こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
憧れのオールデンを手に入れようと思ったとき、誰もが一度は不安に感じるのがコピー品の存在ですよね。特に最近はメルカリやヤフオクなどのフリマアプリを利用して、中古のコードバンモデルを探す方も多いはず。しかし、人気が高いがゆえに巧妙な偽物や、状態を隠した出品が紛れ込んでいるのも事実です。
今回は、私が自分自身の経験や調べた知識をもとに、オールデンの偽物の見分け方について、チェックすべき具体的なポイントをまとめてみました。
本物と偽物の決定的な違いから、見落としがちなライニングの秘密まで、初心者の方でも失敗しないための見極め術をシェアします。この記事を読めば、自信を持って自分だけの一足を選べるようになるかなと思います。
プロが伝授するオールデンの偽物の見分け方

オールデンの真贋を見極める際、まずは素材そのものが持つ特徴をじっくり観察することが大切です。特にオールデンの代名詞とも言えるコードバンは、他の革にはない独特の性質を持っているので、ここを理解するだけでも偽物を見抜く大きな武器になりますよ。
ホーウィン社製コードバンの皺と毛穴の法則

オールデンの最大の特徴であり、ファンを虜にするのがホーウィン社製の「シェルコードバン」ですよね。
この素材は馬の臀部にある厚さわずか数ミリの繊維層を削り出したもので、一般的な牛革とは構造が根本的に異なります。偽物を見分ける上で、まず注目すべきは「履き皺(ローリングクリース)」の出方です。
コードバン特有のうねるような皺
本物のコードバンは、繊維が縦に整然と並んでいるため、折れ曲がっても繊維が壊れず、大きく波打つような「うねり」のある皺が入ります。一方で、牛革(カーフ)や安価な馬革を使用した偽物、あるいはガラスレザーで作られた模造品は、屈曲部に細かい網目状の「ちりめん皺」が入ったり、ひび割れ(クラッキング)が生じたりします。
もし「コードバンモデル」として販売されている中古品で、ヴァンプの部分に細かく鋭い皺が無数に入っていたら、それは素材が偽装されている可能性が非常に高いです。
表面の毛穴と光沢の質
次に確認したいのが「毛穴」の有無です。コードバンは皮の裏側を削り出して仕上げるため、表面に毛穴が存在しません。拡大鏡(ルーペ)などで表面をじっくり観察したとき、規則的な毛穴の跡が見えるようであれば、それは間違いなく別の動物の革です。
また、本物のコードバンは革の内部に浸透した油分による、濡れたような深みのある光沢を放ちます。偽物は表面を樹脂コーティングしただけのプラスチックのような均一な反射になりがちで、使い込んでも奥深い艶が出てこないのが特徴ですね。
新品や長期保管品の場合、表面に白い粉状の「ブルーム」が浮き出ることがあります。これは革内部のワックス成分が表面化したもので、本物の高品質なコードバンの証拠でもあります。ブラッシングで消えるものなら、むしろ安心材料と言えますよ。
品番と製造番号からライニングコードを解読
靴の内側、ライニングに印字されている英数字の羅列は、その靴がいつ、どこ向けに、どのバッチで作られたかを示す「履歴書」のようなものです。
オールデンのコード体系は非常に独特で複雑なため、偽物業者がこれを完璧に矛盾なく再現するのは至難の業なんです。ここを読み解くことができれば、鑑定の精度は格段に上がります。
製造年月(デイトコード)の読み方
ライニングに並ぶ数字の中で、左端の2文字に注目してください。1文字目の数字は西暦の末尾1桁、2文字目のアルファベットは製造月を表しています。例えば「9J」であれば、西暦の末尾が9の年(2019年や2009年など)の9月に製造されたことを示します。

ここでポイントなのが、月のアルファベットで「I(アイ)」は数字の1と混同しやすいためスキップされるという法則です。A=1月、H=8月、J=9月、M=12月となります。この法則を知らない偽物業者は、あり得ないコードを印字してしまうことがあるんですね。
地域コードと品番の整合性
2013年頃以降のモデルでは、品番の先頭にアルファベットが付き、販売地域を示しています。 「D」はアメリカ国内向け、「N」は日本向け(ラコタハウスなど)、「M」はヨーロッパ向けといった具合です。
もし、日本の正規代理店で購入したと言い張っているのに、コードが「M」で始まっていたら、それは並行輸入品であるか、嘘をついている可能性があります。
こうしたデータの整合性をチェックすることで、出品者の信頼性も同時に測ることができます。
左右の靴で、上段の製造番号(特に末尾のペア番号)が完全に一致しているかも確認しましょう。もし左右で番号が異なる場合は、製造工程や店舗で入れ替わってしまった「ミスマッチペア」かもしれません。偽物ではありませんが、価値は大きく下がってしまいます。
分数で表記されたサイズとワイズの真贋

オールデン愛好家ならお馴染みの「分数表記」ですが、これには靴のフィッティングを追求するオールデンならではの深い理由があります。そして、この表記こそが偽物を見抜くための決定的な「ゲートキーパー」となるのです。
ヒールとボールジョイントの2段階ルール
オールデンのワイズ表記は「B/D」のように、上がヒール(踵)の幅、下がボールジョイント(親指と小指の付け根)の幅を表しています。ここで最も重要な鉄則は、「分子は分母より必ず2段階細い」という点です。
例えば「D」ワイズの靴であれば、ヒールは2段階細い「B」となり、表記は必ず「B/D」となります。同様に「C/E」や「A/C」といった組み合わせは存在しますが、「C/D」や単なる「D」という表記は、通常のオールデンの仕様ではまずあり得ません。
| 分子(ヒール幅) | 分母(ボール幅) | 判定 |
|---|---|---|
| B | D | 真正品(2段階差) |
| C | E | 真正品(2段階差) |
| A | C | 真正品(2段階差) |
| C | D | 偽造品の疑い(1段階差) |
| (なし) | D | 偽造品の疑い(単一表記) |
偽物の中には、ただ有名だからという理由で「10 D」とだけ印字しているものも多いです。本物のオールデンを一度でも手に取ったことがあれば違和感に気づけるポイントですが、初心者の方は見落としがちなので、画像を確認する際はライニングの分数表記を真っ先にチェックするようにしましょう。
この細かいこだわりを再現するには専用の印字版が必要になるため、コストを抑えたいコピー業者にとっては大きな障壁になるわけです。
360度ウェルトとステッチの構造を解析

オールデンを象徴する無骨で堅牢な作りは、グッドイヤーウェルト製法という非常に手間のかかる製造方法によって支えられています。偽物は外見を似せることはできても、この内部構造まで完璧にコピーするのは技術的にもコスト的にも極めて困難です。
360度ウェルトのボリューム感
オールデンの定番であるバリーラストの「990」や、トゥルーバランスラストのインディブーツなどは、ウェルトが踵までぐるりと一周している「360度ウェルト」を採用しています。
これにより、踵周りに独特のボリューム感が生まれ、コバが大きく張り出すのが特徴です。安価な偽物は、コスト削減のために270度ウェルト(踵部分はウェルトがない仕様)にしていたり、そもそもウェルトを模したプラスチックパーツを貼り付けているだけの「セメント製法」だったりすることがあります。
ソールの付け根を指で押してみて、隙間から接着剤が見えるようであれば論外です。
出し縫いのステッチ精度
ウェルトとアウトソールを縫い合わせる「出し縫い」のステッチも重要なポイントです。本物のステッチは太い糸で力強く、かつ均一なピッチで縫われています。偽物は糸が細すぎたり、縫い目がガタガタだったりすることが多いですね。
また、ソールの裏側(接地面)に見えるステッチが、ウェルト上面のステッチと位置やピッチがしっかり連動しているかを確認してください。見た目だけ縫い目があるように見せかけた「フェイクステッチ」は、裏側と表側の糸の繋がりが不自然なことが多いです。
インディブーツに採用される「リバースウェルト(スプリットウェルト)」は、L字型に立ち上がった特殊な形状をしています。本物は革を割って立体的に作られていますが、偽物は成型されたゴムパーツを貼っているだけの場合があり、質感が全く異なります。
メルカリや中古市場での偽造品トラブル対策

最近の偽物は「スーパーコピー」と呼ばれるほど外見が精巧になっているものもあり、画像だけで判断するのが難しくなっています。特にフリマアプリでの購入はリスクが伴うため、取引自体の安全性を確保する「デジタルな見極め」も欠かせません。
写真の信憑性とアングルの要求
出品者が公式サイトの画像や、他人のブログから拾ってきた写真のみを使用している場合は、手元に商品がない「無在庫転売」や、偽物を送るための「画像詐欺」の典型的なパターンです。
必ず、背景に生活感があったり、特定の角度(ライニングの印字、ソール裏、踵の減り具合など)を写した「実物の写真」があるか確認してください。
もし不安なら、「右足のライニングの数字をアップで見せてください」とコメントで追加の写真を依頼してみましょう。誠実な出品者なら快く応じてくれるはずです。拒否される場合は、何かを隠していると考えた方が良いかもしれません。
価格の論理と出品者プロフィールの確認
オールデン、特にコードバンモデルは世界的に供給が不足しており、中古市場でも価格が落ちにくいブランドです。定価が18万円を超えるような現行品が、新品同様で3万円や5万円で売られていることは、現実的にまずあり得ません。
また、レアカラー(ウイスキー、ラベロ、シガーなど)は定価以上のプレミアム価格で取引されるのが常識です。これらが「即決価格」で安く出ている場合は、100%詐欺だと思って間違いありません。
出品者の過去の取引履歴も重要です。オールデン以外に、NikeのレアスニーカーやハイブランドのロゴTシャツなどを大量に出品しているアカウントは、個人ではなく偽造品販売グループである可能性が高いです。靴を愛するコレクターの出品かどうか、文面から滲み出る「熱量」で見極めましょう。
失敗しないオールデンの偽物の見分け方の極意

さて、ここからは「偽物ではないけれど、通常の新品良品ではない」という、中古市場で非常に多いケースについて深掘りしていきます。これを知っておかないと、本物を買ったつもりでも「思っていたものと違う」というトラブルになりかねません。
本物と間違えやすいリジェクト品のRスタンプ
オールデンの流通において、初心者が最も混乱するのが「ファクトリーセカンド(リジェクト品)」の存在です。

これは、オールデン社独自の厳しい品質基準を惜しくもクリアできなかった個体のことで、革に小さな傷があったり、ステッチがわずかに乱れていたりするものです。偽物ではなく、オールデンの工場で作られた「本物」ですが、正規店では販売されません。
「R」マークの位置と意味
これらのリジェクト品には、右足または両足のアウトソール(土踏まず付近)に、焼き印で「R」というアルファベットの刻印が入っています。これは "Reject" の頭文字ですね。
アメリカの特定のショップ(The Shoe Martなど)で割引価格で販売されるため、これを個人輸入して日本で転売する人が多くいます。問題は、この「R」スタンプの存在を隠して、正規の良品と同じような価格で販売するケースです。
| 項目 | 正規良品(ファースト) | リジェクト品(セカンド) |
|---|---|---|
| 品質 | 最高基準をクリア | わずかな傷や歪みあり(実用上は問題なし) |
| 刻印 | なし | ソールに「R」スタンプあり |
| 箱の種類 | ロゴ入り緑箱 | 無地の白箱 |
| 価格 | 定価(高価) | 定価の20~40%引き程度 |
画像でソール裏が妙に隠されていたり、解像度が低くてスタンプの有無が判断できない場合は、必ず出品者に確認しましょう。リジェクト品と知って納得して買う分には素晴らしい選択肢ですが、知らずにファーストクオリティの価格を払ってしまうのは避けたいところですね。
インソールのロゴやフォントの微細な差異
インソール(中敷き)に施された金箔押しのロゴデザインは、一見どれも同じに見えますが、年代やモデルによって微細な変化があります。そして、ここにはオールデンの「矜持」が詰まっており、偽物を見分ける大きなヒントが隠されています。
フォントの精度とカーニング
本物のロゴは、非常に精巧な金属版で刻印されているため、文字の端々(セリフ)までシャープです。特に「NEW ENGLAND」や「MADE IN U.S.A.」といった小さな文字が、潰れずにハッキリと読めるかを確認してください。
偽物はゴム印や精度の低い版を使っていることが多く、文字が太すぎたり、逆に掠れていたり、文字の間隔(カーニング)が不自然に空いていたりします。また、ロゴの配置が左右で微妙にズレているのもコピー品に多い特徴です。
経年変化と本物の証
ただし、ここで一つ注意点があります。オールデンのインソールロゴは、履き込むことで摩擦により比較的早く消えてしまうことがあります。
中古品でロゴが消えかかっている、あるいは完全に消失しているからといって、それだけで偽物と決めつけることはできません。むしろ、長年履き込まれた本物の証とも言えます。ロゴが残っている場合はその「精度」を、消えている場合は「革の飴色への変化」や「沈み込みの深さ」など、他の要素と組み合わせて総合的に判断するのがプロの視点ですね。
独自ラストが描く曲線美とシルエットの再現
オールデンの最大の模倣困難ポイント、それは「ラスト(木型)」が生み出す官能的な曲線美です。
オールデンの靴は、矯正靴メーカーとしてのルーツがあるため、人体工学に基づいた非常に複雑な立体形状をしています。これを再現するには、高度な成形技術と専用の設備が必要不可欠です。
モディファイドラストの「くびれ」
特に「Vチップ(54321)」などに使われるモディファイドラストは、土踏まずの部分が極端に絞り込まれ、逆に踵(ヒールカップ)は深く包み込むような形状をしています。

この極端な「くびれ」は、偽物業者が最も苦手とする領域です。偽物は、履き心地よりも見た目の作りやすさを優先するため、全体的にボテッとした、メリハリのない「寸胴」な形になりがちです。真上から見た時、親指の付け根がグイッと内側に振っている(インサイドストレート)かどうかも、重要なチェック項目になります。
バリーラストの絶妙なボリューム感
定番のバリーラストも同様です。一見すると無骨で幅広に見えますが、踵周りは意外とコンパクトに設計されており、そのバランスが絶妙なシルエットを生んでいます。
コピー品は単に「デカくて太い靴」になってしまうことが多く、本物が持つ、どこか品のあるオーラを再現できていません。写真を比較する際は、本物の画像と並べて、全体のプロポーションに違和感がないかじっくり見極めてください。
オールデンの公式発表や詳細なスペックについては、製造工程のこだわりが詰まった情報が参考になります。例えば、グッドイヤーウェルト製法の歴史やその利点については、学術的な視点からもその堅牢性が評価されています(出典:公正取引委員会『製造物責任等に関する調査報告』)。
※直接的な靴の製法データではありませんが、製造責任や品質表示の重要性を理解する一助となります。
付属品の袋や外箱の仕様から真贋を判定
「神は細部に宿る」と言いますが、オールデンの真贋判定においては「付属品」も立派な証拠となります。本体が精巧なスーパーコピーであっても、箱や袋といったコストをかけたくない部分に、偽物のボロが出ることが多いのです。
保存袋(ダストバッグ)の素材感
オールデンの純正保存袋は、厚手のコットンフランネル素材で作られており、独特の起毛感としっとりとした手触りがあります。色は深緑色(フォレストグリーン)や茶色が主流です。
偽物の付属品は、ポリエステル混のガサガサした化学繊維のような質感だったり、ロゴが布の表面にテカテカしたインクで雑にプリントされていたりします。本物のロゴは、生地にしっかりと馴染んでおり、簡単には剥がれません。
外箱のラベルと印字
外箱(グリーンボックス)にも注目です。側面に貼られたラベルには、品番、サイズ、ワイズ、ラスト名、そしてバーコードが印字されています。このラベルのフォントが不自然に太かったり、ドットの粗い安っぽいプリンターで出したようなものだったりしたら要注意です。
また、アメリカ製であることを誇るオールデンにおいて、箱に「Made in China」などの表記があれば、それは考えるまでもなく偽物ですね。箱が付属している場合は、その箱が「そのモデルに正しいものか」までチェックするのが、失敗しないための極意です。
総括して覚えるオールデンの偽物の見分け方
これまで、革の質感から内部のコード、さらには付属品に至るまで、かなりマニアックにオールデンの偽物の見分け方を解説してきました。いかがでしたでしょうか。情報量が多くて少し大変だったかもしれませんが、これらを一つずつ確認していけば、偽物を掴んでしまうリスクは限りなくゼロに近づけることができるかなと思います。
オールデンは、正しく選んで手入れをすれば、20年、30年と連れ添うことができる一生モノのパートナーになります。
だからこそ、最初の一歩である「本物選び」には、徹底的にこだわってほしいなと私は思っています。私のこの知識が、皆さんの素晴らしい革靴ライフの助けになれば嬉しいです!
