革の種類が異なり、実用性を極限まで高めています。さらに、シボ革(グレインレザー)を採用した「マットロック(Matlock)」や、アーカイブから復元された軽量な「トランピングシューズ」など、選択肢は非常に多岐にわたります。

モデル名主要素材ソールの傾向主な用途
ウッドストックスムースカーフダブルレザータウンユース・万能
ケンダルゴーセカーフダイナイト等悪天候・実用重視
マットロックグレインレザーコマンドソールカントリー・ラギッド
トランピング各種レザー軽量ソール長距離歩行・レトロ

これらのモデルを横断して見ると、トリッカーズがいかに「現場のニーズ」を大切にしてきたかが分かります。単なるファッションアイテムではなく、元々は農場主や貴族たちがカントリーサイドで履くための実用靴だったという背景があるからこそ、これだけのバリエーションが生まれたのでしょう。

代表モデルウッドストックの魅力と特徴

トリッカーズのプレーントゥを語る上で、避けては通れないのが「ウッドストック(Woodstock)」です。

代表モデルウッドストックの魅力と特徴
M5636 WOODSTOCK

型番でいうと「5636」として知られるこのモデルは、一見すると非常にシンプルな外羽根式の靴ですが、その中身にはトリッカーズの技術がこれでもかと詰め込まれています。

ウッドストックの最大の特徴は、その「ボリューム感」にあります。通常のドレスシューズのプレーントゥは、シュッとしたスマートな印象を与えますが、ウッドストックは全く別物。

360度グッドイヤーウェルト製法による張り出したコバと、厚みのあるダブルレザーソールが相まって、足元に圧倒的な安定感をもたらします。これにより、装飾が一切ないにもかかわらず、遠目に見ても「あ、トリッカーズだ」と分かるほどの個性を放っているんですよね。

4497Sラストがもたらす絶妙なシルエット

ウッドストックには、トリッカーズのカントリーブーツ「ストウ」と同じ4497Sラストが採用されています。この木型は、つま先に向かって緩やかに絞られつつも、指先周りには適度なゆとりを持たせた設計になっています。

短靴でありながらブーツのようなホールド感があるのは、この名作ラストのおかげと言っても過言ではありません。上から見た時のポテッとした丸みと、サイドから見た時の力強いラインの対比は、まさに機能美の極致です。

また、ウッドストックはアッパーに使用されるレザーの質が非常に重要になります。装飾がない分、革のキメの細かさや血筋、エイジングのムラがそのままデザインの一部になるからです。

スムースカーフであれば磨き込むことで宝石のような光沢を放ち、カジュアルな中にも気品を感じさせてくれます。「究極のシンプルこそが、最高の個性を生む」ということを、ウッドストックは身をもって証明してくれている気がします。

雨に強いケンダルとゴーセカーフの機能性

「雨の日でも気にせずガンガン履ける高級靴が欲しい」という願いを叶えてくれるのが、ケンダル(Kendall)というモデルです。

ケンダル(Kendall)

外見はウッドストックと非常に似ていますが、その中身はより実戦向き、というか「タフさ」をさらに数段階引き上げたような仕様になっています。その秘密は、アッパーに使用されている「ゴーセカーフ(Gorse Calf)」にあります。

ゴーセカーフは、独自の加工によって驚異的な撥水性と防汚性を備えたレザーです。通常のカーフに比べて表面が少しマットで、微細なシボ感があるのが特徴。この革は水分を弾くだけでなく、傷にも非常に強いんです。

農作業や狩猟といった過酷な条件下での使用を想定しているため、現代の都市部における「ちょっとした大雨」程度であれば、びくともしません。まさに、全天候型の最強プレーントゥと呼ぶにふさわしい一足です。

ケンダルを選ぶ際のポイントは、多くの個体でダイナイトソールやリッジウェイソールといったラバーソールが標準装備されていることです。レザーソールのように雨で滑る心配がなく、クッション性も高いため、長距離を歩く際にも適しています。見た目のドレス感よりも「道具としての信頼性」を重視するなら、ケンダル一択でしょう。

実を言うと、私も雨の日の外出は気が重いタイプでしたが、ケンダルの存在を知ってからは「今日はトリッカーズを活躍させるチャンスだ」と、少しだけ雨が楽しみになりました。手入れもスムースカーフほど神経質になる必要がなく、ブラッシングとたまのオイル補給だけでその機能を維持できる点も、忙しい現代人には嬉しいポイントですよね。

マットロックに見る無骨なグレインレザー

トリッカーズのラインナップの中でも、特に異彩を放つのが「マットロック(Matlock)」です。

マットロックに見る無骨なグレインレザー
マットロック(Matlock)

このモデルは、プレーントゥというシンプルなデザインをベースにしながらも、表面に力強い凹凸を持たせたグレインレザーを採用しています。さらに、ソールには登山靴などにも使われる重厚な「コマンドソール」が組み合わされることが多く、そのルックスは非常にラギッド(無骨)です。

グレインレザーの魅力は、なんといってもその「強さ」と「表情の変化」にあります。物理的な摩擦や傷に対して非常に強く、もし傷がついてもシボの模様に紛れて目立ちにくいという利点があります。

また、クリームで手入れをすると、シボの凸部分に光沢が出て、凹部分に色が溜まることで、独特の奥行きがあるエイジングを楽しめます。履き込むほどに「使い込まれた名靴」というオーラを纏っていく過程は、革靴好きにはたまらない快感ですよね。

ワイドなフィッティングが生む余裕

マットロックのもう一つの特徴は、フィッティングが通常の「5Fit」ではなく、幅広の「6Fit」に設定されている個体が多いことです。これは、厚手のウールソックスを着用して山道を歩くようなシチュエーションを想定しているためです。足幅が広い方や、窮屈な履き心地が苦手な方にとっては、この「6Fit」のマットロックは救世主のような存在になるかもしれません。

軍パンやデニムなど、ボリュームのあるボトムスと合わせた時のバランスは、他のモデルの追随を許しません。

きれいめな格好に合わせるというよりは、ワークやミリタリー、あるいはアウトドアといった要素を足元に取り入れたい時に、これ以上ない選択肢となります。「一生履けるワークブーツのようなプレーントゥ」を探しているなら、ぜひマットロックを検討してみてください。

190ラストを採用したトランピングシューズ

近年、トリッカーズ愛好家の間で静かなブームとなっているのが「トランピングシューズ」です。

190ラストを採用したトランピングシューズ
トランピングシューズ

これに採用されている「190ラスト」は、なんとブランドのアーカイブに眠っていた90年以上前の設計を現代に蘇らせたものなんですよ。通常の4497Sラストや4444ラストとは明らかに一線を画す、クラシカルで独特なフォルムが最大の特徴です。

190ラストの特徴を一言で表すなら「低重心でエレガント」です。甲の部分がかなり低く抑えられており、足を包み込むようなフィット感が非常に高いんです。

通常のトリッカーズは「硬くて重い」というイメージがありますが、トランピングシューズは歩行時の足の動きを邪魔しないよう、比較的しなやかな仕立てになっていることが多いのもポイントですね。名前の通り「Tramping(放浪、長距離歩行)」に耐えうる実用的な設計になっています。

トランピングシューズは、上から見ると少し非対称な形をしています。特に小指側のボリュームを抑えることで、全体をシュッとスマートに見せる工夫が施されているんです。この繊細なラインは、無骨なカントリーシューズのイメージを良い意味で裏切ってくれます。現代のミニマルなファッションにも、このレトロなシルエットは驚くほどマッチしますよ。

また、このモデルはシングルレザーソールや軽量なラバーソールが使われることも多く、トリッカーズ特有の「重さ」に挫折してしまった方にもぜひ試してほしい一足です。過去の遺産を現代にアップデートするトリッカーズの懐の深さを、この190ラストからは強く感じ取ることができます。

聖地ノーザンプトンが誇る195年の歴史

トリッカーズが世界中の靴愛好家からリスペクトされる最大の理由は、その揺るぎない歴史とクラフトマンシップにあります。1829年にジョセフ・バールトロップによって設立された同社は、英国靴の聖地ノーザンプトンで現在も操業を続けている「現存する最古の既製靴メーカー」という誇り高い称号を持っています。以

その品質の高さは、英国王室からも正式に認められています。1989年に当時のチャールズ皇太子(現チャールズ3世)からロイヤルワラント(英国王室御用達)を授与されて以来、トリッカーズは王室御用達ブランドとしての地位を不動のものにしました。

2024年には創業195周年を迎え、改めて新国王からワラントを授与されたという事実は、彼らの作る靴が単なる流行品ではなく、時代を超えて受け継がれるべき「文化」であることを証明しています。

私たちが一足のトリッカーズ プレーントゥを履くということは、単に足を保護する道具を身につける以上の意味があります。それは、熟練の職人たちが195年にわたって磨き上げてきた技術と、英国王室が認めた気高き精神を、自分の日常に取り入れるということ。

ブランドの公式サイトでは、その歴史や製造工程が詳しく紹介されており、一足の靴が完成するまでにどれほどの手間がかけられているかを知ることができます(出典:Tricker's Official Website "Our Story")。こうした背景を知ると、足元の一足がより愛おしく、誇らしく感じられるはずです。

トリッカーズのプレーントゥを一生モノにする方法

トリッカーズのプレーントゥは、手に入れた瞬間が完成ではありません。むしろ、そこからが本当のスタートと言えます。頑強な革と構造を持っているからこそ、自分の足に馴染ませ、適切に手入れをすることで、世界にたった一つだけの表情へと育っていくんです。

ここでは、多くのユーザーが頭を悩ませるサイズ選びの基準から、一生モノへと昇華させるための具体的なメンテナンス術まで、私が実践しているコツを余すことなくお伝えします。

ポイント

  • 4497Sラストのサイズ感とバートンとの違い
  • 失敗しないフィッティングと靴下の厚みの関係
  • シーシェイドの経年変化とエイジングの楽しみ
  • 長く愛用するためのメンテナンスと手入れのコツ
  • カジュアルからジャケパンまで合う万能な着こなし

4497Sラストのサイズ感とバートンとの違い

トリッカーズの購入を検討する際、最も多くの方が迷うのが「サイズ選び」です。特に、有名なウィングチップモデルの「バートン(Burton)」に採用されている「4444ラスト」との違いを知っておかないと、痛い目を見ることになります。結論から言うと、ウッドストックやケンダルに使われている4497Sラストは、4444ラストよりも全体的にタイトな設計になっています。

バートン(4444)は、トリッカーズの中でも極端に大きく作られていて、ハーフサイズからワンサイズ下げて履くのが一般的です。しかし、プレーントゥ(4497S)で同じようにサイズを下げてしまうと、小指が当たったり甲が詰まったりして、履くこと自体が苦行になってしまう可能性があります。

4497Sはカントリーブーツの「ストウ」と同じ木型ですので、基本的には他の英国靴と同じサイズ、あるいはブーツと同じサイズを選ぶのが正解に近いです。

よくネット掲示板などで「バートンと同じサイズで大丈夫」という書き込みを見かけますが、これは足型によってはかなり危険なアドバイスです。4497Sは4444に比べて捨て寸(つま先の余裕)が短く、幅も標準的です。バートンが「ブカブカ」でサイズを落としている方は、プレーントゥではサイズを戻す必要があるかもしれません。

私自身の経験では、足の実寸(25.5cm)に対して、バートンはUK6.5でジャストですが、ウッドストックはUK7がちょうど良いフィット感です。もしバートンのサイズ感に慣れているなら、まずはハーフサイズ上げることを検討してみてください。具体的なサイズ比較については、トリッカーズ・バートンのサイズ感まとめ記事でも詳しく触れていますので、併せて参考にしてくださいね。

失敗しないフィッティングと靴下の厚みの関係

プレーントゥのフィッティングを成功させる鍵は、実は「靴下」にあります。

カントリーシューズはその出自からして、薄手のビジネスソックスではなく、厚手のウールソックスを履くことを前提に設計されています。そのため、試着の際にどんな靴下を履いているかで、適正なサイズ感は180度変わってしまうと言っても過言ではありません。

もしあなたが、週末のカジュアルな装いで「厚手の靴下」を合わせてガシガシ歩くことを想定しているなら、試着も必ずその靴下で行ってください。逆に、ジャケパンスタイルなどで「薄手のソックス」を合わせる予定なら、ジャストサイズ、あるいは少しタイトめを狙う必要があります。

トリッカーズの革は非常に厚く、馴染むまでにある程度の時間がかかるため、履き始めに「少しキツいかな?」と感じるくらいが、最終的にはジャストフィットになることが多いですね。

足のむくみと捨て寸の確認

また、人間の足は午後になるとむくんで大きくなります。高級靴の試着は、足が最も大きくなる夕方以降に行くのが鉄則です。プレーントゥは構造上、羽根(紐を結ぶ部分)が閉じきってしまうと後からの調整が難しいため、新品の状態で羽根が1cm〜1.5cmほど開いている状態が理想的です。

足先を靴の先端に押し付けた時に、踵に指一本入るか入らないか、という「捨て寸」の確認も忘れないでくださいね。この絶妙な余裕が、長時間の歩行を快適にしてくれるんです。

関連記事:トリッカーズのサイズ表記の見方は?失敗しない選び方と換算のコツ

シーシェイドの経年変化とエイジングの楽しみ

トリッカーズのプレーントゥを選ぶなら、一度は検討してほしいのが「シーシェイド(C-Shade Gorse)」というカラーです。こ

れはオレンジがかった独特のブラウンで、一見すると「合わせにくそう?」と感じるかもしれませんが、この革こそがエイジングの真髄を味わえる特別な存在なんです。実はこの革、新品の状態ではかなり強力なコーティングが施されており、表面はツルッとしていて水や汚れを寄せ付けません。

履き始めの1〜3年は、その頑強さゆえに色味の変化はほとんど見られません。しかし、4年、5年と履き込むにつれて、関節部分の履きジワや、地面と擦れやすい部分のコーティングが少しずつ薄くなり、革本来の表情が顔を出してきます。

この「時が経つにつれて徐々に変化する」というプロセスが、他の革では味わえないシーシェイド独自の魅力なんですよね。最初は明るいオレンジだった色が、10年後には深みのある飴色やダークブラウンへと変化していく姿は、まさに芸術品です。

シーシェイドのエイジングを促進させたいからといって、過度なクリーニングや強い溶剤を使うのはNGです。自然な摩擦と、日々のブラッシングによって生まれる変化こそが最も美しく、耐久性を損なわない方法です。焦らず、じっくりと時間をかけて「自分だけの色」に育てていく楽しさを、ぜひ噛み締めてください。

私の周りの靴好きたちも、最終的にはシーシェイドのプレーントゥに辿り着く人が多い気がします。最初は「派手かな」と思っていても、数年経つとどんなボトムスにも馴染む不思議な万能カラーへと進化する。そんな「化ける」感覚を楽しめるのは、トリッカーズのシーシェイドならではの贅沢な体験ですよ。

長く愛用するためのメンテナンスと手入れのコツ

「一生モノ」という言葉に偽りがないのがトリッカーズですが、そのためには最低限のメンテナンスが必須です。特に装飾のないプレーントゥは、革の乾燥や傷が目立ちやすいため、定期的なケアが外見の美しさを大きく左右します。私がおすすめするのは、シンプルながらも「革の深部に栄養を届ける」ことを意識した手入れ方法です。

まず基本は、帰宅後のブラッシングです。馬毛ブラシでサッと埃を落とすだけで、革の劣化は大幅に防げます。そして、月に一度程度のクリーム補給。

シーシェイドのように浸透しにくい革には、浸透力の高い天然オイル主成分のクリーム(タピールのレーダーフレーゲなど)を使い、スムースカーフには栄養価の高い乳化性クリームを使ってください。装飾がない分、つま先だけを少し鏡面磨き(ハイシャイン)にするのも、プレーントゥの凛とした表情が際立って非常にカッコいいですよ。

構造的な修理で寿命を延ばす

また、アッパーの手入れだけでなく、ソールの管理も重要です。トリッカーズはグッドイヤーウェルト製法で作られているため、ソールが減っても何度でも交換(オールソール)が可能です。

ただ、つま先部分は特に減りやすいため、履き下ろす前に「ヴィンテージスチール」を装着しておくのが私の定番です。これにより、ウェルトを傷めることなく長く履き続けることができます。

「壊れたら直す」のではなく「壊れる前に保護する」という意識が、一生モノにするための最大の秘訣かもしれません。詳しいケアの基本については、靴磨きの最適なクリーム頻度もぜひチェックしてみてください。

カジュアルからジャケパンまで合う万能な着こなし

トリッカーズのプレーントゥが持つ最大の強みは、その「コーディネートの汎用性」です。

ウィングチップだとカジュアルすぎてビジネスシーンで浮いてしまったり、逆にストレートチップだと私服に合わせるには堅苦しかったりすることがありますが、プレーントゥはその中間に位置する絶妙な立ち位置にいます。一足あれば、平日のオフィスから休日のカフェまで、どこへでも履いていけるんです。

カジュアルに合わせるなら、色落ちしたデニムや太めのチノパンが鉄板です。トリッカーズ特有のボリューム感が、重ためのボトムスと絶妙なバランスを保ってくれます。

カジュアルからジャケパンまで合う万能な着こなし
ミリタリーカジュアル

あえて裾をロールアップして、厚手のソックスをチラ見せするのもカントリーシューズらしい粋な着こなしですね。一方で、きれいめなスタイルなら、ネイビーやグレーのウールパンツ、あるいはコットンツイルのスラックスに合わせるのがおすすめ。プレーントゥの端正な表情が、全体のコーディネートを上品に引き締めてくれます。

最近のトレンドであるセットアップスタイルにも、トリッカーズのプレーントゥは相性抜群です。スニーカーだとカジュアルすぎ、華奢なドレスシューズだとキメすぎ……そんな時に、この「程よいボリュームと重厚感」がある靴を持ってくると、一気にこなれた印象になります。まさに、大人のワードローブに欠かせないマスターピースと言えますね。

私自身、旅先などに一足だけ靴を持っていくとしたら、迷わずプレーントゥを選びます。急なレストランでの食事にも対応でき、日中の街歩きでも疲れない。そんな「全方位外交」が可能な靴は、そう多くありません。自分なりの定番スタイルを見つける過程も、トリッカーズを所有する楽しみの一つだと思います。

結論として選ぶべきトリッカーズのプレーントゥ

ポイント

  • 王道の信頼性: 英国最古の歴史とチャールズ3世国王が認める品質
  • ウッドストック: 装飾を排した潔さと圧倒的なボリューム感が魅力
  • 用途別モデル: 雨に強いケンダルや無骨なシボ革のマットロック
  • 190ラスト: 90年前の木型を復刻した、歩きやすく端正な佇まい
  • サイズ選び: 定番バートンよりタイトな「4497Sラスト」に注意
  • 劇的な変化: 履き込むほど飴色に化けるシーシェイドのエイジング
  • 一生モノ: 堅牢な作りと修理のしやすさで20年以上愛用が可能

さて、ここまでトリッカーズのプレーントゥについて、その歴史からモデルの違い、そしてメンテナンスに至るまで詳しく解説してきました。改めて振り返ると、この靴が単なるファッションアイテムを超えた「文化的な価値」と「圧倒的な実用性」を兼ね備えていることが、皆さんにも伝わったのではないかと思います。

もし、あなたが「最初の一足」を探しているなら、私は迷わずウッドストック(5636)のスムースカーフ、あるいはシーシェイドをおすすめします。

その普遍的なデザインと4497Sラストの安定した履き心地は、トリッカーズというブランドの真髄を知るのに最適だからです。一方で、雨の日をアクティブに過ごしたいならケンダル、よりタフな質感を求めるならマットロック、といった具合に、自分の優先順位に合わせて選んでみてください。

どのモデルを選んだとしても、195年の歴史に裏打ちされた品質が、あなたの期待を裏切ることはありませんよ!

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