こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
一生モノの革靴を探していると必ずと言っていいほど名前が挙がるのが、オールデンの9751ですよね。
漆黒のコードバンが放つ独特の光沢や、アメリカ靴らしい重厚な佇まいに憧れる方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ手に入れようと思うと、バリーラスト特有のサイズ感で失敗したくない、高価なコードバンのエイジングや日々の手入れはどうすればいいのか、といった不安も尽きないかなと思います。
さらに、最近 of 定価の上昇や在庫不足の影響で、中古での購入や通販での個人輸入を検討されている方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、私が実際に触れて感じた魅力をもとに、サイズ選びのコツから資産価値まで、皆さんの疑問が解消できるよう丁寧にお伝えしていきますね。
オールデンの9751の魅力と基本構造の解析

まずは、オールデンの9751を語る上で欠かせないマテリアルやデザイン、そして靴の骨格となる木型の特徴について詳しく見ていきましょう。なぜこの靴が「ガンボート」と称され、時代を超えて愛されているのか、その理由を紐解いていきます。
コードバンの希少性とエイジングの楽しみ

オールデンの9751の最大の主役は、何と言っても「革のダイヤモンド」と称されるホーウィン社製のシェルコードバンです。農耕馬の臀部からわずかしか採れないこの素材は、一般的な牛革とは異なり、高密度の繊維層を削り出すことで生まれる独特の質感が特徴ですね。
コードバンのエイジングは、履き込むほどに自分の足の形に合わせて大きな波のような「畝(うね)」が刻まれていくのが醍醐味です。新品時の硬質な輝きも素敵ですが、数年、数十年と連れ添うことで、鈍く、それでいて深みのある光沢へと変化していく過程は、まさに自分だけの靴を育てているという実感を味わせてくれます。
ただし、コードバンは水に弱く、濡れると「ブク」と呼ばれる水膨れのような現象が起きることがあるので、その点だけは少し注意が必要かなと思います。
ブラックの深い光沢と手入れの重要性
オールデンの9751のブラックコードバンは、非常にストイックで都会的な印象を与えてくれます。バーガンディ(No.8)のような色の抜けを楽しむ変化とは異なり、ブラックは光沢の「深み」が増していくのが特徴です。磨き込むことで、まるで黒曜石や墨汁のように濡れたような艶を放つようになります。
この美しさを保つためには、日々のブラッシングが欠かせません。
馬毛ブラシで埃を落とし、革内部の油分を循環させるだけで十分な光沢を維持できます。逆に、クリームの塗りすぎは表面を曇らせる原因になるので注意してくださいね。数回から十数回履いたあとに、少量のコードバン専用クリームで栄養を補給するのが理想的です。
ロングウイングチップのデザインと特徴
オールデンの9751を象徴する最大の意匠といえば、やはりこの「ロングウイングチップ」ですよね。
一般的なウイングチップ(ショートウイング)は、つま先のW字型の切り替えが土踏まずのあたりで下に落ちて終わりますが、ロングウイングはその名の通り、切り替えのラインがそのままサイドを一直線に走り抜け、踵(かかと)のバックステイまで到達しているのが特徴です。

このサイドを貫く一本のラインがあることで、視覚的に重心が下がり、足元にどっしりとした圧倒的なボリューム感が生まれるわけです。まさに「ガンボート」という愛称にふさわしい、タフで男らしい佇まいを演出してくれますね。
このデザインには、単なる見た目のインパクトだけでなく、実はアメリカの歴史や機能美がぎっしりと詰まっています。ブローギング(穴飾り)やピンキング(ギザギザの切り口)といった装飾も相まって、シンプルすぎず、かといって派手すぎない絶妙なバランスを保っています。
これが、ビジネスシーンでの信頼感と、休日スタイルのリラックス感を両立させる「アメリカントラッドの正解」と言われる所以かなと思います。
「アメリカン・ブローグ」としての歴史的背景
ロングウイングチップは、欧州ではあまり見かけないデザインで、米国で独自に発展・定着したスタイルであることから「アメリカン・ブローグ」とも呼ばれています。1950年代から60年代にかけて、米国のエリート大学生たちの間でアイビースタイルが爆発的に流行した際、その足元を飾る定番として定着しました。
当時のビジネスマンたちにとっても、成功の証として履かれるような、憧れのスタイルだったようです。オールデンの9751は、その黄金時代の意匠を今もなお、ほとんど変えることなく現代に伝え続けている、いわば「生きたヘリテージ」なんですよね。そんな歴史的な背景を知って履くと、一歩踏み出す時の気分も少し変わってくるかもしれません。
また、デザイン関連だとつま先部分に施された「メダリオン」と呼ばれる穴飾り。

実はこれ、メーカーやモデルによって微妙にパターンが異なります。オールデンの9751のメダリオンは、華美すぎずどこか素朴な力強さがあり、ブラックコードバンの光沢感を引き立てる名脇役となっています。こうした細かいディテールの違いを愛でるのも、革靴を趣味にする醍醐味の一つですね。
いかがでしょうか。単なるデザインとしてのウイングチップではなく、歴史、機能、そして所有する喜びがこの一本のラインに集約されていることがお分かりいただけたかと思います。皆さんもオールデンの9751を履く際は、ぜひこのサイドのラインを眺めてみてください。きっと、その堅牢な作りに惚れ直してしまうはずですよ。
関連記事:革靴のメダリオンはダサい?就活・葬式マナーと失敗しない選び方
バリーラストが提供する快適な履き心地
9751に採用されている「バリーラスト」は、オールデンの中でも最も歴史があり、世界中で基準とされている木型です。その特徴を一言で言えば「大らか」という言葉がぴったりかなと思います。
つま先部分(トゥボックス)にゆとりがあり、日本人に多い幅広の足にも馴染みやすいのが嬉しいポイントですね。
土踏まずをグッと絞り込むような現代的な木型とは対照的に、足全体を包み込むような安定感があります。ダブルオークレザーソールのクッション性と相まって、長時間歩いても疲れにくい、まさに実用靴としての完成度の高さを感じさせてくれます。
失敗しないサイズ感とサイズ選びのコツ

さて、皆さんがオールデンの9751を検討する際に、最も頭を悩ませるのが「バリーラスト」のサイズ選びではないでしょうか。せっかく高価なコードバン靴を手に入れても、サイズが合わなければ修行のような痛みを感じたり、逆にブカブカで不自然なシワが入ってしまったりと、後悔の種になりかねません。
バリーラストの攻略は、オールデン愛好家への第一歩と言っても過言ではありませんね。一般的に黄金律として語られるのは、「USサイズの実寸(計測値)からハーフサイズ(0.5cm)下げる」という法則です。
バリーラストは他の木型に比べて全体的に作りが大きく、特に足先の空間(捨て寸)が長めに設計されているため、普段通りのサイズを選ぶと大きく感じることが多いかなと思います。
例えば、足の計測値(ブランノックデバイス等での実測)がUS9.0の方であれば、オールデンの9751ではUS8.5を選ぶのが適合する可能性が非常に高いです。私自身の経験でも、初めて足を入れた時は「えっ、ハーフ下げてもこんなにゆとりがあるの?」と驚いた記憶があります。
この「ゆとり」こそがバリーラストの持ち味なのですが、これを「大きい」と判断してさらにサイズを下げすぎてしまうと、今度は幅がキツくなってしまうという罠があるんですよね。
足型別・サイズ選びのアドバイス
- 幅広・甲高の方:基本通りハーフサイズダウン(-0.5)で、Dウィズを選ぶのが定石です。コードバンはカーフほど伸びないため、最初は横幅がジャスト(少しタイト目)でも、中のコルクが沈むことでちょうど良いフィット感に落ち着きます。
- 幅狭・甲低の方:ハーフサイズ下げても踵が浮く、あるいは羽根が完全に閉じてしまう(紐を締めても緩い)場合は、さらにハーフ下げる(-1.0)か、あるいは厚手のソックスでの調整が必要になります。国内では稀ですが、可能であれば「Cウィズ」などの細いワイズを探すのも一つの手です。
| 普段の靴の種類 | オールデンの9751(バリー)の目安 | 解説 |
|---|---|---|
| スニーカー(Nike, New Balanceなど) | 0.5〜1.0サイズダウン | スニーカーは内部にクッションがあるため表記が大きく、革靴とは基準が異なります。 |
| Alden モディファイドラスト | 同サイズ | モディファイドは土踏まずで履く靴ですが、全長はバリーと近似しています。 |
| 英国ドレスシューズ(UKサイズ) | US換算から0.5下げ | UK7.5ならUS8.0が標準ですが、バリーならそこからさらに0.5下げるイメージです。 |
| Allen Edmonds(65ラスト) | 0.5サイズダウン | 米国の代表的ラストですが、バリーの方が全体的にボリュームがあります。 |
オールデンの9751の資産価値と購入ガイド

ここからは、実際にオールデンの9751を手に入れるための具体的な情報をお伝えします。価格の高騰が続く中、どのように入手するのがベストなのか、そして手に入れた後の楽しみ方についても触れていきます。
現在の定価と正規店での入手難易度について
昨今の原材料費や輸送費の高騰、そして為替の影響により、日本国内での定価は非常に上がっています。2026年現在の目安としては、税込で214,500円となっています. かつては10万円前後で購入できた時代もありましたが、もはや立派な高級品ですね。
また、ラコタハウスなどの国内正規代理店でも、9751のような定番モデルは常に品薄状態が続いています。ゴールデンサイズ(US7.5〜9.0あたり)は入荷してもすぐに売れてしまうため、数ヶ月から年単位の予約待ちになることも珍しくありません。見つけたら即決するくらいの覚悟が必要かもしれませんね。
中古市場の相場や通販を利用する際の注意点

新品が手に入りにくい、あるいは予算的に厳しい場合、メルカリやヤフオクなどの中古市場も有力な選択肢になります。中古相場としては、状態の良いもので10万円〜15万円、使用感があるもので5万円前後といったところでしょうか。コードバンは耐久性が高いので、適切にケアされていれば中古でも十分に長く履くことができます。
中古購入・通販の注意点
中古の場合、前のオーナーの「足の形」に合わせてコルクが沈み込んでいることがあります。これが自分の足に合わないと、違和感や痛みを感じる原因になるため注意が必要です。
また、個人輸入や通販を利用する場合は、偽物のリスクや返品のしにくさを考慮し、信頼できるショップを選ぶようにしましょう。
ビジネスからデニムまで幅広いコーデ例
9751の素晴らしいところは、その汎用性の高さです。ブラックコードバンの光沢は、ネイビーやチャコールグレーのスーツスタイルにほどよい華やかさと重厚感をプラスしてくれます。特にツイードやフランネルといった、素材感のある秋冬のスーツとは相性抜群です。
一方で、私の個人的なおすすめはデニムとの組み合わせです。濃紺のリジッドデニムはもちろん、少し色落ちしたヴィンテージデニムに9751を合わせることで、大人の落ち着いたカジュアルスタイルが完成します。
軍パン(カーゴパンツ)に合わせて、無骨な雰囲気を楽しむのも面白いですよ。
関連記事:パーカーと革靴は合わない?ダサ見えを防ぐ大人な着こなしかた
975や他ブランドのモデルとの決定的な違い

オールデンの9751を検討していると、必ずと言っていいほど比較対象に挙がるのが、バーガンディカラーの「975」や、プレーントゥの「9901」ですよね。
私も最初はどれを選べばいいのか、頭を抱えるほど悩みました。一見すると色や飾りの違いだけに思えますが、実際に履き比べてみると、それぞれのモデルが持つ「キャラクター」が驚くほど違うことに気づかされます。ここでは、私が感じた9751ならではの立ち位置と、他のブランドには真似できない決定的な違いについて、少し深掘りしてお話ししますね。
まず、兄弟モデルである「975(No.8 ダークバーガンディ)」との違いですが、これはまさに「動」と「静」の違いかなと思います。
975はオールデンの象徴的なカラーであり、紫外線による退色やクリームでの補色によって、赤みが強まったりブラウンに寄ったりと、ドラマチックな経年変化を楽しめるのが魅力です。一方で、オールデンの9751はブラックであるがゆえに、変化の幅は決して大きくありません。
しかし、その分「黒の深度が増していく」というストイックな進化を遂げます。ビジネスシーンでの使い勝手はもちろん、モードな装いやモノトーンコーデに合わせた時の引き締め力は、9751にしか出せない魅力ですね。
プレーントゥ「9901」との美学の対立
次に、永遠のライバルとも言えるプレーントゥの名作「9901」との比較です。9901は装飾を一切削ぎ落としたミニマリズムの極致であり、コードバン特有の「大きなうねり(履き皺)」を最もダイナミックに味わえるモデルです。
対して、オールデンの9751はロングウイングチップという装飾があるおかげで、履き皺が目立ちすぎず、かつ小傷もブローギングがカモフラージュしてくれるという実用的な側面があります。
9901が「革の面」を楽しむ靴だとしたら、9751は「靴の造形美」を楽しむ靴と言えるかもしれません。冠婚葬祭などの略礼装までカバーしたいなら9901ですが、日常の相棒としてガシガシ履きこなしたいなら、装飾が守ってくれる9751の方が気楽に付き合えるかな、と個人的には感じています。
関連記事:オールデン990のコーデ攻略【デニムからスーツまで・色の合わせ方も】
一般的なドレスシューズは、踵(かかと)周りのウェルトを省略し、スッキリと見せる「270度ウェルト」が多いのですが、9751は踵の先までぐるりとウェルトが一周しています。
しかも、L字型に立ち上がったリバースウェルト仕様。これにより、上から見た時にコバが四方に大きく張り出し、あの「ガンボート」と称される重厚なシルエットが完成するわけです。この「スマートすぎない、どこか垢抜けない無骨さ」こそが、アメリカ靴の王道を行くオールデンにしか出せない味なんですよね。
| 比較項目 | オールデンの9751 | Alden 975 (No.8) | 英国系ウイングチップ |
|---|---|---|---|
| 色の変化 | 深い艶と透明感の向上 | 赤みやムラ感の強調 | カーフ特有の馴染み |
| シルエット | 重厚なガンボート | 重厚なガンボート | スマート・エレガント |
| ウェルト仕様 | 360度リバース | 360度リバース | 270度フラットが多い |
| 得意なスタイル | ビジネス・モノトーン | デニム・カントリー | クラシック・ジャケパン |
鏡面磨きで仕上げる至高のメンテナンス術
コードバンの楽しみの一つに、ワックスを使った「鏡面磨き(ハイシャイン)」があります。
つま先のウイングチップ部分を鏡のように光らせることで、靴全体の立体感がさらに強調されます。ブラックコードバンは、鏡面仕上げを施すと本当に吸い込まれるような美しい黒になりますよ。

履きおろしの儀式「皺入れ」
新品を履く前に、ボールペンや「かっさ棒」を使って、曲がる位置に意図的な履き皺を入れる愛好家も多いです。これによって、変な位置に細かい皺が入るのを防ぎ、綺麗な「畝」を作ることができます。ただし、失敗すると修正が効かないため、慎重に行う必要がありますね。
生涯の相棒となるオールデンの9751の選び方
ここまでオールデンの9751の魅力をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。決して安い買い物ではありませんが、その堅牢な作りと時代に流されないデザインは、まさに「一生モノ」と呼ぶにふさわしい価値があります。しっかりと手入れを続ければ、20年、30年とあなたの足元を支え続けてくれるはずです。
サイズ選びさえ間違えなければ、これほど頼もしい相棒は他にいません。もし購入を検討されているなら、ぜひ一度、実物のブラックコードバンの輝きを手に取って確かめてみてくださいね。最新の入荷状況や正確な価格については、公式サイトや正規販売店で確認することをお忘れなく。皆さんが最高のオールデンの9751に出会えることを願っています!
