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革靴

オールデン値上げの真相とは?価格推移と今買うべき理由を徹底解説

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こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!

最近、オールデンの値上げが止まらないという話をよく耳にしますよね。

以前は頑張れば手の届いた憧れの靴が、今や20万円を超えるような価格になっていて、私も含めたファンの皆さんは、これからのオールデンの最新価格やコードバンの供給状況について、不安や戸惑いを感じているのではないでしょうか。

この記事では、オールデンが値上げを続ける歴史的な背景や、ホーウィン社のレザー不足、そして円安の影響といった複雑な要因を整理して、私なりの視点で分かりやすくお伝えします。

いつ買うのが一番お得なのか、中古市場や個人輸入の現状はどうなっているのか、あなたの疑問を解消して納得のいく一足に出会うためのお手伝いができれば嬉しいです。

ポイント

  • オールデンが値上げを繰り返す構造的な理由
  • 過去25年間の米国本国と日本国内の価格推移
  • コードバン不足と熟練職人不足の深刻な現状
  • 今すぐ買うべきか待つべきかの戦略的な判断基準

オールデンの値上げが続く理由と歴史的推移の徹底分析

オールデンの値上げが続く理由と歴史的推移の徹底分析
革の小部屋

なぜここまで価格が上がってしまったのか、その背景には単なるブームだけではない、深刻な供給不足とマクロ経済の動きがあります。ファンとして非常に辛い状況ですが、まずはその歴史的な推移からじっくり紐解いていきましょう。

ポイント

  • コードバン原皮の枯渇とホーウィン社の製造コスト
  • 25年間で倍増した米国本国における価格推移の背景
  • 歴史的な円安が及ぼした日本国内定価への深刻な影響
  • 正規代理店ラコタハウスによる価格改定の歩み
  • 熟練職人の不足による生産数減少と供給構造の限界

コードバン原皮の枯渇とホーウィン社の製造コスト

コードバン原皮の枯渇とホーウィン社の製造コスト
コードバン加工

オールデンの代名詞といえば、シカゴのホーウィン社が作る「シェルコードバン」ですよね。

あの鈍い光沢と、履き込むほどに生まれるダイナミックな「うねり」。私も初めて手にした時は、夜な夜な部屋で眺めてはニヤニヤしてしまったものです。しかし、残念なことにこの最高級レザーの確保が年々、絶望的なほど難しくなっているんです。

産業構造の変化がもたらす致命的な原皮不足

まず根本的な問題として、コードバンは農耕馬の臀部にある「シェル」と呼ばれるごく一部の層からしか採れないという極めて高い希少性があります。かつては農業や運送の主役だった馬たちですが、世界的な機械化の波によって飼育頭数自体が激減してしまいました。

これは一過性の流行ではなく、産業構造そのものの変化なので、原皮の供給がかつての水準に戻ることはまずあり得ないと言えるでしょう。現在、高品質な原皮の争奪戦は世界中で激化しており、オークション形式で価格が吊り上がることもあるそうです。

「効率化」を拒む伝統的な鞣し工程の代償

さらに、ホーウィン社での鞣し(なめし)工程には、最低でも半年から10ヶ月という膨大な時間がかかります。植物タンニンを用いた伝統的なピット鞣し、熟練職人によるハンドステイン(手作業の染色)、そして表面を滑らかにするグレージング。

これら全ての工程において、近代的なスピードアップや効率化が一切通用しません。手間暇がかかる上に原材料が手に入らないとなれば、製造コストが跳ね上がるのは当然かなと思います。

特にコードバンのチャッカブーツ(1339)のように、大きな面積の一枚革パーツを必要とするモデルは、一枚のシェルから取れる足数が極端に少なく、歩留まりが悪いため、価格高騰の煽りを最も受けやすい構造にあります。

25年間で倍増した米国本国における価格推移の背景

米国本国での価格推移を振り返ってみると、その上昇率は単なるインフレの枠を完全に超えています。例えば、映画『インディ・ジョーンズ』でジョージ・ルーカス氏やハリソン・フォード氏が愛用したことでも知られる「405 インディブーツ」の価格を見てみましょう。

25年間で倍増した米国本国における価格推移の背景
405ブーツ

1999年にはわずか190ドル程度だったものが、2025年にはついに700ドルの大台を突破しました。25年で価格が約3.7倍になった計算です。

年次米国定価(目安)上昇率と主なトピック
1999年$190古き良き「アメリカの実用靴」としての価格設定
2011年$435前年比+13%。レザーライニング導入等の仕様変更
2020年$573パンデミックによる物流・生産網の混乱
2024年$680米国内の賃金インフレ加速と部材コストの上昇
2025年$702ついに700ドルの壁を突破。ラグジュアリー化が鮮明に

物価上昇(CPI)を凌駕するブランド価値の変容

このデータから読み取れるのは、オールデンの価格上昇が米国の消費者物価指数(CPI)の上昇率を恒常的に上回っているという事実です。

これは単に「世の中のモノが高くなったから」という理由だけではなく、オールデンというブランド自体が「手の届く実用靴・矯正靴」から「資産価値を持つ高級ラグジュアリープロダクト」へと完全にシフトしたことを意味しています。

かつてブルーワーカーや軍人に愛されたワークブーツが、今や富裕層のコレクション対象となっている現状は、ある種の時代の転換点とも言えそうです。

特に、2011年の仕様変更による大幅値上げや、近年のサプライチェーン混乱期を経ての上昇ペースは凄まじいものがあります。正確な最新価格や詳細な統計については、米国の公的な経済指標なども参考にすべきですが、何より公式サイトの情報をチェックするのが一番確実です。(出典:米国労働省労働統計局『消費者物価指数(CPI)』

歴史的な円安が及ぼした日本国内定価への深刻な影響

歴史的な円安が及ぼした日本国内定価への深刻な影響
輸入関税

日本に住む私たちにとって、最も深刻なのがこの「為替」の問題です。

米国本国での価格上昇に加えて、2024年から2025年にかけての歴史的な円安がダブルパンチとなって襲いかかっています。1ドル150円を超えるような為替水準は、輸入インポートビジネスにおいて致命的なコスト増をもたらします。

「二重のインフレ」が家計を圧迫する

例えば、2010年代前半の1ドル100円前後だった頃と比較してみましょう。商品代金、国際送料、そして輸入にかかる諸経費。これら全てに為替レートが乗算されるため、単純計算でも日本国内での販売価格は当時の1.5倍から1.8倍にならざるを得ません。

かつては10万円台前半で買えたコードバンモデルが、今や20万円を超えているのは、この為替の影響が非常に大きいです。さらに、昨今の燃料サーチャージの上昇が、航空便や船便の輸送コストを数割単位で押し上げている点も見逃せません。

インポートシューズを待ち受ける「高額関税」の壁

また、日本の税制度における「関税」も大きなハードルです。実は、革靴の輸入には非常に高い関税が設定されています。財務省の関税率表によれば、革製履物の関税は「30%または1足あたり4,300円のうち、いずれか高い方」が適用されるのが一般的です。

ここに輸入消費税10%や通関手数料が加わるため、1足の靴が日本のショップに並ぶまでに、税金だけで数万円単位のコストが積み上がっているんです。

為替レートが1ドル140円〜150円台という「ニューノーマル(新常態)」として定着した場合、かつての「コードバン靴=10万円前後」という価格帯への回帰は、論理的に考えても極めて困難だと言わざるを得ません。

こうした複合的なコストプッシュインフレがあるため、日本の代理店としても将来の為替変動リスクを織り込んだ価格設定を行わざるを得ないのが現状です。

正規代理店ラコタハウスによる価格改定の歩み

正規代理店ラコタハウスによる価格改定の歩み
革の小部屋

日本のオールデンファンにとって、聖地とも言えるのが正規総代理店の「ラコタハウス」ですよね。彼らは長年、日本市場にオールデンという文化を根付かせ、厳しい品質管理を行ってきました。

しかし、近年の激しい価格高騰には、彼らもまた苦渋の決断を迫られてきたことと思います。2022年7月に実施された歴史的な大規模改定以降も、世界的なインフレと円安の進行に合わせて、断続的に定価が更新されています。

20万円の壁を超えた「覚悟」のプライシング

現在、代表的なモデルである990(プレーン・トゥ)や1339(チャッカブーツ)の税込定価は、ついに21万円から22万円を超える水準に達しました。

数年前までは「一生モノとして、ボーナスで頑張れば買える」という感覚でしたが、今や「住宅ローンや車の購入と同じくらいの決心が必要な高級品」へと変化してしまいました。この急激な値上がりは、既存のコレクターだけでなく、これからオールデンを履き始めたいという若い世代にとっても、非常に高いハードルになっているのは間違いありません。

価格を超えた「正規店」ならではの安心と信頼

しかし、これほどの高価格になってもなお、ラコタハウスをはじめとする正規店での購入を推奨する理由は、その「圧倒的な安心感」にあります。日本向けに厳選された極上の個体、熟練のスタッフによるミリ単位の完璧なフィッティング、そして純正パーツを用いた国内でのリペアサービス。

これらは単なる靴の代金ではなく、「その靴を一生涯にわたって最高の状態で履き続けるためのトータルケア」に対する投資だと私は考えています。

特にコードバンは、個体によって色味や革の厚み、質感が大きく異なります。自分の目で実物を確かめ、プロにサイズを選んでもらえる価値は、20万円という大きな投資においては何物にも代えがたいものです。

迷っている方は、一度店頭に足を運んで、そのホスピタリティを体感してみるのが一番かなと思います。もちろん、人気モデルは常に在庫不足なので、事前の在庫確認は必須ですよ。

関連記事:ラコタハウスのオールデン在庫不足の理由【再入荷の時期と入手方法】

熟練職人の不足による生産数減少と供給構造の限界

オールデンがこれほどまでに手に入りにくくなった理由のもう一つは、製造現場における「人的リソース」の問題です。マサチューセッツ州ミドルボロウにあるオールデンの工場は、決してハイテクな自動化ロボットが並ぶ場所ではありません。

そこにあるのは、創業当時から変わらない、無骨なまでに伝統を守り続ける職人たちの「手」による作業です。

機械化を拒む「聖域」の手仕事

特に難易度が高いのが、タンカーブーツ(4545H)のアイコンでもある「モカツイストステッチ(スキンステッチ)」です。

熟練職人の不足による生産数減少と供給構造の限界
スキンステッチ

これは厚みのある革の内側だけに針を通す非常に高度な技術が必要で、機械では絶対に再現できません。

しかし、こうした技術を持つ熟練職人の高齢化が進む一方で、アメリカ国内の若者の製造業離れによって、技術を継承する担い手が著しく不足しているという、深刻な問題に直面しています。一説には、特定のモデルを縫える職人が数人しかいない時期もあるとか……。

「Made in USA」のプライドと賃金上昇のジレンマ

また、米国内の平均賃金の上昇も製造コストに直結しています。労働集約的な産業である靴作りにおいて、人件費の上昇はダイレクトに製品価格へと転嫁されます。

他のブランドが生産拠点を国外に移してコストダウンを図る中で、オールデンは頑なに「Made in USA」というアイデンティティを貫き通しています。そのプライドと品質を守り抜くためには、現在の価格設定はやむを得ない選択なのかもしれません。

「生産効率を上げられない伝統的な製法」と「不足し続ける熟練の技」。この二つの要因が重なることで、オールデンはもはや単なる大量生産品ではなく、極めて希少な工芸品、あるいは「実用芸術品」に近い存在になっています。

この供給のボトルネックが解消されない限り、私たちがショップで「入荷はいつですか?」と問いかけても、明確な回答が得られない日々は続いてしまうでしょう。

オールデンの値上げに対抗する賢い買い方と今後の展望

オールデンの値上げに対抗する賢い買い方と今後の展望
革の小部屋

ここまでの分析で、値上げが止まらない構造的な理由は十分に理解できたかと思います。

では、私たちはこの厳しい状況の中で、どうすれば憧れのオールデンを賢く手に入れ、末永く付き合っていくことができるのでしょうか。私なりの「戦略」を、包み隠さず提案します。

ポイント

  • 990や1339などコードバンモデルの現在の資産価値
  • 個人輸入のメリットが喪失したコスト計算の現実
  • 中古市場やリジェクト品を活用した賢い入手ルート
  • モディファイドラストのVチップに宿る不変の魅力

990や1339などコードバンモデルの現在の資産価値

990や1339などコードバンモデルの現在の資産価値
990

今、オールデンのコードバンモデル、特に「990(プレーン・トゥ)」や「1339(チャッカブーツ)」を購入することは、単なるファッションへの投資を超えて、「資産防衛」に近い意味合いを持ち始めています。

なぜなら、これらの王道モデルは、時が経っても価値が落ちにくいどころか、定価の上昇に伴って中古相場も底上げされ続けているからです。

コードバンの輝きは適切な手入れさえすれば、数十年単位で維持できます。むしろ、履き込むことで自分だけのエイジング(経年変化)が進み、新品時よりも魅力が増すことさえあります。

中古市場を見ても、状態の良い個体であれば、数年履いた後でも購入価格の数割〜半額以上で再販できることが珍しくありません。

これは、数千円の使い捨ての靴では絶対に不可能な、オールデンならではの強みです。

「トータル・コスト・オブ・オーナーシップ」で考えよう

例えば、22万円で買った靴を15年履き、最後に5万円で売却できたとしましょう。その間の「実質的なコスト」は17万円。1年あたりに換算すれば、わずか1万円ちょっとです。

そう考えると、3万円の靴を3年ごとに買い換えるよりも、最初から最高の一足を買い、大切にケアして履き続ける方が、精神的な満足度はもちろん、長期的な経済合理性(コスパ)にも優れていることが分かります。

もちろん、これは「正しくメンテナンスができること」が前提になります。コードバンのケアには少しコツが必要ですが、それを学ぶ過程もまた、オールデンを所有する醍醐味の一つだと私は思います。

資産としての価値を損なわないためにも、日々のブラッシングと、定期的な水分・油分補給を欠かさないようにしたいですね。

個人輸入のメリットが喪失したコスト計算の現実

数年前の円高時代には、米国のショップから直接買う「個人輸入」が、オールデンを安く手に入れるための有力な裏技でした。

しかし、2026年現在の経済状況において、そのメリットはほぼ完全に消滅したと言っていいでしょう。多くの人が陥りがちな「表示価格の見かけの安さ」に惑わされてはいけない理由を、具体的にシミュレーションしてみます。

Alden 990(コードバン)を個人輸入した場合の総コスト試算(目安)

  • 米国リテーラー表示価格:$937.00 ≒ 145,235円(1ドル155円計算)
  • 国際送料・輸送保険料:約12,400円($80程度)
  • カード会社の為替決済手数料(約2.2%):約3,468円
  • 革靴の関税(30%適用):約26,142円(課税価格を商品代の6割と仮定)
  • 輸入消費税・地方消費税(10%):約11,500円
  • 通関代行手数料(業者による):約2,000円
  • 最終的な総支払額:約200,745円

目先の数万円よりも「確実な一足」を選ぶべき理由

このシミュレーション結果を見てどう思いますか?日本での定価と数千円、せいぜい1〜2万円程度の差しかありません。

しかも、ここには「サイズを間違えた時の交換費用(往復の国際送料で数万円)」や「届いた個体に、日本では不良品とされるレベルの色ムラや傷があった時の絶望感」は一切含まれていません。アメリカの検品基準は日本ほど厳しくないため、ステッチの僅かな蛇行などは「味」として片付けられてしまいます。

これほどのリスクを冒して、たった1万円を節約する価値があるでしょうか。

私は「今のレートなら、絶対にない」と断言します。特に20万円という高価格帯であれば、しっかりとした保証とフィッティングが受けられる国内正規店や、アフターフォローの充実した信頼できるセレクトショップで購入する方が、精神的にも、そして結果的には財布にも優しく済むケースがほとんどですよ。

中古市場やリジェクト品を活用した賢い入手ルート

「新品はあまりにも高嶺の花すぎて手が出ない、でもどうしてもコードバンのオールデンを履いてみたい!」という方にとって、中古市場は依然として有力な味方です。

メルカリやヤフオク、あるいは「BRING」や「RAGTAG」といった信頼できる大手リユースショップには、日々多くのオールデンが流通しています。現在の相場では、新品に近い極上品で定価の7〜8割、一般的な良品であれば10万円から12万円前後で見つけることができます。

また、マニアックですが非常に賢い選択肢が「Factory Seconds(リジェクト品)」です。これは、製造工程で僅かな傷や色ムラが生じ、正規の検品をパスできなかった製品のこと。

中古市場やリジェクト品を活用した賢い入手ルート
Rスタンプ

ソールの土踏まず付近に「R」のスタンプが押されているのが目印です。これらは米国の「The Shoe Mart」などの専門サイトで販売されており、運が良ければ定価の30〜40%オフ程度で手に入れることができます。日本国内でも、稀にADOLUVLE(アドラーブル)などのショップで扱われることがありますね。

中古購入時に絶対に妥協してはいけない「三原則」

ただし、中古やリジェクト品を購入する際は、以下の3点だけは自分の目で厳しくチェックしてください。ここを妥協すると、安物買いの銭失いになります。

ポイント

  • コードバンのクラック(ひび割れ): 履きジワ部分の銀面が割れて、白い芯が見えているものは修理不能。寿命だと判断しましょう。
  • 前オーナーの「沈み込み」: コルクの沈み込みが自分の足型と合わないと、一生馴染まずに苦痛を伴うことがあります。
  • カウンターライニングの状態: かかと内側の破れは修理可能(数千円)ですが、その費用も込みで価格を考えましょう。

中古はまさに「一期一会」です。信頼できるショップで実物を確認しながら選ぶのが、失敗を防ぐ最大のコツ。リジェクト品については、傷の理由が「自分にとって許容できる程度か」を冷静に判断してくださいね。

モディファイドラストのVチップに宿る不変の魅力

モディファイドラストのVチップに宿る不変の魅力
Vチップ・54321

どれほど価格が上がろうとも、世界中の靴好きがオールデンという宗教(?)から抜け出せない最大の理由は、その「究極の履き心地」にあります。

特に、土踏まずをぐっと押し上げ、つま先を自由に解放する「モディファイドラスト」の感覚は、一度体験すると他の靴には戻れないほどの強烈な魔力を持っています。その代表格が、このVチップですよね。

足の健康と歩く喜びへの「知的投資」

Vチップはもともと、ハンディキャップを持つ人のための医療用矯正靴として開発された背景があります。足の骨格を正しい位置で支え、歩行をサポートするという設計思想こそが、オールデンの真の価値、いわば「知的財産」なんです。

革の質が良い靴は他にもありますが、この独特のフィッティングを再現できるブランドは世界に二つとありません。そう考えると、20万円という金額も「一生続く足の健康と、歩くたびに感じる高揚感への投資」として納得できるのではないでしょうか。

あえて「カーフ(牛革)モデル」から始めるという賢明な選択

「コードバンにこだわらなければ、もう少し身近にオールデンを楽しめます。カーフ素材のVチップやプレーン・トゥも、オールデンの素晴らしいラストを十分に体感できる傑作です。

カーフは雨の日でも比較的扱いやすく、きめ細かな銀面の美しさはビジネスシーンでの信頼感を高めてくれます。まずはカーフでサイズ感を掴み、その魅力に取り憑かれてから満を持してコードバンへ進む……というステップも、非常に堅実で素敵な楽しみ方だと思います。

結論としてオールデンの値上げ前に即断すべき理由

ポイント

  • コードバン原皮の枯渇:農耕馬の減少によりホーウィン社の原皮確保が困難になり、製造コストが激増している。
  • 熟練職人の不足:米国工場での手縫い技術を持つ職人が減り、生産数が限られることで希少性が加速している。
  • 円安と関税の影響:歴史的な円安に加え、革靴特有の高額な関税が日本国内の定価を押し上げる主因となっている。
  • ラグジュアリー化:米国本国でも25年で価格が約3.7倍に上昇し、実用靴から資産価値を持つ高級品へ変貌した。
  • 個人輸入のメリット喪失:為替や諸経費を含めると国内定価との差がほぼなくなり、個人輸入の合理性が消滅した。
  • 二次流通の活用:新品高騰の影響で、資産価値の高い中古品やリジェクト品(検品落ち)が賢い選択肢になっている。
  • 今が最も安いという現実:今後も値下がりする要素はなく、欲しいと思った「今」が最大の買い時である。

結論として申し上げたいのは、今後、オールデンの価格が劇的に、あるいは以前の水準まで下がる未来は、今の経済状況を見る限りまずあり得ないということです。

原材料の慢性的な不足、職人の減少、そして円安の定着。これら全ての要因が、さらなる値上げの圧力を生み出し続けています。2026年、そしてその先も、価格が一段ずつ階段を登っていくのは、悲しいかなほぼ確実な流れと言えるでしょう。

「今」が、あなたの人生で最も安く買える瞬間

「いつか買おう」という言葉は、現在のオールデンの市場においては「より高い金額を払い、より少ない在庫から選ぶ」ことと同義になってしまいました。もしあなたが、今この瞬間に予算を確保できる状況にあるのなら、「今すぐ買う」ことが、経済的にも、そして精神的な充足感という面でも、最も合理的で後悔のない決断になると私は確信しています。

迷っている時間は、その靴と共に歩めるはずの楽しい時間を削るだけでなく、価格上昇という形であなたの負担を増やすだけなのです。

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