こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!
高級革靴の二大巨頭、ジョンロブとオールデンのどっちにするか、悩んでいる方は多いですよね。格上の美しさを誇るジョンロブか、あるいは資産価値も高いオールデンか。コードバンの質感やサイズ感、そして年々上がる価格や中古市場でのリセールバリューなど、比較ポイントは尽きません。
今回はビジネスやカジュアルといった用途に合わせて、後悔しない一足を選べるよう、私なりの視点で詳しくまとめてみました。
ジョンロブとオールデンのどっちを選ぶべきか徹底比較

高級既製靴の世界において、頂点に君臨するこの二つのブランド。しかし、その歩んできた歴史や目指している方向性は、驚くほど対照的です。まずは、それぞれのブランドが持つ「魂」の部分を比較してみましょう。ここを理解することで、単なる「高い靴」以上の価値が見えてくるはずですよ。
格上の風格漂うジョンロブと実用的なオールデンの差
ジョンロブ(John Lobb Paris)を語る上で欠かせないのは、その圧倒的な「美意識」です。1970年代にエルメスグループの傘下に入ったことで、ジョンロブは世界最高峰のタンナーから最上級の原皮を優先的に確保できるという、他ブランドには不可能な特権を得ました。
その結果、生み出される靴はまるで建築物のような完成度を誇ります。「キング・オブ・シューズ」と称される通り、一点の曇りもないカーフの肌理(きめ)や、職人の手仕事が光るベヴェルドウエストなど、履く人を貴族的な気分にさせてくれる格上の風格がありますね。
一方で、アメリカを代表するオールデン(Alden)は、もっと泥臭く、しかし誠実な「道具」としての側面が強いブランドです。1884年の創業以来、マサチューセッツ州で頑なに「Made in USA」を守り続けています。
興味深いのは、オールデンがかつて矯正靴(整形外科的なアプローチの靴)を数多く手掛けていたという歴史です。見た目の華やかさよりも、足の健康を守り、いかに快適に歩けるかという実用性を最優先した設計がなされています。この「無骨さ」こそが、多くの男性を虜にする理由かなと思います。
ジョンロブ・パリとロンドンの違いを整理
よく混同されがちですが、私たちが百貨店などで目にする既製靴のジョンロブは「パリ」のものです。ロンドンにある本家ジョンロブは、現在もビスポーク(注文靴)専門として独立した運営を続けています。
パリのジョンロブは、英国の伝統技術にフランス的な洒脱さを融合させた、いわば「サラブレッド」のような存在。この背景を知ると、あの洗練されたデザインにも納得がいきますね。
オールデンの守り抜く「実用美」
オールデンの魅力は、良い意味での「適当さ」にもあります。ジョンロブなら検品ではねられるような、ステッチのわずかなズレや革の個体差さえも、オールデンでは「味」として許容されます。
完璧すぎる美しさは時に緊張感を生みますが、オールデンのような懐の深い靴は、日常にスッと馴染んでくれる頼もしさがあります。
資産価値の高さで比較

「高い買い物だからこそ、失敗したくない」というのは、私を含め誰もが思う本音ですよね。ここで、ジョンロブとオールデンのリセールバリューや資産としての側面を比較してみましょう。
結論から言うと、「手放す時の価値」を重視するならオールデン、「所有する満足度」を重視するならジョンロブという図式が成り立ちます。
オールデンの、特にコードバンモデルは、世界的に慢性的な原皮不足が続いています。そのため、新品の入荷待ちが数年単位になることも珍しくありません。
この「需給のバランス」により、中古市場での価格が極めて安定しているんです。状態が良ければ定価の7割から8割程度で取引されることもありますし、限定カラー(レアカラー)に至っては定価以上のプレミア価格がつくことすらあります。まさに「履ける資産」と言っても過言ではありませんね。
対するジョンロブは、定価が20万円台、30万円台と非常に高額なため、中古市場ではどうしても価格がガクンと落ちる傾向にあります。ドレスシューズという性質上、他人の履いた跡を気にする人が多いのも理由の一つかもしれません。
ただし、それは裏を返せば「ステータスを所有する」という贅沢を味わえるということ。エルメスグループの一員であるジョンロブを履いているという事実は、ビジネスや社交の場において、言葉以上の信頼を勝ち取るための強力な武器になります。これは、数字では測れない資産価値と言えるでしょう。
リセールバリュー(再販価値)だけを考えるならオールデンが有利ですが、自分のキャリアや人生を彩る「投資」として考えるなら、ジョンロブの持つブランドパワーは圧倒的です。自分が何を優先したいかを一度整理してみるのがおすすめです。
値上げの理由や歴史が気になる方はジョンロブの値上げ2026最新情報!記事もぜひご覧ください。
コードバンの魅力で選ぶオールデン独自の存在感

「オールデンを選ぶ理由の8割はコードバンにある」と言っても過言ではないほど、この素材には魔力があります。コードバンとは、農耕馬の臀部にある非常に緻密な繊維層を削り出したもの。
シカゴの老舗タンナー、ホーウィン社が手掛ける「シェルコードバン」を独占的に使用できるのは、オールデンだけの大きな強みです。この革の最大の特徴は、何と言っても「波打つような履き皺(うね)」にあります。通常のカーフが細かなシワを刻むのに対し、コードバンはダイナミックに、まるで波のように大きくたわみます。これが光を反射した時の輝きは、本当にダイヤモンドのようですよ。
また、エイジング(経年変化)の美しさも特筆すべき点です。特に「#8(ダークバーガンディ)」は、新品時は黒に近い深い色味ですが、日光を浴びて履き込むうちに、透き通るようなワインレッドへと変化していきます。
私自身、この変化を見守るのが楽しくて、ついつい玄関で靴を眺めてしまうことがよくあります。ジョンロブのカーフが「劣化させずに維持する美しさ」だとしたら、オールデンのコードバンは「変化を楽しむ、成長する美しさ」と言えるかもしれません。
ただし、コードバンは水に非常に弱いです。雨に濡れると繊維が立ち上がり、水膨れのような跡(ブク)ができることがあります。雨の予報がある日は絶対に履かない、というのがオーナーとしての鉄則。万が一濡れてしまった場合は、早急なケアが必要になります。
理想の履き心地を叶えるラスト選びとサイズ感のコツ

どんなに素晴らしい靴でも、足に合わなければただの苦行になってしまいます。ジョンロブとオールデンでは、サイズ選びの考え方が全く異なるので注意が必要です。
| ラスト番号 | シルエット | 雰囲気・フィッティング | 代表モデル |
|---|---|---|---|
| 7000 | シャープなラウンドトゥ | 現代のジョンロブを象徴する、細身でエレガントなシルエット。 | City II, Philip II |
| 8000 | エッジの効いたチゼルトゥ | プレステージラインに多い。立体的でモダンかつドレッシー。 | Chapel, Becketts |
| 8695 | クラシックなラウンドトゥ | 伝統的な英国靴らしい、程よいボリューム感と安心感。 | City (旧), Luffield |
| 4395 | ローファー専用(ラウンド) | 普遍的な美しさを持つ。サドル部分のフィット感が特徴。 | Lopez |
| 9795 | ボリュームのあるラウンドトゥ | ダブルモンクブーツなどに使われる、重厚で力強い造形。 | William, William II |
| 0015 | スリムなロングノーズ | 非常にシャープで現代的。モードな装いにも合う。 | City III, Alder |
| 2511 | 現代的な細身のラウンドトゥ | 7000番をよりスリムにしたような、スリッポン向けのラスト。 | Thorne |
ジョンロブのラスト一覧とその特徴をまとめるとこうなります。まずジョンロブの代表格「7000ラスト」は、細身でロングノーズな現代的シルエット。
土踏まず(ウエスト)をキュッと絞り、踵(かかと)で足をしっかりホールドする設計です。英国靴らしいタイトで規律のある履き心地を求めるなら、これ以上のものはありません。私は普段のスニーカーサイズよりも1.5cmほど下げたサイズを基準にしていますが、甲高の方は羽根が開きすぎないかチェックが必要です。
一方、オールデンのサイズ感はラストによって千差万別です。最も有名な「バリーラスト」は全体的にボリュームがあり、作りもかなり大きめ。通常のUSサイズよりもハーフサイズ(0.5cm)下げるのが「鉄則」と言われています。
そして、日本で絶大な人気を誇る「モディファイドラスト」。これは土踏まずの部分を強烈に突き上げ、逆に指先は自由に動かせるように設計された、矯正靴の思想を色濃く反映したラストです。履いた瞬間に「土踏まずを支えられている!」という独特の感覚があり、一度ハマると他の靴が履けなくなると言われるほどの中毒性があります。
| ブランド | ラスト名 | 形状・特徴 | サイズ選びのポイント |
|---|---|---|---|
| ジョンロブ | 7000 | 流麗なロングノーズ。エレガントな外観。 | UKサイズ表記。ジャストサイズを推奨。 |
| ジョンロブ | 8695 | クラシックなラウンドトゥ。ややゆとりあり。 | 7000よりは幅に余裕があるが、基本は同サイズ。 |
| オールデン | バリー | アメリカンなボリューム感。踵も大きめ。 | USサイズ。通常よりハーフサイズダウンが基本。 |
| オールデン | モディファイド | バナナのようなカーブ。アーチサポート重視。 | 専門店のフィッティングを強く推奨。 |
サイズの最終的な判断は、厚手のソックスを履くのか、薄手のドレスソックスなのかによっても変わります。
初めての購入であれば、可能であれば実店舗での試着を強くおすすめします。特にオールデンのモディファイドラストは、フィッティング次第でその魅力が120%にも0%にもなる繊細なものです。
高騰する価格でも手に入れたい一生モノの最高級靴

さて、現実的なお話ですが、価格についても触れないわけにはいきません。昨今の世界情勢や為替の影響で、高級革靴の価格は信じられないスピードで高騰しています。
ジョンロブの代表作「シティII」や「フィリップII」は、今や定価20万円台から30万円台に突入しました。オールデンのコードバンモデルも、かつては10万円前後で購入できた時代がありましたが、今では18万円〜20万円近くすることも珍しくありません。「靴一足に20万円!?」と驚かれるかもしれませんが、ここにはそれだけの価値が詰まっています。
例えば、ジョンロブの靴は190もの工程を経て作られます。一つのパーツを作るのにかかる時間と手間、そしてエルメスクオリティの革質を考えれば、ある意味で適正価格とも言えるのです。
オールデンにしても、ホーウィン社の希少なコードバンを使い、熟練の職人が手作業で仕上げる工程を考えれば、決して「ブランド代」だけではありません。「良いものを長く、大切に使う」という価値観にシフトした時、これらの靴は10年、20年と履き続けられる最高にコストパフォーマンスの良い投資になるはずです。
もちろん、購入前に公式サイトなどで最新の価格を確認しておくことは忘れずに。
最近では、ジョンロブもオールデンもオンラインでの購入が可能ですが、価格改定の頻度が高いため、正規販売店の情報をこまめにチェックすることをお勧めします。また、修理(オールソールなど)の費用も数万円単位でかかるため、維持費も含めた予算計画を立てておくと安心ですね。
目的で決まるジョンロブとオールデンのどっちが正解か

これまではスペックや歴史を比較してきましたが、最終的にどちらを選ぶべきかは、あなたの「ライフスタイル」が決めてくれます。実際に自分がその靴を履いて、どこへ行き、誰と会うのか。具体的なシーンを想像しながら読み進めてみてください。
ビジネスの勝負靴にジョンロブが相応しい理由とは

あなたがもし、丸の内や大手町で働くビジネスマンだったり、あるいは重要な交渉の場に立つことが多い役職者なら、私は迷わずジョンロブをおすすめします。
ジョンロブの靴が放つオーラは、言葉を選ばずに言えば「成功者の証」です。例えば、細かなステッチが施された「フィリップII」を履いて商談に臨む時、自分自身に自信がみなぎるのを感じるはずです。足元から漂う圧倒的な清潔感と品格は、相手に対して「私は細部にまで気を配る人間です」というメッセージを無言で伝えてくれます。
また、ジョンロブのカーフは非常にキメが細かいため、丁寧な鏡面磨き(ハイシャイン)を施すと、まるでクリスタルのような輝きを放ちます。これは最高級のスーツ、例えばゼニアやロロピアーナといった繊細な生地感と最高の相性を見せてくれます。
一方で、オールデンをビジネスで履く場合は、そのボリューム感が仇となって、スーツの裾がもたついたり、カジュアルに見えすぎてしまったりすることがあります。ドレスコードが厳しい環境や、ここ一番の「勝負時」には、ジョンロブこそが最高のパートナーになるでしょう。
ジョンロブがもたらす「無言の権威」
高級靴は、自分を鼓舞するためのツールでもあります。朝、鏡の前でジョンロブの靴に足を通し、靴紐をギュッと結ぶ。
その瞬間、仕事モードへとスイッチが切り替わる感覚は、他の靴ではなかなか味わえません。この精神的なメリットこそが、ビジネスエリートにジョンロブが選ばれ続ける理由なのかなと思います。
カジュアルな服に馴染むオールデンならではの無骨さ
一方で、あなたのライフスタイルが「ジャケパン(ジャケット+パンツ)」や、休日をメインにしたカジュアルスタイルであれば、オールデンこそが正解です。
ジョンロブをデニムやチノパンに合わせるのは、正直なところ少し「頑張りすぎ」な印象を与えてしまうことがあります。しかし、オールデンなら話は別です。あの適度な丸みと重厚感は、ヴィンテージのジーンズや軍パン、あるいはバブアーのような無骨なアウターと見事に調和します。

「ドレスとカジュアルの架け橋」として、これほど優秀な靴は他にありません。
私自身、休日にオールデンの「990(プレーントゥ)」を履いて出かけるのが大好きです。歩けば歩くほど、コードバンの皺が自分の足の形に馴染んでいく感覚。雨上がりで道が少し濡れていても(本当は良くないですが)、多少の汚れを気にせずガシガシ歩けるタフさ。
こうした「道具としての使い勝手の良さ」は、オールデンならではの魅力です。オシャレを楽しみつつも、どこかリラックスした余裕を感じさせたい。そんな大人なカジュアルスタイルを目指すなら、オールデンを選んで間違いありません。
中古でも人気が高いコードバンのリセールバリュー

もしあなたが「いつか買い替えるかもしれない」と考えていたり、あるいは「最初から新品は手が届かない」と感じていたりするなら、中古市場での動向も把握しておきましょう。
オールデンは本当に中古市場での人気が凄まじいです。メルカリやヤフオクを見てみると分かりますが、状態の良いコードバンモデルは、出品から数時間で売れてしまうことも珍しくありません。これは前述した通り、世界的な供給不足が原因です。「価値が落ちにくい」というのは、趣味として靴を楽しむ上で非常に大きな安心感になりますよね。
対してジョンロブは、中古市場では「知る人ぞ知るお宝」が眠っていることがあります。定価が非常に高いため、中古になると「この状態のジョンロブがこの価格で!?」という掘り出し物に出会える確率が高いんです。
ただし、ジョンロブのカーフは非常にデリケートです。前の持ち主が適切なケアを怠っていた場合、表面からは分からないダメージ(ひび割れ予備軍など)が隠れているリスクもあります。中古で購入する場合は、信頼できるリサイクルショップや、写真で革の状態をしっかり判断できる目を養う必要があります。
中古の靴を購入する際は、特に「インソールの沈み込み」に注意してください。革靴は履く人の足型に合わせて中底が沈みます。前の人の足型が強く残っていると、自分の足に馴染むまで時間がかかったり、痛みが出たりすることがあります。
長く愛用するための正しい手入れとエイジングの極意

どちらの靴を選んだとしても、最後に決まるのはあなたの「愛情」です。最高級の靴をボロボロのまま履くことほど、格好悪いことはありません。ジョンロブであれば、日常的には馬毛ブラシでのブラッシングと、定期的な乳化性クリームでの補給で十分です。
時折、サフィール・ノワールのポリッシュを使ってつま先を薄く光らせてあげると、その靴の持つ気品がさらに引き立ちます。ジョンロブの革は元々のポテンシャルが高いため、過剰に塗りすぎず、「革本来の風合いを生かす」ケアを心がけるのがコツです。
オールデンのコードバンケアは、もう少し「格闘」に近いです。履くたびにブラッシングをするのはもちろん、水濡れによるブクが出た場合は、スティックで丁寧に押し潰す作業が必要になります。
しかし、この手間をかけることで、コードバンは驚くほど深い光沢を放ち始めます。私にとって、夜に一人でオールデンを磨く時間は、一日の疲れをリセットする大切なルーティンになっています。磨き終わった後の、あのプラスチックのような、それでいて温かみのある光沢。これを見れば、どんな苦労も吹き飛びますよ。
なお、適切なケア用品の選び方については、老舗メーカーの公式情報を参照することをお勧めします。(出典:サフィール日本公式サイト)
【結論】ジョンロブとオールデンはどっちがいいか
さて、長々と解説してきましたが、ジョンロブとオールデンのどっちにするか、少しは気持ちが固まってきましたか?私個人の見解としては、「一生に一度はどちらも履いてみてほしい」というのが本音です。
でも、最初の一足として選ぶなら、やはり自分の今の服装に合う方を選んでください。スーツ姿を完成させたいならジョンロブ、休日を共に歩む相棒が欲しいならオールデン。
どちらを選んだとしても、それはあなたの人生において、ただの靴以上の存在になるはずです。良い靴は、あなたを素敵な場所へ連れて行ってくれます。ぜひ、自信を持って最高の一足を選んでみてくださいね!
