こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
革靴好きなら一度は憧れる王道ブランド、ジョンロブ。実はこのブランドを語る上で、エルメスとの深い繋がりは避けて通れない話題ですよね。ネットで検索してみても、ジョンロブとエルメスの違いや、1970年代に行われたジョンロブとエルメスの買収の経緯、さらには結局どちらのブランドを選ぶべきなのかといった疑問を抱えている方が多いようです。
私自身も最初は、なぜイギリスの老舗がフランスのラグジュアリーブランドの傘下にあるのか不思議に思っていました。この記事では、ジョンロブとエルメスの関係性や、エルメスグループだからこそ実現できる圧倒的な素材の魅力について、私の視点から分かりやすくお伝えしていきます。
この記事を読めば、あなたの足元選びに新しい発見があるかもしれませんよ。
ジョンロブとエルメスの歩みと現在の深い関係性

まずは、ジョンロブがどのようにして現在の形になったのか、その歴史的な背景を紐解いていきましょう。
エルメスという巨大なラグジュアリー資本との出会いが、英国の伝統的な靴作りをどう進化させたのかを知ることで、一足の靴に込められた価値がより立体的に見えてくるかなと思います。
ロンドンとパリにおける違いを徹底解説
ジョンロブを語る際に、最も多くの人が「あれ?」と首を傾げるのが、いわゆる「ロンドン」と「パリ」という二つの顔を持っている点ですよね。私自身も、初めてその事実を知った時はかなり驚きました。結論から言うと、この二つは現在、名前こそ同じ「ジョンロブ」を冠していますが、経営母体も、作っている靴の性質も、実は全くの別物なんです。
まず、イギリスの「ジョンロブ・リミテッド(ロンドン)」は、創業者ジョン・ロブ氏の直系の子孫が現在も経営しているファミリー企業です。ロンドンのセント・ジェームズ通りにひっそりと店を構え、提供しているのは100%ビスポーク(注文靴)のみ。既製靴は一切扱っていません。
まさに「靴の聖地」における伝統の守護神のような存在ですね。
ここでの靴作りは、顧客一人ひとりの足から木型を起こし、数ヶ月から年単位の時間をかけて一足を作り上げる、極めて贅沢でパーソナルなものです。
一方で、私たちが百貨店の紳士靴売り場や華やかな路面店で見かけるのは、エルメス傘下の「ジョンロブ・パリ」です。1976年にエルメスがジョンロブのパリ支店を買収したことで誕生しました。
私たちが普段「ジョンロブの既製靴(レディ・トゥ・ウェア)」と呼んでいるものは、例外なくこのパリのジョンロブの製品なんですね。エルメスのグローバルなネットワークと美意識によって、ビスポークのクオリティを既製靴に落とし込んだのが最大の特徴です。
私が思うに、ロンドンは「究極の職人技との対話」を楽しむ場所であり、パリは「最高峰の素材と洗練されたデザインを、今すぐ日常に取り入れる」場所という、それぞれの役割があるのかなと感じています。
1866年の創業から買収までの歴史

ジョンロブの歴史は、まるで一本の映画を見ているかのようなドラマチックな物語に満ちています。
| 年代 | 出来事 | 内容の詳細 |
|---|---|---|
| 19世紀半ば | オーストラリアへ渡航 | ゴールドラッシュに沸く豪州で、金塊を隠せる「空洞ヒールのブーツ」を考案し、靴職人として成功を収める。 |
| 1863年 | ロイヤルワラント授与 | イギリスに帰国。卓越した技術が認められ、時の皇太子エドワード7世より王室御用達を授かる。 |
| 1866年 | ロンドンで創業 | リージェント・ストリートに第1号店をオープン。「王の靴職人、靴職人の王」としての地位を確立する。 |
| 1902年 | パリ支店の開設 | 国際的な名声の高まりとともに、フランス・パリへ進出。 |
| 20世紀後半 | 経営の過渡期 | 社会のカジュアル化や職人不足、コスト増大などの荒波に直面し、伝統の維持が困難な時代を迎える。 |
| 1976年 | エルメスによる買収 | その技術を高く評価したエルメスが、ジョンロブのパリ支店を買収。文化保護的な側面を持つ大きな転換点となる。 |
| 1976年以降 | 新生ジョンロブの展開 | エルメスの資金力とレザー供給網を活かし、ビスポークの精神を受け継いだ「既製靴(レディメイド)」の世界展開を開始。 |
物語の主役であるジョン・ロブ氏は、もともとイングランドのコーンウォール出身。彼は若くしてオーストラリアへ渡り、そこでゴールドラッシュという時代の波に乗りました。ただ、彼が探したのは金そのものではなく、金を掘る人たちのための「道具」でした。
そこで考案したのが、ヒールの部分が空洞になっていて、見つけた金塊を隠せるブーツだったんです。これが大ヒットし、彼は靴職人としての名声と莫大な富を手にしました。
1863年にイギリスへ戻ると、その卓越した技術が認められ、時の皇太子エドワード7世からロイヤルワラント(王室御用達)を授かります。そして1866年、ついにロンドンのリージェント・ストリートに第一号店を構えることになりました。
これが伝説の始まりです。以来、世界中の王族や政治家、芸術家たちがこぞって彼の靴を求めるようになり、「王の靴職人、靴職人の王」という称号を不動のものにしていきました。1902年には、時代の先端を行くパリにも支店を出し、その名声は国境を越えて広がります。
しかし、20世紀後半に入ると、社会のカジュアル化や職人不足、経営コストの増大といった課題が伝統的なビスポークメーカーを襲います。そんな折、1976年に大きな転換点が訪れました。
素材と職人技に並々ならぬこだわりを持つ、あのフランスのエルメスがジョンロブのパリ支店を買収したのです。これは単なる買収というより、エルメスが「この至高の技術を失わせてはならない」という使命感を持って行った、ある種の文化保護に近い側面もあったと言われています。
エルメスの傘下に入ったことで、ジョンロブのパリ支店は豊富な資金力と世界最高のレザー供給網を手に入れました。ここから、ビスポークの精神を受け継いだまま「既製靴」として世界中の富裕層へアプローチする、新しいジョンロブの時代が幕を開けたわけです。
ジョン・ロブ氏がゴールドラッシュで考案した「隠しヒールのブーツ」から始まった革新の精神は、形を変えて今もエルメスの中で生き続けているんですね。
リミテッドとエルメス側の法的対立と背景
長年、付かず離れずの絶妙なバランスで共存してきたロンドンの「リミテッド」と、エルメス傘下の「パリ」。
しかし、2020年頃にその関係性に波紋を広げる出来事がありました。それが、商標権を巡る訴訟問題です。ニュースなどで耳にした方もいるかもしれませんが、これはブランドのアイデンティティに関わる、非常に深刻で、かつ興味深い事件でした。
昨日、英国のオーダーメイド靴メーカーJohn Lobb Ltd.が、John Lobb ParisのオーナーであるラグジュアリーグループのHermèsに対して、社名の使用権をめぐって訴訟を起こすと脅しているという、なんとも劇的なニュースが世界中に流れました。
Shoegazingより引用
事の発端は、ロンドンのリミテッド側が、エルメス側に対して「世界的な商標権に関する過去の合意は無効である」と訴えたことでした。
ロンドン側は、1976年や2008年の契約時に、自分たちが持つべき権利を誤って認識してエルメスに譲渡してしまった(共通の錯誤があった)と主張したんです。具体的には、「イギリス国内のビスポーク以外、世界中の『ジョンロブ』の名前はエルメスのもの」というルールに意義を唱えた形ですね。
結果として、英国の裁判所はこのロンドン側の主張を棄却しました。
これにより、世界市場における「John Lobb」の権利は法的にエルメスのものであることが再確認されたことになります。一見すると悲しい争いのように見えますが、私はここから、どちらの陣営にとっても「ジョンロブ」という名前がいかにかけがえのない宝物であるかを再認識しました。
こうした法的背景を知ると、私たちが日本で目にする「ジョンロブ」というブランド名に、どれほど巨大な歴史と責任が詰まっているかが分かります。ロンドンの伝統と、エルメスの戦略。この二つが火花を散らすほど、ブランドの価値は高まり続けているのかもしれません。
現在、両者はそれぞれの道を歩んでいますが、どちらも「世界最高峰の靴を作る」というゴールは同じはずです。私たちユーザーとしては、この背景にある複雑な歴史も一つのスパイスとして楽しみながら、目の前の一足に向き合いたいものですよね。
互いのロゴや刻印に見るブランドの証
靴を脱いだ時にふと目に入るインソールのロゴ。実はここにも、ジョンロブとエルメスの関係性を示す重要なサインが隠されています。ロゴや刻印のデザインは、ブランドの歴史や時代ごとの戦略を映し出す「顔」のようなものですから、注意深く見てみると非常に面白いんですよ。
まず、ロンドンのリミテッド(ビスポーク)の靴には、英国王室から授かったロイヤルワラントの紋章が誇らしげに刻印されています。

一方で、エルメス傘下のジョンロブ・パリの既製靴には、時代によっていくつかの変遷があります。
以前は少し装飾的な書体で「John Lobb Paris」と記されていましたが、近年ではより洗練されたモダンなフォントへとアップデートされています。特に2014年にデザイナーのポーラ・ジェルベース氏が就任して以降、ブランドロゴから「Bootmaker」の文字が外され、よりファッション性の高いシンプルなデザインになったのは大きなトピックでした。
また、エルメスとの密接な関係を示す証拠として、一部の限定モデルやスペシャルオーダー品では、エルメスのロゴこそ直接入りませんが、エルメスのレザー特有の質感やカラーリングがロゴ以上に「エルメスの息吹」を感じさせてくれます。
例えば、靴の裏側(アウトソール)に打たれた「JL」の飾り釘や、インソールの美しい箔押しなどは、エルメスの厳格なクオリティコントロールをパスした証といえるでしょう。
既製靴ラインがエルメス傘下で歩んだ歴史

今でこそ「ジョンロブといえば既製靴も最高」というのが常識ですが、かつてのジョンロブはビスポーク(注文靴)のみのブランドでした。その歴史を大きく変え、既製靴のマーケットに参入したのが1982年のことです。
これはエルメス傘下になってから数年後のことで、エルメスが持つ「ラグジュアリーをより多くの人に届ける」というビジネスセンスが爆発した瞬間でもありました。
参入当初、エルメスは自前で既製靴の工場を持っていませんでした。そこで白羽の矢を立てたのが、英国ノーザンプトンの名門「クロケット&ジョーンズ」や「エドワードグリーン」でした。
特に1990年代初頭には、当時経営難に陥っていたエドワードグリーンの旧工場をエルメスが買収し、そこをジョンロブ専用の自社工場に作り替えるという大胆な策に出ます。この際、工場だけでなく、そこで働いていた熟練の職人たちもそのまま引き継いだというエピソードは、靴好きの間では語り草になっていますね。
これによって、ジョンロブ・パリの既製靴は「フランスの洗練されたデザイン」と「英国ノーザンプトンの質実剛健な技術」を完全に融合させることに成功しました。
190にも及ぶ工程を経て作られるグッドイヤー・ウェルテッド製法の靴は、ビスポークに勝るとも劣らないフィット感と耐久性を実現しています。2000年代に入ると、名作ラスト「7000番」の登場などにより、その人気はさらに盤石なものとなりました。
私が感じるのは、エルメスが単に名前を貸しているのではなく、職人一人ひとりの教育や工場の環境に徹底的に投資したからこそ、今のジョンロブがあるのだということです。
英国の伝統に胡坐をかかず、常に最新の技術やデザインを取り入れながら進化してきた既製靴の歴史。それは、まさにエルメスが歩んできた「職人技術の尊重と革新」の歴史そのものなんです。 (出典:エルメス・インターナショナル『アニュアルレポート(年次報告書)』)
ジョンロブがエルメスの傘下で誇る圧倒的な品質と価値

「なぜ、ジョンロブの靴はこんなに高いのか?」。その答えは、靴そのものを見れば一目瞭然ですが、さらに裏付けとなるのが「素材」です。
エルメスグループという、世界で最も贅沢なサプライチェーンの恩恵をフルに受けていること。これこそが、他ブランドが決して追いつけない決定的な差を生み出しています。
革靴とバーキンの品質的な共通点

「ジョンロブの靴は、エルメスのバーキンと同じ革を使っている」という話、皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。これ、革靴ファンの間ではもはや伝説のように語られていますが、あながち誇張ではないんです。正確に言うと、「同じランク、あるいは同じロットの最高級原皮を共有している」というのが正しい表現になります。
エルメスは革製品の頂点に君臨するブランドとして、世界中のタンナー(皮革なめし業者)から、その年、その時期に採れる最も状態の良い原皮を独占的に買い付ける力を持っています。
その中でも、傷が一切なく、キメが整い、厚みが均一な「グレード1」と呼ばれる奇跡のような皮は、まずはエルメスのバッグ部門に、そして同じエルメスグループのジョンロブへと回されます。他の多くのブランドは、その後の残りの皮の中から選ばざるを得ないというのが、この業界の厳然たる事実なんです。
例えば、エルメスのバッグで圧倒的な人気を誇る「トゴ(雄仔牛のシボ革)」。この耐久性と美しさを兼ね備えた素材が、ジョンロブのローファーやチャッカブーツに使われることがあります。
あるいは、型崩れしにくく発色の良い「エプソン」。これもジョンロブのベルトや一部のモデルに採用されています。バーキンと同じ素材で足を包む……なんとも贅沢な響きですよね。この「素材の共有」が行われているからこそ、ジョンロブの靴は磨けば磨くほど、まるで生きているかのような深みのある光沢を放つのかなと思います。
私がジョンロブの「シティII」や「フィリップII」を手に取って感じるのは、その革の圧倒的な「密度」です。触れた瞬間にしっとりと吸い付くような感覚。これは、エルメスという巨大な背景があってこそ実現できる、究極の贅沢なんですね。
世界最高峰のタンナーを共有する両ブランド

エルメスが素材の支配権を握るために行った、最も強力な戦略が「タンナーの買収」です。靴やバッグに使う革を作るには、原皮が良いだけでなく、それを魔法のように美しくなめす技術が必要。
エルメスは、世界最高峰の技術を持つタンナーを次々とグループに招き入れました。フランスの「アノネイ社(Tanneries d'Annonay)」や、かつてはJ.M.ウェストンの傘下にあった「デュ・プイ社(Tanneries du Puy)」がその代表格です。
これらのタンナーがエルメス傘下になったことは、革靴業界に激震を走らせました。なぜなら、アノネイやデュ・プイの作るボックスカーフは、世界中の高級靴メーカーにとっての生命線だったからです。
しかし、エルメスがこれらを所有したことで、ジョンロブは世界で最も良質な革を「一番最初」に、しかも「優先的」に選ぶ権利(First Refusal Right)を手に入れたのです。業界の噂では、最高の皮のトップ10%はエルメスとジョンロブが独占し、残りの90%を他社が分け合っているなんて話もあるほどです。
| 主要タンナー名 | 革の特徴 | エルメス/ジョンロブでの役割 |
|---|---|---|
| アノネイ (Annonay) | きめ細かく、適度なハリがあるボックスカーフ。 | ジョンロブの主力モデルに欠かせないスタンダード。 |
| デュ・プイ (Du Puy) | しなやかで透明感のある最高級カーフ。 | エルメスのバッグ「ケリー」や、ジョンロブのプレステージライン等。 |
| イルチア (Ilcea) | 手作業によるムラ染め(ミュージアムカーフ)が有名。 | ジョンロブ・パリのアイコン的素材。独特の奥行きを演出。 |
特に私が感動するのは、ジョンロブの象徴とも言える「ミュージアムカーフ」です。この、大理石のような美しいムラ感。これはエルメスの美学に基づいた独自のレシピと、熟練職人の手作業による色付けによって生まれます。
他ブランドでも似たような革は見かけますが、ジョンロブのそれは透明感のレベルが全く違います。「素材の王者は、供給源を握るものが制する」。まさにエルメス流のラグジュアリー戦略が、私たちの足元を支えているというわけです。
日本国内のエルメス店舗で購入可能か
さて、これだけエルメスとの関係が深いなら、「近所のエルメスのブティックに行けば、ジョンロブが並んでいるのかな?」と思うのが自然ですよね。
しかし、ここに一つ注意が必要なポイントがあります。結論から言うと、日本のエルメス店舗において、ジョンロブの靴がずらりと並んで常時販売されていることは、まずありません。
なぜかというと、日本国内では「エルメスジャポン」と「ジョンロブジャパン」という二つの別法人がそれぞれ独立してビジネスを展開しているからです。たとえエルメスグループであっても、日本における販売ルートは明確に分けられているんですね。
銀座のメゾンエルメスなど、ごく一部の旗艦店で特別に展示されていたり、VIP向けに案内されたりするケースはありますが、ふらっと立ち寄って試着・購入できるのは「ジョンロブの専門店」に限られます。
もしあなたが「エルメスのバッグに合わせるためにジョンロブの靴が欲しい」と思ったなら、まずは百貨店の紳士靴売り場や、丸の内の路面店に足を運ぶのが近道です。そこには、エルメスのブティックにも負けない、ラグジュアリーで落ち着いた空間が広がっています。
ジョンロブの財布や革小物に宿る素材の力

ジョンロブといえば靴が主役ですが、実は財布や名刺入れ、ベルトといった「革小物(レザーグッズ)」も、知る人ぞ知る名品揃いなんです。ここには、まさにエルメス直系の素材の力がこれでもかと注ぎ込まれています。個人的には、ジョンロブの小物は「世界で最も過小評価されている、最高峰の逸品」だと思っています。
例えば、ジョンロブの二つ折り財布を手に取ってみてください。使われているのは、靴と同じく厳選されたミュージアムカーフや、エルメスを象徴する型押しレザー「エプソン」など。
縫製の美しさはもちろんのこと、コバ(革の断面)の処理の丁寧さは、あのエルメスの革小物と比べても遜色ありません。それもそのはず、デザインや仕様にはエルメスのアトリエからフィードバックされたノウハウがふんだんに盛り込まれているからです。
「いつかはエルメスのバッグを」と思っていても、現実的には予算のハードルが高いもの。しかし、ジョンロブの名刺入れやコインケースなら、数万円から手に届く範囲にあります。
エルメスが認めた最高ランクの革を、日常的に触れて楽しむことができる。これって、実はものすごくコストパフォーマンスが良いことだと思いませんか?
私自身、ジョンロブの小物を使い始めてから、他のブランドの革ではどこか物足りなさを感じるようになってしまいました。自分へのご褒美はもちろん、大切な人へのプレゼントとしても、ジョンロブの小物は「間違いのない選択」になるはずです。
修理や中古市場での評価と価値
一足数十万円もするジョンロブですが、それを「高い買い物」で終わらせない仕組みが、その「資産価値」と「リペア体制」にあります。エルメスグループがバックボーンにいることで、この安心感は他のどのブランドよりも強固なものになっているなと感じます。
まず修理についてですが、ジョンロブは純正の「リペアサービス」を提供しています。これが素晴らしいんです。靴をイギリスのノーザンプトンにある自社工場に送り、製造時と同じ木型に乗せて、熟練の職人がオールソール(靴底の張り替え)を行うのです。
また、セカンダリーマーケット(中古市場)での人気も圧倒的です。大手リユースショップやオークションサイトでは、ジョンロブの定番モデルは「入荷すれば即売れ」の常連。
もし万が一、サイズが合わなくなったり好みが変わったりしても、高く売ることができる。つまり、購入価格の多くが「資産」として手元に残るようなものなんです。
そう考えると、ジョンロブを買うことは、単なる浪費ではなく、価値の落ちにくい「実用的な美術品」へ投資しているような感覚に近いかもしれませんね。長く履いて、自分だけのヴィンテージに育てる。そしてその価値が世界中で認められている。これこそが、ジョンロブとエルメスが提供する究極の満足感なのかなと思います。
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【総括】ジョンロブとエルメスのラグジュアリー戦略
ここまでジョンロブとエルメスの深い関係性についてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。伝統あるイギリスの靴作りと、世界最高の贅沢を知るフランスの感性。この二つが、1976年の出会いから今日まで、お互いを高め合いながら歩んできた歴史そのものが、今、皆さんの目の前にある一足の靴に凝縮されているんです。
現在、ジョンロブは「ニュースタンダード」というコンセプトを掲げ、さらなる進化を遂げています。伝統を守ることは、ただ形を変えないことではなく、その精神を今の時代に合わせて表現し続けることなんだなと、私は彼らの姿勢から教えられた気がします。
ジョンロブの靴を履く。それは、単に足元を飾ること以上の意味を持っています。
それは、エルメスが大切にしてきた「最高級の素材」と「職人への敬意」、そしてイギリスが育んできた「ジェントルマンの品格」を、自分の肌で感じる体験です。決して安い買い物ではありませんが、その一足があなたの自信を深め、毎日を少しだけ特別なものに変えてくれるはずですよ。
