こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
憧れの本格靴として名高い英国ブランドですが、最近のエドワードグリーンの値上げには正直驚きを隠せませんよね。かつては頑張れば手の届く価格帯だったものが、今や時計やジュエリーのようなラグジュアリー資産の域に達しようとしています。
これから購入を考えている方や、買い足しを検討している既存オーナーの方々にとって、この価格高騰は非常に深刻な問題かなと思います。
ということで2026年以降の影響や、これまでの改定スケジュールを振り返りながら、今の私たちが取るべき最善の選択肢を一緒に探っていきましょう。
この記事を読めば、価格の推移だけでなく、なぜここまで上がっているのかという背景や、今買うべき理由がはっきり分かるはずですよ。
エドワードグリーンの値上げが続く現状と価格推移

ここ数年、エドワードグリーンの価格設定は以前とは全く異なるステージに突入しています。私たちが直面している値上げの波を、具体的な数字で振り返ってみて、今の立ち位置を確認してみましょう。
ドーバーの価格高騰とスキンステッチの希少性
エドワードグリーンの顔とも言える「ドーバー」ですが、その価格高騰には目を見張るものがあります。以前は20万円前後で憧れの存在だったこのモデルも、今や30万円を伺う勢いです。
この高価格を支えている大きな要因の一つが、代名詞であるライトアングル・スキンステッチの存在ですね。

この技法は、革の厚みの半分だけを針(実際には豚の毛など)で通して縫い合わせるという、まさに神業。失敗すればその高価な革が即座にボツになってしまうというリスクがあり、熟練の職人しか担当できません。
革質の低下や職人不足が叫ばれる中で、この手間暇を維持しようとすると、どうしてもコストに跳ね返ってしまうようです。もはや実用靴の枠を超えて、工芸品としてのバリュエーションに移行しているのかもしれません。
スキンステッチの難易度と歩留まりの悪さ
ドーバーに使われるスキンステッチは、モカ部分を縫い合わせる際に「革の表面に針を出さない」ように縫い進める技術です。これ、想像するだけでも冷や汗が出ますよね。
わずか1ミリに満たない革の層の中をコントロールするわけですから。しかも、使用される革は最高級のカーフ。少しでも針先が表に突き抜ければ、そのアッパーパーツは破棄されることになります。この圧倒的な「歩留まりの悪さ」こそが、ドーバーを世界で最も高価な既成Uチップの一つに押し上げている大きな理由なんです。
職人の減少と技術継承のコスト
現在、このスキンステッチを完璧にこなせる職人はノーザンプトンでも数えるほどしかいないと言われています。若手の育成には膨大な時間と教育コストがかかりますし、熟練職人を繋ぎ止めるための賃上げも、製品価格にダイレクトに反映されます。
私たちがドーバーを履くということは、単に靴を買うだけでなく、英国の消えゆく伝統技能を支えるパトロンのような側面も持っているのかもしれませんね。
チェルシーが25万円を超えた衝撃と市場の反応
ブランドの良心とも言えるストレートチップの「チェルシー」が25万円の壁を突破したことは、多くの靴好きにとって大きなニュースでした。シンプルなデザインだからこそ、素材の良さと仕立ての丁寧さが際立つモデルですが、この価格帯になると「一生モノ」という言葉も、より重みを増して聞こえます。
市場の反応としては、やはり「いつかは買おうと思っていたけれど、もう手が届かなくなってしまった」という溜息混じりの声が多い印象です。かつては10万円台後半で手に入った時代を知っていると、この数年での上がり方は異常事態とも言えますが、それでもなお売れ続けているのは、チェルシーが持つ普遍的な美しさが代えがたいからでしょうね。
スワンネックと完璧なシルエット
チェルシーの最大の特徴は、アイレット(紐通し)の脇に施された「スワンネック」と呼ばれる優雅なステッチです。

これが有るか無いかで、足元の表情がガラリと変わるから不思議ですよね。また、202ラストや82ラストといった、時代を超えて愛される木型が描く曲線美は、他のブランドがいくら模倣しても辿り着けない、独特の気品を放っています。この気品こそが、25万円という大金を支払ってでも手に入れたいと思わせる魔力なのかもしれません。
ビジネスマンの聖域としてのチェルシー
かつてチェルシーは、少し成功したビジネスマンが自分へのご褒美に買う、いわば「最高の道具」でした。しかし今の価格設定は、もはや日常的に履き潰す靴というよりは、大切な商談や人生の節目で履く「正装」としての意味合いが強まっています。
購入検討者の中には、価格の上昇を受けて、クロケット&ジョーンズや国産ブランドの三陽山長などへシフトする層も増えていますが、一方で「やっぱりチェルシーじゃないと満足できない」という熱狂的なファン層が、高騰する価格を支えている現状があります。
2024年4月に実施された大幅な価格改定の真相

2024年4月の改定は、これまでの微調整とは一線を画す「歴史的な跳ね上がり」でした。ドーバーが約22万円から一気に29万円台へと、約7万円もの値上げを断行したのです。
■実施日:2025年4月1日(火)より
・価格改定ブランド・EDWARD GREEN、Oriental
トレーディングポストより引用
これには、世界的な原材料費の高騰だけでなく、イギリス国内での光熱費や人件費の急騰も大きく関係していると見て間違いなさそうです。
2024年の改定では主要モデルが一律で大幅アップとなったため、検討していた層が他のブランドへ流れる動きも見られました。しかし、正規店では改定直前に駆け込み需要が発生し、マイサイズが枯渇する事態になったのも記憶に新しいところです。
マクロ経済から読み解くコストプッシュインフレ
なぜここまで極端な値上げが必要だったのか。それは単なるブランドの強欲ではなく、製造コストが物理的に跳ね上がったからです。英国現地ではブレグジット以降の人手不足が深刻化し、さらにロシア・ウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰が直撃しました。
グッドイヤーウェルト製法の靴作りには、機械を動かす電力だけでなく、工房の維持にも多大なコストがかかります。これらを吸収しきれなくなった結果が、あの2024年の価格表に現れたというわけです。
私たち日本の消費者にとっては、これにさらに「円安」というダブルパンチが加わったわけですから、たまったものではありませんよね。
駆け込み需要とブランドの選別
2024年の改定直前、ショップの店頭では異例の光景が広がっていました。20万円台のうちに買っておこうとする人々が殺到し、数ヶ月待ちの状態がザラだったんです。
この現象は、消費者がエドワードグリーンを「高くなっても価値が落ちない資産」と見なし始めている証拠でもあります。一方で、10万円台で買える高品質な他ブランドとの差が広がりすぎたことで、エドワードグリーンは「本当に好きな人だけが買う」という、よりニッチでハイエンドなブランドへと変貌を遂げた一年だったと言えるでしょう。
ストラスブルゴなど正規店の価格推移と背景

日本の代理店であるストラスブルゴやリファーレ、トレーディングポストといった正規店も、本国の意向や為替の影響を受けて価格を調整せざるを得ない状況です。特に深刻なのが、1ポンド=200円に迫る勢いの記録的な円安ですね。輸入品である以上、この為替の波からは逃れられません。
また、LVMHなどの巨大コングロマリットによるタンナーの囲い込みも影響していると言われています。独立系であるエドワードグリーンが、最高級のカーフを確保するためには以前よりも多くのコストを支払う必要があり、それが私たちが手にする際の価格に反映されているというのが現状のようです。
円安がもたらす「内外価格差」の解消
かつては日本価格が非常に高く、本国イギリスで買う方が圧倒的に安いと言われていました。しかし、最近では国内代理店も企業努力で価格を抑えていた時期があり、為替レートをそのまま反映すると日本定価が安すぎるという「逆転現象」に近い状態も起きていました。
今の値上げは、本来の為替水準に適正化しようとする動きでもあります。とはいえ、1ポンド190円〜200円という水準が定着してしまった以上、今後も円高に振れない限りは、日本での販売価格が下がることは絶望的と言わざるを得ないのが悲しい現実です。
2025年4月の改定でドーバーは30万円台へ

悲しいお知らせですが、2025年4月にもさらなる価格改定が発生していました。すでに多くの代理店が告知を始めており、この波は避けられそうにありません。もし今回の改定で5%〜10%程度のアップとなれば、ついにドーバーは定価30万円を超えることになります。
心理的抵抗線としての30万円
多くのビジネスマンにとって、靴一足に30万円を出すというのは一つの大きな「壁」になると思います。これまでは「20万円なら一生モノとして清水の舞台から飛び降りる」ことができましたが、30万円となると、もはや時計やカメラといった他の高級趣味の領域と競合してきます。
しかし、エドワードグリーンの強気な姿勢の背景には、全世界的な富裕層の需要増があります。日本市場で高いと感じられても、アメリカやアジアの富裕層にとっては依然として魅力的なプライシングである可能性があり、今後もこの上昇トレンドは継続すると見るのが自然かなと思います。
エドワードグリーンの値上げに備える賢い購入戦略

値上げのニュースに落ち込んでばかりもいられません。今の状況を冷静に分析して、少しでも納得感のある買い物をするための戦略を一緒に考えていきましょう。私も私なりに色々調べてみました。
ジョンロブとの比較で分かる現在の逆転現象

興味深いのが、ライバルとされるジョンロブとの価格バランスです。実は今、エドワードグリーンのチェルシーの方が、ジョンロブの定番モデルであるシティII(約21.5万円)よりも高価になるという「逆転現象」が起きています。これは資本力の違いによる原材料の調達コストの差かもしれません。
ブランドの格付けとしては同等か、ややジョンロブが上とされることもある中で、この価格差は大きな判断材料になりますよね。あえて今、ジョンロブを選ぶという選択肢も現実味を帯びてきますし、逆に「高くてもエドワードグリーンが好き」というこだわりを再確認する機会にもなるかもしれません。
エルメスグループの資本力 vs 独立の矜持
ジョンロブ(パリ)が、エルメスの傘下として最強の素材調達能力を持っているのに対し、エドワードグリーンはどこまでも職人気質の独立メーカーです。
ジョンロブはスケールメリットを活かして価格の上昇を一定レベルで抑え込めているフシがありますが、エドワードグリーンにはそれができません。しかし、だからこそエドワードグリーンには、大手資本には真似できない「手仕事の温かみ」や「ラストの絶妙なフィッティング」が色濃く残っています。
この価格逆転は、ブランドの優劣ではなく、経営スタイルの違いがそのまま数字に現れたものと言えるでしょう。
選ぶべきはブランド名か、それとも履き心地か
「25万円出すなら、もっと格上のジョンロブが買えるじゃないか」と考えるのは、非常に合理的な判断です。実際、シティIIの美しさは完璧ですし、革のクオリティも間違いありません。
でも、それでもエドワードグリーンを選ぶ人は、あの202ラストの包み込まれるような履き心地や、カドガンの精緻なパーフォレーションに惚れ込んでいるんですよね。この価格差が生まれた今、私たちは「ブランドのヒエラルキー」で靴を選ぶのか、それとも「自分の足と感性に合うもの」を選ぶのかという、究極の選択を迫られているような気がします。
個人輸入や海外通販が円安で選ばれない理由

以前は「イギリス本国から個人輸入すれば安く買える」というのが靴好きの常識でしたが、今はそのメリットが薄れています。現地価格自体が上がっていることに加え、猛烈な円安の影響で、送料や関税を合わせると国内定価よりも高くなってしまう逆転現象もしばしば見受けられます。
関税は革靴の場合、30%または1足4,300円の高い方が適用されるため、高額なエドワードグリーンでは非常に重い負担になります。サイズ交換のリスクも考えると、今は国内正規店での購入が一番リスクが低いと言えるでしょう。
関税と消費税の恐ろしい落とし穴
海外通販サイトの表示価格だけを見て「安い!」と飛びつくのは禁物です。商品が日本に届く際、配送業者から関税と消費税の請求が来ます。革靴の関税率は非常に高く、個人輸入であっても商品価格の6割に対して30%の税金がかかるのが一般的です。
例えば30万円の靴を買えば、税金だけで数万円が吹っ飛びます。これに国際送料や、万が一の返品・交換にかかる手間を考えると、今の為替水準では正規店の定価の方がむしろ「割安」に感じられるはずです。 (出典:財務省関税局『実行関税率表(第64類)』)
国内在庫という名の「タイムカプセル」
日本のセレクトショップや百貨店の在庫は、半年〜1年以上前に発注されたものであることが多いです。つまり、現在の絶望的な円安になる前のレートで価格設定されている在庫が、まだ店頭に残っている可能性があるんです。
これは海外通販では絶対にありえないメリットですよね。いわば「過去の安いレート」で買い物をさせてもらえるチャンスが国内にはまだ眠っています。海外のサイトを夜な夜なチェックするよりも、近所の正規店に足を運んでデッドストック的な在庫を探す方が、よほど賢い買い方だと言えるかもしれません。
トレーディングポストでの在庫確認と購入方法

もし新品を狙うのでわけあれば、トレーディングポストなどの大型代理店の在庫を早めにチェックすることをおすすめします。特に2025年4月の改定前は、全国的にサイズ欠けが加速すると予想されます。ポイント還元やセール期間をうまく利用すれば、実質的な支払額を抑えることも可能です。
試着ができるというのも、正規店ならではの強みですよね。エドワードグリーンのラスト(木型)は202や82など種類が多く、フィッティングによって履き心地が激変します。高い買い物ですから、しっかりとプロに相談しながら選ぶのが、結果として一番の近道になるかもしれません。
フィッティングの重要性と「失敗しない」買い方
エドワードグリーンは、モデルによってラストが異なるだけでなく、同じサイズでもウィズ(足幅)の展開が豊富です。DウィズなのかEウィズなのかで、数年後の足の疲れ具合は雲泥の差になります。
こればかりは、プロのフィッターがいる店舗で計測してもらうのが一番。特に高騰している今、サイズ選びの失敗は数万円、数十万円の損失に直結します。正規店であれば、購入後のプレメンテナンス(プレメンテ)を無料で実施してくれることも多く、最初の一歩を最高の状態で踏み出せるメリットは計り知れません。
ポイント活用と株主優待の裏技
意外と見落としがちなのが、百貨店などのポイントアップ期間や、株主優待カードの活用です。例えば、10%のポイント還元があれば、25万円の靴なら2.5万円分が戻ってきます。
これで純正のシューツリーや、高級なケア用品を一通り揃えることができてしまいますよね。値上げは避けられませんが、こうした「買い方の工夫」を駆使することで、実質的なダメージを最小限に抑えることは可能です。今の時代、賢く買うというのは、単に安い店を探すことではなく、制度をフル活用することを指すのかもしれません。
中古市場やメルカリでの取引相場と狙い目モデル

新品が30万円となると、がぜん注目が集まるのが中古市場です。メルカリやオークションサイトでは、10万円台で状態の良い個体が出回ることもあります。特に「旧工場製」と呼ばれる古い時代のものは、現行品よりも革質が良いとされることもあり、愛好家の間では根強い人気があります。
| 状態 | 中古相場(目安) | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 未使用・新古品 | 12万円〜18万円 | 新品同様のクオリティ | 出品数が極端に少ない |
| 良品(ソール減り少) | 8万円〜11万円 | コスパ最強の選択肢 | 前の持ち主の癖がある |
| 旧工場ヴィンテージ | 7万円〜13万円 | 伝説的な極上カーフ | サイズ選びが非常に困難 |
中古で購入して、2〜3万円かけて純正のオールソール修理に出す。そんな付き合い方も、今の時代には非常に経済的で賢い選択だと言えるのではないでしょうか。
「旧工場製」というロマンを追う
エドワードグリーン好きの間でよく語られるのが、2004年頃までの「旧工場(オールドグリーン)」の存在です。当時は今よりも原皮の供給が安定しており、驚くほどきめ細かく、もっちりとした革が使われていました。
中古市場でこれを見つけ出し、しっかりとお手入れをして蘇らせるのは、革靴趣味の醍醐味でもあります。新品価格が高騰したことで、こうした古い名作の価値も再評価されており、状態の良いオールドグリーンはもはや資産のような扱いになっています。もしあなたが「育てる楽しみ」を重視するなら、あえて中古から入るのも全然アリだと思いますよ。
関連記事:エドワードグリーンのインソールロゴで年代判別!旧グリーンの価値
エドワードグリーンの値上げを踏まえた最終結論
ここまで見てきた通り、残念ながらエドワードグリーンの値上げが止まる気配はありません。為替や原材料の状況を考えても、安くなる要素が見当たらないのが辛いところです。ですが、もしあなたが本気でこのブランドの靴を手にしたいと思っているなら、「今が一番安い」という格言を信じて行動を起こすのがベストな選択になるはずです。
メンテナンスで初期投資を回収する
30万円の靴を高いと感じるか、それとも安いと感じるかは、その靴を何年履くかによって決まります。もし20年履き続ければ、年間コストはわずか1.5万円。
飲み会数回分で世界最高峰の足元が手に入ると考えれば、決して悪い投資ではありません。そのためには、正しい知識でお手入れをしてあげることが不可欠です。当サイトでも紹介している「本格革靴のお手入れ方法」を参考に、愛情を持って接してあげてください。
