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革靴

J.M.Westonローファー選びのコツ!痛くないサイズ感とは?

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こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!

フレンチトラッドの象徴として、世界中の靴好きから愛され続ける名品といえば、やはりJ.M.Westonローファーですよね。その端正な佇まいに憧れて購入を検討している方も多いと思いますが、同時に「修行」と称されるタイトなサイズ選びや、自分の足に本当に馴染むのかといった不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私自身、この靴の持つ独特のフィッティング文化には何度も頭を悩ませてきました。しかし、適切なサイズ感の見極め方や、4mmピッチの細かい設定、そして豊富なウィズ展開の仕組みを正しく理解すれば、恐れることはありません。

J.M.Westonのローファーは、正しく選んで履き込むことで、まさに「第二の皮膚」と呼ぶにふさわしい極上の履き心地へと進化してくれるからです。この記事では、後悔しないための選び方のコツや素材の魅力について、私の実体験を交えながら誠実にお伝えしていきますね。

ポイント

  • J.M.Westonのローファーが持つ歴史的背景と独自の製法について
  • 失敗しないためのタイトフィットの見極め方とサイズ選びの基準
  • 過酷な修行を乗り越えて自分だけの一足に育てるための具体的プロセス
  • 名古屋エリアの実店舗情報や純正キーパーを用いた正しいケア方法

J.M.Westonのローファーが持つ特徴・強み

J.M.Westonのローファーが持つ特徴・強み
革の小部屋

フランスの名門、ジェイエムウエストン。その代名詞とも言えるローファーには、他のブランドにはない独自のこだわりと、長年愛され続ける理由が詰まっています。

単なる「高級靴」という枠を超え、なぜこれほどまでに世界中の愛好家を惹きつけるのか、まずはその核心的な特徴を深掘りして整理してみましょう。

ポイント

  • 2026年現在の全モデル・素材比較
  • 180シグニチャーの歴史とフレンチトラッドの魅力
  • デュプイ社のボックスカーフが放つ至高の輝き
  • バスタン社のソールが支える一生モノの耐久性
  • 溝切り式グッドイヤー製法が実現する極上の馴染み

2026年現在の全モデル・素材比較

2026年現在の全モデル・素材比較
180

現在J.M.Westonで取り扱ってるローファーは、180というモデルのみになっています。

ただ同じ180という形でも、選ぶレザーによって履き心地や得意なシーンは異なります。自分のライフスタイルに合う一足を見つけるための参考にしてください。

モデル・素材製法・仕様特徴得意なシーン
#180 ボックスカーフ溝切り式グッドイヤー王道のツヤ感。独自の沈み込みで「自分専用」に育つ。ジャケパン・ドレス・上品なカジュアル
#180 ソフトスエードグッドイヤーウェルト質感が柔らかく、最初から足当たりが優しい。休日デニム・リゾート・素足履き

1. 究極のフィット感を生む「溝切り式製法」

180ローファーの最大の強みは、このモデルにのみ許された贅沢な仕様「溝切り式(チャネルド・ウェルト)」にあります。通常使用される補強布(リブテープ)を排し、職人が中底の革を直接切り起こして縫い付けるこの技法は、革本来のしなやかさを損ないません。履き込むほどに自分の足裏の形を記憶し、ビスポーク級のフィット感へと進化します。

2. 世界最高峰の素材「デュプイ社ボックスカーフ」

アッパーに使用されるのは、名門タンナー・デュプイ社のボックスカーフ。キメが非常に細かく、「もちもち」とした唯一無二の弾力が特徴です。軽く磨くだけで奥深い気品ある輝きを放ち、適切なケアを続ければ10年、20年と美しい状態を維持できる圧倒的なクオリティを誇ります。

3. 驚異の耐久性「バスタン社製自社ソール」

靴底(ソール)までも自社グループのバスタン社で1年以上かけて天然タンニン鞣しを行うのがウエストン流。繊維が極限まで詰まったこのソールは、驚異的な耐摩耗性を備えており、「一生モノ」と言われる堅牢さの根幹を支えています。

180シグニチャーの歴史とフレンチトラッドの魅力

180シグニチャーの歴史とフレンチトラッドの魅力
サラリーマンと180

1946年に誕生した「#180 シグニチャーローファー」は、戦後フランスの自由な空気の中で生まれました。当時はドレスシューズと言えば内羽根のストレートチップなどが主流でしたが、ウエストンは「脱ぎ履きしやすく、かつ気品を失わない靴」としてこのローファーを世に送り出しました。

誕生から70年以上、デザインも製法もほぼ変わっていないという事実は、この靴がいかに完成されたデザインであるかを物語っています。

文化的アイコンとしての地位

180ローファーを語る上で欠かせないのが、1960年代のパリで起きた「ドラッグストア・カウボーイ」たちのムーブメントです。当時の反抗的な若者たちは、親世代が履くような保守的なウエストンのローファーを、あえて素足にジーンズで合わせるという、当時としては破天荒なスタイルで履きこなしました。

これが現代の「フレンチトラッド」の源流となり、アイビーやプレッピーとも異なる、フランス独自の洗練されたカジュアルスタイルとして確立されたのです。

180ローファーのデザイン的な魅力は、その「中庸の美」にあります。アメリカのローファーほど無骨すぎず、イタリアのローファーほど華美すぎない。ややショートノーズでボリューム感のあるトゥ、そして繊細な職人技が光るUチップのモカステッチ。

この絶妙なバランスが、大統領からアーティスト、そして私たち靴好きまで、あらゆる階層の人々に愛される理由なんです。まさに、時代に流されない「タイムレスなアイコン」と呼ぶにふさわしい存在ですね。

私自身、初めて180を足に取った時、その佇まいの美しさに背筋が伸びる思いがしました。デニムに合わせれば上品に、スーツに合わせれば程よくリラックスした印象を与えてくれる。

この汎用性の高さこそが、フレンチトラッドの真髄であり、一足は持っておきたいと思わせる魔力なのだと感じます。

デュプイ社のボックスカーフが放つ至高の輝き

デュプイ社のボックスカーフが放つ至高の輝き
レザー切り出し

「ウエストンの革は別格だ」と、多くの靴好きが口を揃えます。その最大の根拠となっているのが、フランスの名門タンナーであるデュプイ社(Tanneries du Puy)から供給される最高級のボックスカーフです。

デュプイ社は現在エルメスグループの傘下にありますが、ウエストンとは長年密接な関係にあり、常に最上級の原皮を優先的に確保していると言われています。

ボックスカーフの驚異的な質感

実際にウエストンのボックスカーフに触れてみると、そのキメの細かさに驚かされます。指先で押すと「もちもち」とした弾力があり、表面はしっとりと吸い付くような感覚。

この革は、履き込むことで生じるシワまでもが細かく、深く刻まれるのではなく「波打つ」ような美しい表情へと変化していきます。安価な革に見られるような「ひび割れ」とは無縁の、生命力あふれるエイジングを楽しむことができるのです。

ボックスカーフの美しさを維持するためのケアは、実はとてもシンプルです。ウエストンの革は元々油分を豊富に含んでいるため、クリームを塗りすぎるのは逆効果。馬毛ブラシで埃を落とした後、ごく少量の高品質なシュークリームを薄く伸ばして磨き上げるだけで、革の奥底から滲み出るような気品ある輝きが復活します。

この「磨けば応えてくれる」という信頼感こそが、高級レザーの証ですね。

バスタン社のソールが支える一生モノの耐久性

バスタン社のソールが支える一生モノの耐久性
革靴とソール

多くの高級靴メーカーが他社からソール用の革を仕入れる中、ジェイエムウエストンは自社でソール専用のタンナーである「バスタン社(Tannerie Bastin)」を運営しています。リモージュ近郊にあるこのタンナーは、今では世界でも数少なくなった伝統的なベジタブルタンニン鞣しを専門に行う、極めて稀有な存在です。

時間をかけて磨かれる「鋼」のようなレザー

バスタン社のソールレザーができるまでの工程は、現代の効率主義とは真逆を走っています。オークの樹皮などから抽出した天然のタンニンを使い、ピット槽と呼ばれるプールのような場所で、なんと1年以上もの時間をかけてじっくりと革を鞣していきます。

この気が遠くなるようなプロセスを経ることで、革の繊維が極限まで密に詰まり、石のように硬く、かつ歩行時にはしなやかにしなる理想的なソールへと進化するのです。

一般的なソールレザーとバスタン社製ソールの比較目安

項目一般的な高級ソールバスタン社製ソール
鞣し期間約3ヶ月〜半年1年以上
耐摩耗性(減りにくさ)標準極めて高い
返りの良さ(馴染み後)良好非常にしなやか
製造のこだわり効率重視の混合鞣しが多い完全な植物タンニン鞣し

このソールの恩恵は、実際に外を歩いてみるとすぐに分かります。履き始めこそ多少の硬さを感じますが、ひとたび馴染んでしまえば、アスファルトの衝撃をしっかりと受け止めつつ、足の動きにピタッとついてくる驚異的な「返り」を見せてくれます。

何より、その減りにくさは驚異的で、他の靴がソールの修理を必要とする頃でも、ウエストンはまだ現役。まさに「一生モノ」の称号を支える土台となっているのが、このバスタン社のソールなんです。

溝切り式グッドイヤー製法が実現する極上の馴染み

溝切り式グッドイヤー製法が実現する極上の馴染み
グッドイヤーウェルト製法

ジェイエムウエストンの靴作りにおいて、技術的なクライマックスと言えるのが、180ローファーに採用されている「溝切り式(チャネルド・ウェルト)」グッドイヤー製法です。

これは1904年以来、フランス・リモージュの工場で守り続けられている伝統の技法であり、現代の効率化された靴作りとは一線を画すものです。

リブテープを使わないことの意味

通常のグッドイヤーウェルト製法では、中底に「リブテープ」という布製のパーツを接着し、そこにアッパーやウェルトを縫い付けます。しかし、ウエストンの溝切り式では、中底そのものを職人が薄く切り起こし、その「革の溝」に直接針を通していきます。これにより、リブテープという異物を挟まないため、中底の革の厚みを最大限に活用でき、足馴染みが飛躍的に向上するのです。

この製法の最大のメリットは、履き込むほどに自分の足裏の形に合わせて中底が深く、かつ正確に沈み込む点にあります。中底の下に敷き詰められた厚手のコルクフィラーが、体温と体重によって自分の足の形を記憶し、数ヶ月後にはまるで「自分専用の型」が靴の中に出来上がったような感覚になります。これが、愛好家たちが「ウエストンはビスポークに近い」と評する理由です。

J.M.Westonのローファーで痛みを避けるサイズ感

J.M.Westonのローファーで痛みを避けるサイズ感
フィッティング

ウエストンのローファーを手に入れる際、誰もが直面する最大の難所が「サイズ選び」です。

このブランド独自のフィッティング哲学を正しく理解し、無理のない、しかし妥協のない一足を選ぶためのポイントを整理していきましょう。ここを間違えると、一生モノの靴がただの「痛い箱」になってしまいますから、慎重にいきたいところです。

ポイント

  • 痛くないサイズ選びの目安と沈み込みの注意点
  • 4mmピッチのサイズ展開と豊富なウィズの選び方
  • 641ゴルフと180のサイズ感や特徴を徹底比較
  • 修行による万力締めを第二の皮膚へ変えるプロセス
  • 失敗しやすい中古購入時の癖と内部状態の確認方法
  • 正しいケアと純正シューキーパーによる型崩れ防止
  • 【東京・大阪】精密フィッティングができる主な店舗

痛くないサイズ選びの目安と沈み込みの注意点

痛くないサイズ選びの目安と沈み込みの注意点
靴底のコルク

J.M.Westonのフィッティングにおいて最も有名なのが「タイトフィット」という言葉ですが、これを「ただ痛みに耐えること」と誤解してはいけません。大切なのは、半年後の沈み込みを予測した上での「現在の最適な圧迫感」を見極めることです。

沈み込みのメカニズムを理解する

ウエストンの靴には、中底の下にたっぷりとコルクが詰められています。このコルクは、履き始めてから約半年から1年をかけて徐々に圧縮され、持ち主の足の形に合わせて沈み込んでいきます。このとき、インソールの面積が実質的に広がるため、新品時に「少し窮屈かな?」と感じるくらいが、将来的なジャストサイズになるというわけです。

絶対にやってはいけない選び方:

  • 新品の状態で「スニーカーのように楽」なサイズを選ぶ。
  • 指先(爪先)が当たって痛いサイズを無理に選ぶ。

最初から楽なサイズを選ぶと、沈み込みが起きた後に靴の中で足が泳いでしまい、踵がカパカパと浮くようになります。一方で、縦の長さ(レングス)が足りず指先が当たる痛みは、革が伸びても解決しません。

狙うべきは、「横幅と甲が万力で締められるような感覚はあるが、指先は自由に動く」という状態です。

私自身の経験では、初めて足を入れた時に「これ、本当に履けるようになるのかな?」という不安を少し感じる程度のタイトさが、後に最高の相棒になりました。もちろん、痛みの許容範囲は人それぞれ。最近では「修行」を避けて最初からある程度快適なサイズを選ぶ方も増えていますが、将来的な「踵浮き」のリスクだけは頭に入れておいてくださいね。

関連記事:J.M.Westonのサイズ表と見方【モデル別選び方と換算のコツ】

4mmピッチのサイズ展開と豊富なウィズの選び方

4mmピッチのサイズ展開と豊富なウィズの選び方
ウィズ表

ジェイエムウエストンが、既成靴でありながらオーダーメイドに近いフィット感を実現できる最大の理由は、その膨大なサイズバリエーションにあります。多くのブランドが5mm刻みで展開するところを、ウエストンは4mmという非常に細かいピッチでレングス(縦幅)を設定しています。さらに驚くべきは、横幅(ウィズ)の展開です。

AからFまで!自分だけのウィズを見つける

ウエストンでは、一つのレングスに対して、ウィズをA(極細)からF(広め)まで用意しています。これにより、「足は短いが幅が広い」方や、「足は長いが極端に細い」方など、あらゆる足型に対応可能です。

日本人の足に多い「甲高幅広」なタイプであっても、4mm刻みのレングスとEやFといった広めのウィズを組み合わせることで、理想的なタイトフィットが見つかるはずです。

一般的なウィズ選びのイメージ

ウィズ記号足幅の特徴選び方のヒント
A / B極めて細身欧米人に多く、日本では珍しい希少サイズ。
Cやや細身シュッとした見た目を重視し、タイトに履きたい方に。
D標準最も一般的なサイズ。迷ったらここが基準になります。
Eやや広め日本人の足型に最も適応しやすいと言われています。
F広め・甲高幅の圧迫感が強い方でも、縦を上げずに対応可能。

この緻密なサイズ展開こそが、ウエストンの矜持。自分の足を単なる「25.5cm」といった数字で判断せず、4mmピッチのレングスと自分に合ったウィズを掛け合わせることで、まさに「自分専用の既成靴」を手に入れることができるのです。

641ゴルフと180のサイズ感や特徴を徹底比較

641ゴルフと180のサイズ感や特徴を徹底比較
ゴルフ

J.M.Westonの二大巨頭といえば、180ローファーと「#641 ゴルフ」です。どちらもブランドを象徴する名作ですが、そのキャラクターとサイズ選びの基準は大きく異なります。ローファーのサイズが決まったからといって、同じサイズでゴルフを購入すると失敗する可能性が高いので注意が必要です。

ラスト(木型)の違いがもたらすフィット感の差

180ローファーは「41ラスト」を使用しており、ローファー専用のタイトでエレガントな設計になっています。一方、ゴルフは「31ラスト」を採用しており、エプロンフロントダービー(外羽根)特有のボリューム感と、カントリーシューズとしての重厚な作りが特徴です。一般的に、ゴルフは180ローファーに比べて、ハーフサイズ(4mm)下げるか、ウィズを一つ落として調整する方が多い傾向にあります。

例えば、180ローファーを「6D」でジャストフィットさせている人の場合、ゴルフでは「5.5D」あるいは「6C」といった選択肢が浮上します。ゴルフは外羽根式のため、紐で甲の高さを微調整できるメリットがありますが、その分、踵周りのホールド感や土踏まずのシェイプは180よりもゆったりと感じることが多いです。

機能面でも大きな違いがあります。180はバスタン社のレザーソールで「歩く芸術品」としての美しさを追求していますが、ゴルフは「リッジウェイソール」というラバー底と、油分を多く含んだ「ロシアンカーフ(現在はそれに準ずる撥水レザー)」を組み合わせた全天候型モデル。

雨の日でもガシガシ履ける「戦車」のようなタフさを求めるならゴルフ、フレンチトラッドの真髄を軽快に楽しむなら180、という使い分けが理想的ですね。どちらも「修行」は必要ですが、馴染んだ後の安定感はどちらも最高峰です。

修行による万力締めを第二の皮膚へ変えるプロセス

修行による万力締めを第二の皮膚へ変えるプロセス
革靴の痛み

ウエストンのローファーを購入した後に必ず訪れるのが、愛好家たちが敬意を込めて呼ぶ「修行」の期間です。これは単に「靴が痛い」という話ではなく、硬質なボックスカーフと厚手のコルク、そして強靭なバスタンソールを、自分の足の一部へと作り替えていく「儀式」のようなものです。

修行の3ステップと乗り越え方

  1. 初期(1ヶ月目):「万力締め」のピークです。足を入れるだけで圧迫感があり、10分歩くだけで足が痺れることも。この時期は無理をせず、室内履きや近所へのゴミ出し程度の短時間から始めましょう。
  2. 中期(2〜3ヶ月目):コルクが徐々に沈み込み、革にも持ち主特有のシワが定着し始めます。痛みが「心地よい圧迫感」に変わり、週に1〜2回、半日程度の外出が可能になります。
  3. 完成(半年以降):中底が足裏の形に完全に一致し、革が「第二の皮膚」のように伸縮します。この段階に達すると、吸い付くようなフィット感がありながら、一日中歩いても全く疲れない、世界で自分だけの一足が完成します。

修行を成功させる秘訣は、「焦らないこと」です。足に水ぶくれができるほどの無理は、靴への恐怖心を生むだけ。最初は厚手の靴下を履いて物理的に足を保護し、少しずつ履く時間を延ばしていくのが、小次郎流の誠実な向き合い方かなと思います。

この苦労があるからこそ、馴染んだ瞬間の感動はひとしおなんです。

失敗しやすい中古購入時の癖と内部状態の確認方法

失敗しやすい中古購入時の癖と内部状態の確認方法
中古革靴

昨今の価格高騰により、メルカリやヤフオクなどの二次流通でJ.M.Westonを探す方も多いでしょう。確かに、定価の半額程度で手に入る魅力はありますが、中古のウエストン選びには特有の「落とし穴」が潜んでいます。それは、前オーナーがすでに行ってしまった「修行の痕跡」です。

「他人の足型」はリセットできない

ウエストンの特徴である「厚いコルクの沈み込み」は、一度形が決まってしまうと、後から別の人の足型に再形成するのは非常に困難です。前オーナーの土踏まずの位置や、指の形状に深く沈んだ中底は、あなたの足にとって「違和感のある凸凹」でしかありません。

特に、すでにソールの返りがついてしまっている靴は、革の伸びも限界まで達していることが多く、自分の足に馴染ませる余地が残っていないことがあります。

中古で購入する際のチェックポイント:

  • インソール(中底)に指の跡がくっきりと残っていないか?
  • 履き口がガバガバに広がっていないか?
  • 踵の内側(ライニング)が擦り切れていないか?

もし可能であれば、あまり履き込まれていない「試着程度」や「数回着用」の美品を狙うのが賢明です。前のオーナーが修行に挫折して手放したような個体こそ、中古市場における「お宝」と言えますね。

正しいケアと純正シューキーパーによる型崩れ防止

正しいケアと純正シューキーパーによる型崩れ防止
シューツリー

J.M.Westonのローファーを10年、20年と愛用するために、これだけは譲れないのが「純正シューキーパー(シューツリー)」の使用です。ウエストンのローファーは、サドル(甲の帯部分)に負荷がかかりやすく、キーパーなしで放置すると、履き口が外側に広がり、ウエストン特有の美しいシルエットが台無しになってしまいます。

純正品でなければならない理由

市販の汎用キーパーでも代用は可能ですが、180ローファーの「41ラスト」は非常に特殊な形状をしています。純正キーパーは、このラストの形状を完璧に再現しており、特に甲の立ち上がりや踵のカーブを適正なテンションで保持してくれます。これにより、歩行時に深く入った履きシワを伸ばし、革のひび割れを防ぐことができるのです。

日々のケアについても、ウエストンのボックスカーフは非常に優秀。馬毛ブラシでサッと埃を落とし、月に一度程度、無色のクレム1925などを極少量塗布するだけで十分です。鏡面磨き(ハイシャイン)を施すのも美しいですが、180ローファーなら、革本来の質感を活かした「自然なツヤ」が、フレンチトラッドらしい気品を引き立ててくれるかなと思います。

実店舗でのプロによる計測は、靴選びの失敗を防ぐ最も確実な方法です。

【東京・大阪】精密フィッティングができる主な店舗

【東京・大阪】精密フィッティングができる主な店舗
革靴店

百貨店の靴売場は、専門知識を持つ「シューフィッター」が在籍しており、ブランドの垣根を越えた提案が受けられます。

店舗名所在地・アクセス特徴
伊勢丹新宿店新宿区新宿3-14-1国内屈指の品揃え。3D足型計測機による精密なデータ分析が可能。
日本橋三越本店中央区日本橋室町1-4-1歴史ある落ち着いた空間。ベテランスタッフによる丁寧なフィッティング。
銀座三越中央区銀座4-6-16銀座駅からすぐ。仕事帰りや買い物ついでに寄りやすい好立地。

【大阪エリア】精密フィッティングができる主な店舗

梅田エリアに集中しており、複数の店舗を比較しやすいのが特徴です。

店舗名所在地・アクセス特徴
阪急うめだ本店北区角田町8-7西日本最大級の靴売場。最新の計測技術と豊富な在庫が魅力。
阪神梅田本店北区梅田1-13-13「歩きやすさ」や「足の悩み」に特化したフィッティング相談が充実。
高島屋大阪店中央区難波5-1-5難波駅直結。幅広い世代に対応したきめ細かなサービスが特徴。

店舗では、単に足の長さを測るだけでなく、以下のようなプロならではのチェックが受けられます。

ポイント

  • 多角的な計測: 足の幅、甲の高さ、かかとの形状など、数値化しにくい特徴を把握。
  • 歩行チェック: 実際に歩いた時の履き口の笑い(隙間)や、かかとの浮きを確認。
  • 馴染みの予測: 履き続けることで革がどう伸びるか、将来的なフィット感まで考慮。

確実に自分に合う一足を見つけたい場合は、これらのエリアにある専門スタッフのいる店舗へ足を運ぶのが、結局のところ一番の近道です。

自分に合うJ.M.Westonのローファー選びの結論

ポイント

  • 不朽の名作180:1946年誕生以来、フレンチトラッドの象徴として君臨する逸品。
  • 至高の素材使い:デュプイ社のボックスカーフと自社製バスタンソールで一生モノの耐久性。
  • 伝統の溝切り製法:リブテープを使わず、中底が足裏に完璧に沈み込む特殊な仕立て。
  • 驚異のサイズ展開:4mmピッチの縦幅と6段階のウィズで、既成靴を超えた適合感。
  • 修行の先の極上:履き始めのタイトさを乗り越えることで、唯一無二の「第二の皮膚」へ。
  • 高い資産価値:公式の修理体制が完備され、中古市場でも価値が落ちにくい稀有な靴。
  • プロによる計測が必須:名古屋栄三越等の実店舗で、沈み込みを計算したフィッティングを。

J.M.Westonのローファー選びで後悔しないための答えは、シンプルです。

「指先に少しの自由を残し、幅と甲には厳格なまでのタイトさを求めること」

これが、数年後に「最高の履き心地」を手に入れるための黄金律です。最初は確かに痛いかもしれませんし、「本当にこれでよかったのか?」と不安になる夜もあるでしょう。しかし、その修行を乗り越えた先にある、足と靴が一体化する感覚は、他のブランドでは決して味わえない至福の体験です。

現在、原材料費の高騰などで、ウエストンの価格は以前よりも上がっています。しかし、バスタン社のソールやデュプイ社のレザーを使い、リモージュの職人が一足ずつ作り上げる背景を考えれば、それは単なる消費ではなく、10年、20年と続く「文化」への投資だと言えるのではないでしょうか。

この記事が、あなたが「自分だけの180」に出会うための一助になれば幸いです。もし迷ったら、まずは店舗で一回、足を計測してもらうところから始めてみてくださいね!

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