こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
アメリカを代表する二大靴メーカー、アレンエドモンズとオールデンの比較について、どちらを買うべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
実は私自身、この2足の間で何度も頭を抱えた経験があります。Made in USAの誇りを持ち、グッドイヤーウェルト製法という伝統を守り続ける点では似ていますが、中身を開けてみると全くの別物と言っても過言ではありません。
今回の記事では、アレンエドモンズとオールデンの比較を通して、それぞれのブランドが持つ歴史的背景や製造技術、そして実際に履いてみたからこそわかる細かな違いを詳しくお話ししていきます。
この記事を最後まで読めば、あなたが今どちらの靴を手に入れるべきか、その答えがスッキリと見えてくるはずですよ。それでは、奥深いアメリカンシューズの世界を一緒に覗いていきましょう!
アレンエドモンズとオールデンの比較で知る歴史と哲学

まずは、両ブランドがどのような道を歩んできたのか、そのルーツを探ることで、なぜ今の靴作りに行き着いたのかを紐解いていきたいと思います。ブランドの哲学を知ると、一足の靴がより愛おしく感じられますよ。
大統領の靴アレンエドモンズの評価とブランドの起源

アレンエドモンズは1922年、ウィスコンシン州のポートワシントンでエルバート・W・アレンによって設立されました。創業当時から彼が掲げていたのは「世界で最も快適な靴」を作ること。
当時の靴は重くて硬いのが当たり前でしたが、アレンは鉄製のシャンク(土踏まずの芯材)や釘を使わない、柔軟性に富んだ新しい製法を考案したんです。この革新的なアプローチが、第二次世界大戦中に米軍へ靴を供給したことで一気に普及し、戦後のビジネスマンたちのスタンダードとなりました。
特に有名なのが「大統領の靴」としてのエピソードですね。歴代の米国大統領、ロナルド・レーガンやジョージ・H・W・ブッシュ、ビル・クリントン、そしてジョージ・W・ブッシュまでもが、大統領就任式という人生最大の舞台でアレンエドモンズの「パークアベニュー」を着用しました。
これは単なる愛用というレベルを超えて、アメリカという国の成功と正統性を象徴するアイコンになっているということなんです。アレンエドモンズの靴が放つ、飾り気はないけれど誠実で実直な雰囲気は、こうした歴史的背景から醸し出されているのかもしれませんね。
実用主義が生んだ360度ウェルト
アレンエドモンズの多くのモデルで見られる特徴に「360度ウェルト」があります。これは靴の周囲一周すべてにウェルト(細革)を巻く手法で、踵部分までソールが張り出すため、接地面積が広くなり歩行が安定します。
見た目は少し武骨になりますが、これこそが「アメリカの実用靴」としての誇り。スマートさだけを追わず、あくまで「道具としての完成度」を追求する姿勢が、多くのエグゼクティブに支持される理由かなと思います。
ちなみに、バラク・オバマ大統領が就任式で他国製の靴を履いた際、アレンエドモンズ側は批判することなく「またいつか私たちの靴を履いてくれることを願っています」と紳士的な対応を見せたそうです。ブランドとしての余裕と品格を感じるエピソードですよね。
矯正靴から続くオールデンの履き心地と職人気質

アレンエドモンズが「大統領」という表舞台の象徴なら、1884年にマサチューセッツ州で創業したオールデンは、より「医学的・職人的」な深みを持つブランドと言えます。
ニューイングランド地方に数多くあったメーカーが次々と姿を消す中、オールデンが唯一生き残れた理由は、戦後の大量生産ブームに背を向け、整形外科的な「矯正靴(オーソペディックシューズ)」の分野に特化したからなんです。
足に悩みを持つ人のために開発された木型は、解剖学的な見地から設計されており、土踏まずをグッと持ち上げる独特の形状をしています。この医療用シューズとしてのルーツが、現代のファッショニスタたちを熱狂させている「モディファイドラスト」へと繋がっています。
オールデンは大規模な広告を打たず、生産数も限定的ですが、その「手に入りにくさ」と「圧倒的な履き心地」がカルト的な人気を支えているんですね。
コードバンの王様としてのこだわり
オールデンを語る上で、シカゴの名門タンナー「ホーウィン社」のシェルコードバンは欠かせません。世界的にコードバンが不足する中でも、オールデンは最優先で良質な革を確保できる特別な関係を築いています。
彼らがコードバンに対して抱く情熱は凄まじく、多少の傷や色ムラがあっても「それこそが天然皮革の証」と言わんばかりの堂々とした製品作りをしています。この、完璧すぎない「未完成の美」のような職人気質が、私たち靴好きの心を掴んで離さないのかもしれません。
シャンクレス構造とスチールシャンクが与える歩行差

さて、ここからは少しマニアックですが、履き心地を決定づける内部構造の違いについてお話しします。一番のポイントは、靴の土踏まず部分に入っている「シャンク」という芯材の扱いです。
| 構造項目 | アレンエドモンズ | オールデン |
|---|---|---|
| シャンク素材 | なし(または非金属) | 強化スチール |
| 足馴染み | 履き始めから非常に良い | 沈み込み後に最高になる |
| サポート力 | 適度な柔軟性 | 強力なアーチサポート |
| 重量感 | 比較的軽い | ずっしりとした重厚感 |
アレンエドモンズは創業時からのアイデンティティとして「シャンクレス(もしくは非金属シャンク)」を貫いています。鉄の棒を入れない代わりに、厚みのあるコルクや高密度の素材を使用することで、靴全体が足の動きに合わせてグニャリと曲がる「返りの良さ」を実現しているんです。
新品の状態でも硬さを感じにくく、最初からスニーカーのように楽に履けるのがアレンの魅力ですね。特に空港の金属探知機に引っかからないという実用的なメリットは、忙しい現代のビジネスマンにとって意外と大きなポイントかも。 )
一方、オールデンは「強化スチールシャンク」を全ての靴に採用しています。これは矯正靴としてのプライド。歩くたびに体重で土踏まずのアーチが落ち込むのを、この鉄の棒がガッチリと支えてくれるんです。
履き始めは少し重く、返りも硬く感じるかもしれませんが、一度中底のコルクが沈み込んで自分の足型に馴染むと、スチールシャンクの強力なサポート力が発揮されます。長時間の立ち仕事や、一日に何キロも歩くような日には、この「支えられている感覚」があるオールデンの方が圧倒的に疲れにくいと感じることが多いです。
ホーウィン社製コードバンの仕上げとエイジングの違い
革靴好きにとって最大の関心事と言えば、やはりコードバンのエイジングですよね。どちらもホーウィン社のコードバンを使っていますが、その「化粧の仕方」が全く違うんです。
オールデンのコードバンは、アクリル樹脂などを含む強力な仕上げ剤で厚塗りコーティングされています。新品の時はまるで鏡のようにテカテカとした、少し人工的とも思えるほどの光沢があります。

これが履き込むうちにコーティングが剥がれ、摩擦によって中から本来の艶が出てくる。さらに日光(紫外線)によって、ダークバーガンディの色味が茶色っぽく抜けていく……この「劇的な変化」こそがオールデン愛好家が追い求めるロマンなんです。まさに「靴を育てる」という感覚を一番味わえるのがオールデンかなと思います。
対するアレンエドモンズのコードバンは、もっと素材そのものに忠実な「ナチュラル仕上げ」です。オールデンほどのギラつきはありませんが、しっとりとした上品な光沢が特徴。

革本来の毛穴や質感がうっすらと感じられ、手触りもより「皮」に近い。オールデンが「変化を楽しむ靴」なら、アレンは「素材の良さを長く味わう靴」と言えるかもしれません。
同じColor 8(ダークバーガンディ)でも、アレンの方が赤みが強く、より透明感のある発色をすることが多いですね。どちらが良いかは好み次第ですが、派手なエイジングを期待するならオールデン、上品さを保ちたいならアレンを選ぶのが正解かなと思います。
パークアベニューとVチップのデザインとサイズ感
アレンエドモンズの代表作「パークアベニュー」と、オールデンのアイコン「Vチップ」を比較すると、ブランドが狙っているターゲット層が明確になります。
パークアベニューは、無駄を削ぎ落とした極めてフォーマルなストレートチップです。6つのアイレット(紐穴)が小さく並び、キャップ(つま先の切り替え)も控えめなサイズ。
この計算されたデザインが、足をスマートに、そして知的に見せてくれます。スーツスタイルにおいてこれほど安心感のある靴は他にありません。冠婚葬祭から重要な会議まで、どこへ履いていっても100点満点の評価が得られる「正解」の靴ですね。
一方で、オールデンのVチップ(特に54321など)は、圧倒的な「キャラの強さ」があります。

つま先のV字型のステッチは職人による手縫い(ハンドソーン)で、一足一足表情が微妙に異なります。この武骨なモカ縫いと、モディファイドラストのくびれたシルエットが合わさることで、唯一無二の存在感を放つんです。
ジャケパンスタイルはもちろん、色落ちしたデニムに合わせてもサマになる汎用性の高さは、パークアベニューにはない魅力です。
サイズ選びの注意点
サイズ感については、かなり注意が必要です。アレンエドモンズのパークアベニューに使われる「65ラスト」は、非常に細長くて甲が低いです。日本人に多い「幅広・甲高」の足だと、いつものサイズでは羽根が開きすぎて、見栄えが悪くなってしまうことが多々あります。
一方、オールデンのVチップは、土踏まずでホールドして指先を自由にさせる設計。全く異なるフィッティング理論で作られているので、「アレンでUS8だからオールデンもUS8」という選び方は絶対に失敗の元。必ず、モデルごとの特性を理解した上で選んでくださいね。
失敗しない木型の選び方と自分に合うウィズの判定

アメリカ靴の醍醐味であり、同時に最大の悩みどころが「ウィズ(足囲)」の展開です。日本のブランドだとEウィズが標準ですが、アメリカ靴はDウィズが基準。ここがサイズ選びを複雑にしている原因です。
アレンエドモンズの素晴らしい点は、一つのモデルに対してAAA(極細)からEEE(極広)まで、驚くほど多彩なウィズを用意していること。
自分の足が幅広だとわかっているなら、無理にDウィズを履くのではなく、EやEE、EEEといった広いウィズを選ぶべきです。アレンの「パークアベニュー」が合わないという人の多くは、単にウィズが合っていないだけ。適切なウィズを選べば、驚くほど快適なフィッティングが得られます。
オールデンの場合は、木型(ラスト)そのものに特徴があります。
このように、オールデンは「ウィズで調整する」というより「ラストの特性に合わせてサイズを選ぶ」という感覚に近いです。自分の足の形(ギリシャ型、エジプト型など)や、どこに重心がかかりやすいかを知ることが、失敗しないための一番の近道だと思いますよ。
初めての購入で、通販などの「試着なし」はかなり危険です。特にアレンエドモンズの65ラストは、長さ(インチ)だけ合わせても、幅が合わないと悲惨なことになります。最初は多少面倒でも、店舗でしっかり足を計測してもらうことを強くおすすめします。それが一生モノの靴と出会うための最短ルートですから。
アレンエドモンズとオールデンの比較で選ぶ最適な一足

ブランドの背景や構造、そしてサイズ選びの難しさがわかってきたところで、次はより現実的なお話、つまり「お金」と「メンテナンス」について深掘りしていきましょう。いくら素敵な靴でも、予算や維持のしやすさは無視できませんよね。
日本での販売価格と米国の定価で個人輸入する利点

正直なところ、日本国内における両ブランドの価格差はかなりエグいことになっています。アレンエドモンズの「パークアベニュー」は、日本の正規代理店やセレクトショップだと13万円台。
一方、オールデンのコードバンモデルは、今や17万円から、モノによっては20万円を超えてきます。この2倍近い価格差をどう捉えるかが、大きな分かれ目になります。
そこで選択肢に入るのが「個人輸入」です。アレンエドモンズの米国定価は約450ドル。セール時期(特に4月の記念セールや11月のブラックフライデー)を狙えば、なんと300ドル前後で手に入ることもあるんです。送料や関税を合わせても、国内で買うより数万円安く済む可能性があります。
一方でオールデンの個人輸入は少し難易度が高い。米国でも人気が高く、コードバンモデルは常に品薄。さらに一部のショップでは日本への配送を制限している場合もあります。
もし運よく在庫を見つけられれば、1000ドル以下(約15万円前後)で購入できるかもしれませんが、国内定価との差はアレンほど劇的ではありません。価格の納得感で言えば、アレンエドモンズに軍配が上がるかなと思います。
賢く買うためのヒント
「自分に合うウィズとサイズが確定している」なら、アレンエドモンズの個人輸入は最高にコスパが良いです。
逆に、サイズが不安なら、まずは国内の「トレーディングポスト」などの店舗でアレンを、あるいは「ラコタハウス」でオールデンを試着させてもらい、納得した上で購入するのが一番の「節約」になります。サイズミスで買い直すのが、一番高い買い物になってしまいますからね。
関連記事:パラブーツ・並行輸入の違いは?メリット・デメリットまとめ!
高騰するコードバンの資産価値と中古市場のリセール
「高い買い物だからこそ、失敗したくない」……そんな心理を後押ししてくれるのが、オールデンの圧倒的なリセールバリューです。革靴の世界において、オールデン、特にコードバンモデルの価値は、もはや「履ける資産」と言っても過言ではありません。
メルカリやヤフオクなどの二次流通市場を見てみてください。状態の良いオールデンのコードバン靴なら、10万円前後で取引されるのが当たり前。

もし希少な「レアカラー(ウイスキーやラベロなど)」であれば、定価を上回るプレミア価格がつくことすらあります。「とりあえず買って、もし自分に合わなかったら売ればいい」という、ある種の逃げ道が作れるのはオールデンの強みですね。
対するアレンエドモンズのリセールバリューは、残念ながらそれほど高くありません。中古だと数千円から、高くても2万円程度まで落ちてしまうことが多いです。しかし、これは買い手にとっては「宝の山」であることを意味します。
アレンの靴は作りが非常に堅実なので、中古でも手入れさえすれば余裕で10年以上履き続けられます。「ブランドバリューよりも実質的な質を取りたい」という賢実な方には、中古市場のアレンエドモンズを狙うのは非常に賢い選択だと思います。
本国のリクラフティングと日本での純正ソール修理

どんなに良い靴でも、ソール(靴底)は必ず減ります。アレンエドモンズとオールデン、それぞれ修理の環境も大きく異なります。
アレンエドモンズには「リクラフティング」という本国直営の素晴らしい修理メニューがあります。これは単なるソール交換だけでなく、アッパーの再仕上げや、中底のコルクの詰め直しまで行ってくれるパッケージプラン。
まさに「新品同様にリフレッシュする」サービスです。ただし、日本から送る場合は往復の送料や関税がかかり、期間も数ヶ月を要するため、少しハードルが高いのが正直なところ。国内の熟練した修理職人さんに依頼するのが現実的ですが、アレンは構造がシンプルなので、どんな修理店でも扱いやすいというメリットがあります。
オールデンの場合、日本総代理店のラコタハウスを通じて、本国と同じ「純正パーツ」を使った修理が受けられます。ロゴ入りのソールやヒールを使って、あの独特の履き心地を維持したまま直せるのは、ファンにとって大きな安心感ですよね。
ただし、純正修理は非常に人気が高いため、時期によっては数ヶ月待ちになることも。代わりの靴を用意しておくなど、計画的なメンテナンスが必要です。
ちなみに、私はあえて「ユニオンワークス」などの国内有名修理店に出すこともあります。純正にこだわらないのであれば、ビブラムソールに変更して雨の日用にカスタムするなど、自分なりのアレンジができるのもグッドイヤーウェルト製法の靴を履く楽しみの一つですよね。
モディファイドラストがもたらす最高のフィット感

「アレンエドモンズとオールデンの比較」を締めくくる上で、絶対に外せないのがオールデンの「モディファイドラスト」です。この木型について語らずして、アメリカ靴を語ることはできません。
土踏まずの部分がグイッとえぐれるように細くなっており、履いた瞬間に足を下から突き上げられるような感覚。指先はわざと余らせて自由に動かせるようにし、踵と土踏まずの2点だけで足を固定する。
この独特のフィッティングは、一度ハマると本当に抜け出せません。特に、夕方になると足がむくんで辛くなる方や、扁平足気味の方にとって、モディファイドラストのアーチサポートは「救済」とも言える心地よさを提供してくれます。
アレンエドモンズにも「201ラスト」など、甲高幅広の現代人に合わせた優れた木型はありますが、モディファイドラストのような「矯正・サポート」という攻めの姿勢とは少し異なります。
アレンはあくまで、足全体を優しく、そしてカッチリと包み込む王道のフィッティング。どちらが「正しい」ではなく、どちらが「自分の足に感動をくれるか」という視点で、ぜひ一度履き比べてみてほしいですね。
アレンエドモンズとオールデンの比較から導く結論
長い道のりでしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございます!アレンエドモンズとオールデンの比較、いかがでしたでしょうか。最後に、私が考える「どちらを選ぶべきか」の指標をまとめておきます。
アレンエドモンズを選ぶべき人
オールデンを選ぶべき人
アレンエドモンズは「アメリカの実用主義(プラグマティズム)」が詰まった究極の道具であり、オールデンは「アメリカの職人気質(クラフトマンシップ)」が凝縮された極上の嗜好品です。どちらも素晴らしい靴であることに変わりはありません。まずは、あなたがその靴を履いて「どこへ行き、誰と会うか」を想像してみてください。その時、足元で輝いているのはどちらの靴でしょうか?
私の個人的なオススメは、ビジネス用にアレンエドモンズのパークアベニュー(黒カーフ)を、そして休日やここ一番の勝負靴としてオールデンのVチップ(バーガンディコードバン)を揃えること。この2足があれば、男性の足元の悩みはほぼ全て解消されると言っても過言ではありません。少しずつ、自分だけの相棒を増やしていく楽しみを味わってみてくださいね!
| スペック比較 | アレンエドモンズ | オールデン |
|---|---|---|
| シャンク | なし(返りが良い) | スチール(支えが強い) |
| 主要ラスト | 65ラスト(細身・端正) | バリー/モディファイド(独創的) |
| ウェルト | 360度(安定感) | 270度/360度(モデルによる) |
| リセール | 控えめ | 非常に高い |
| 推奨シーン | 100%ビジネス・フォーマル | ビジネス〜上質なカジュアル |
