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ヌバックのパラブーツまとめ【モデル別特徴と失敗しないサイズ選び】

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こんにちは!革の小部屋管理人の小次郎です!

パラブーツといえば、油分をたっぷり含んだリスレザーが有名ですが、最近は独特のマットな質感を持つヌバック素材に惹かれている方も多いのではないでしょうか。

ただ、ヌバックのパラブーツと一口に言っても、日々のお手入れはどうすればいいのか、雨の日の防水性は本当に大丈夫なのか、あるいは特有のエイジングがどう進むのかなど、気になるポイントがたくさんありますよね。

私自身も、あのしっとりとした手触りとラギッドな雰囲気に魅了されて色々と調べていくうちに、ヌバックならではの奥深い世界が見えてきました。ネット上の評判を見ても、その耐久性や使い勝手の良さは高く評価されていますが、サイズ感選びに苦労している方も見受けられます。

この記事では、ヌバックのパラブーツの種類やモデルごとの特徴、そして失敗しないためのコツまで、私が調べた情報を整理してお届けします。これを読めば、あなたがどのモデルを選び、どう育てていけばいいのかがきっと見えてくるはずですよ。

ポイント

  • ヌバック素材とスエードの構造的な違いと驚くべき耐久性の高さ
  • パラブーツ独自のオイルドヌバックであるグリンゴの機能的特性
  • 定番のミカエルやシャンボードにおけるヌバック特有のサイズ選び
  • マット派とツヤ派で好みが分かれるメンテナンスとエイジングのコツ

ヌバックのパラブーツが持つ魅力と定番モデルの紹介

ヌバックのパラブーツが持つ魅力と定番モデルの紹介
革の小部屋

パラブーツのラインナップにおいて、ヌバック素材は単なるバリエーションの一つではありません。

ブランドの哲学である「堅牢さ」を体現しつつ、スムースレザーにはない温かみや表情の豊かさを与えてくれる特別な存在です。まずは、ヌバックという素材の基本と、代表的なモデルがヌバックを纏うことでどんな魅力を見せてくれるのかを詳しく深掘りしていきましょう。

ポイント

  • スエードの構造的な違いと驚くべき耐久性の高さ
  • 独自のオイルドヌバックであるグリンゴの機能的特性
  • 定番のミカエルやシャンボードにおけるヌバック特有のサイズ選び
  • マット派とツヤ派で好みが分かれるメンテナンスとエイジングのコツ

スエードとの違いと物理的な耐久性

革靴に興味を持ち始めた頃、私は「ヌバック」と「スエード」を混同していました。どちらも表面が毛羽立っていて似ていますが、実はその構造は根本から異なります。

ヌバックは革の表面(銀面)をサンドペーパーなどで薄く削って起毛させたものであり、一方でスエードは革の裏面(床面)を起毛させたものです。この違いが、靴としての寿命やタフさに直結します。

比較項目ヌバック(Nubuck)スエード(Suede)
加工面革の表面(銀面)を削って起毛革の裏面(床面)を起毛
構造と強度最も緻密で強靭な「銀面」を残しているため、物理的な耐久性が非常に高い銀面を持たないため、比較的柔らかく馴染みは良いが、強度はヌバックに劣る
パラブーツの特性肉厚で弾力があり、ガシガシ履き込んでも型崩れしにくい柔らかく足当たりの良さが特徴。
オイル保持力銀面が残っているためオイルの保持力が高く、革の健康状態を維持しやすいヌバックに比べると油分の保持力は低い。
実用性スムースレザー以上にタフなポテンシャルを持つ。馴染みの良さを優先するカジュアルな用途向き。

動物の皮膚の最も外側にある「銀面」は、繊維が非常に緻密で強靭な層です。ヌバックはこの最強の層を残したまま加工されているため、起毛革の中でもトップクラスの物理的な耐久性を誇ります。

これに対し、裏面を使うスエードは柔らかく馴染みが良い反面、厚みが薄くなりがちで、強度の面ではヌバックに一歩譲ることが一般的です。パラブーツが登山靴やワークシューズをルーツに持つブランドであることを考えれば、なぜ彼らがこれほどまでにヌバックを重用するのか、その理由がよくわかりますね。

パラブーツが採用するヌバックは、特に肉厚でしっかりとした個体が厳選されています。手に取ってみると分かりますが、繊細なドレスシューズに使われるような薄いヌバックとは全く別物です。

指で押しても跳ね返してくるような弾力があり、ガシガシ履き込んでも型崩れしにくい強さがあります。まさに「一生モノの道具」を作るパラブーツらしい、妥協のない素材選びが光っています。

また、銀面が残っていることで、後述するオイルの保持力も非常に高く、長期間にわたって革の健康状態を維持しやすいというメリットもあります。見た目の優しさとは裏腹に、実はスムースレザー以上にタフなポテンシャルを秘めているのがヌバックの面白さなんです。

独自素材グリンゴが放つオイルドの質感

パラブーツのヌバックを語る上で絶対に外せないのが、「ヌバック・グリンゴ(Nubuck Gringo)」という独自の素材名称です。

これは単なる起毛革ではなく、製造段階で多量のオイルとワックスを繊維の奥深くまで染み込ませた「オイルドヌバック」の一種なんです。初めてグリンゴレザーの靴に触れたとき、その「しっとり感」には本当に驚かされました。

ヌバック・グリンゴの驚くべき特徴

  • オイル分による吸い付くようなしっとりとした触感
  • 新品時はマットで落ち着いた、深みのあるダークブラウンの色調
  • 乾燥や摩擦によって色が明るく変化するダイナミックな表情の移り変わり
  • オイルが繊維をコーティングすることによる極めて高い撥水能力

このグリンゴレザーは、触ると指に吸い付くような感覚があり、見た目にも圧倒的な重厚感があります。光の反射を抑えたマットな質感は、どこかヴィンテージの本格登山靴のような風格を漂わせていて、革好きならずとも見惚れてしまう魅力があります。

面白いのは、履き込むことで擦れた部分のオイルが移動し、色が明るくなる「チョークマーク」のような現象が起きることです。これにより、履く人の足の動きに合わせて、世界に一つだけのグラデーションが刻まれていきます。

また、オイルドレザーであるため、乾燥に強く、ヒビ割れが起きにくいのも大きな利点です。通常のヌバックがカサつきやすいのに対し、グリンゴは自ら内側に潤いを蓄えているような状態です。

そのため、多少過酷な環境で履いても革が痛みにくく、むしろ過酷な状況こそがこの素材の良さを引き立てるスパイスになります。ラギッドでありながら、どこか気品を感じさせるこの絶妙な質感こそが、パラブーツのヌバックが多くのファンを惹きつけてやまない最大の理由だと言えるでしょう。

一番人気のミカエルで楽しむラギッドな表情

パラブーツの永遠のアイコンであるチロリアンシューズ「ミカエル」とヌバックの相性は、言葉を選ばずに言えば「完璧」です。

1945年に誕生したこのモデルは、もともとエルメスがパラブーツに製作を依頼したことから始まったという華やかな逸話がありますが、その本質は山岳労働者が履いていたタフなワーク靴にあります。ヌバックが持つ野性味溢れる質感が、モデルの持つルーツと見事に共鳴しています。

ミカエルはアッパーの面積が非常に広く、パーツの継ぎ目が少ないデザインです。そのため、履き込むことで現れる「うねるような大きなシワ」が、ヌバックのマットな質感によってより立体的に、陰影深く浮かび上がります。

屈曲する部分は色が少しずつ抜けて白っぽくなり、一方で歩行時に擦れる部分は色が濃く沈んでいく。このコントラストが、スムースレザー以上に「自分だけの靴を育てている」という深い充足感を与えてくれます。

また、ミカエル特有の太い糸で縫われたモカシン部分も、ヌバック素材だと糸の質感が際立ち、より手仕事の温かみが強調されます。

ボリューミーなマルシェソールとのバランスも抜群で、太めのデニムやミリタリーパンツ、厚手のウールソックスとのコーディネートは、もはや鉄板のスタイルと言えるでしょう。

街履きとしてはもちろん、ちょっとしたアウトドアや旅行の際にも、この堅牢なヌバックのミカエルは、どんな路面状況でも安心して歩みを支えてくれる頼もしい相棒になります。履き始めの硬さが取れ、自分の足の形にヌバックが馴染みきったときの快感は、一度味わうと病みつきになりますよ。

シャンボードで実現する冬の装い

シャンボードのヌバックで実現する冬の装い
シャンボード・ヌバック

パラブーツで最も汎用性が高いと言われるUチップモデル「シャンボード」。

リスレザーのシャンボードは、その独特の光沢感からビジネスシーンでも重宝されますが、ヌバック仕様になるとそのキャラクターは大きくカジュアル寄りへとシフトします。しかし、単に「崩した」スタイルになるのではなく、そこには大人の余裕を感じさせる落ち着きが加わります。

特に秋冬のコーディネートにおいて、ヌバックのシャンボードはこれ以上ないほど重宝します。ツイードジャケットや厚手のコーデュロイパンツ、フランネルのシャツといった「温かみのある素材」に対し、スムースレザーの強い光沢は時にミスマッチになることがありますが、ヌバックのマットな質感はこれらと完璧に調和します。

「足元だけがテカテカと浮いてしまう」という悩みを抱えている人にとって、ヌバックのシャンボードは全体のトーンを落ち着かせる「バランサー」として機能してくれます。

シャンボード特有の、ぽってりとした丸みのあるトゥ(つま先)も、起毛感のあるヌバックが光を吸収することで、より一層そのフォルムが際立って見えます。

愛好家の間では、この「お団子のような可愛らしい形」をヌバックで楽しむのが通だとも言われています。また、シャンボードは「テックスソール」という自社製ラバーソールを採用しており、ヌバックの撥水性と相まって、冬の雪道や冷たい雨の日でも足元を冷えや湿気から守ってくれる実用性の高さも魅力です。

冬のお洒落を一段階引き上げたいなら、この素材を選んで間違いはないかなと思います。

ビジネスでも活躍するアヴィニョンのスマートさ

意外に知られていない事実ですが、パラブーツの母国フランスにおいて、最も売れているモデルはシャンボードではなくこの「アヴィニョン」だと言われています。

シャンボードよりも甲が低く設定され、ノーズがやや長く設計されたスマートなシルエットは、フランス人の足型によく馴染み、洗練された印象を与えます。このモデルにヌバックが採用されると、ビジネススタイルに絶妙な「脱力感」と「気品」が同居するようになります。

ヌバックのアヴィニョンは、現代のビジネスカジュアルにおいて最適解の一つと言えるでしょう。スプリットトゥ(先端のV字の縫い目)がシャープな印象を与えつつ、ヌバックの柔らかな質感がカッチリしすぎたスーツやジャケパンに程よい「隙」を作ってくれます。

これにより、相手に対して威圧感を与えず、かつ「素材にまでこだわりを持っている」という審美眼をアピールできるんです。ダークブラウンやニュイ(ネイビー)のヌバックを選べば、ネイビーやグレーのスラックスとの相性も抜群ですね。

実用面の評価も高く、半年ほど週2ペースで履き込んでも「アッパーに目立ったダメージや摩耗がほとんど見られない」というユーザーの声も多く聞かれます。

アヴィニョンはシャンボードに比べて履き口が広く、脱ぎ履きがしやすいという特徴もあるため、外回りの多いビジネスパーソンにとってもストレスが少ないモデルです。

パラブーツらしいタフさを備えつつ、都会的なスマートさを忘れない。そんな贅沢な要望を叶えてくれるのが、ヌバックのアヴィニョンなんです。公式サイトなどでも、そのシルエットの美しさは確認できますので、ぜひチェックしてみてくださいね。 (出典:Paraboot 公式サイト

夏に最適なバースは素足でも快適

夏に最適なバースは素足でも快適
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パラブーツといえば「冬の重厚な革靴」というイメージが先行しがちですが、夏の定番デッキシューズ「バース」もまた、ブランドを支える傑作です。

フランス海軍に納入されていた歴史を持つこのモデルに、あえてヌバック素材を合わせる選択は、夏のリゾートスタイルを最もエレガントに彩る方法かもしれません。バースに使われるヌバックは、グリンゴよりも少し毛足が短く整えられた「ベロア」に近い質感のものもあり、カラー展開も非常に豊富です。

バースの最大の特徴は、多くのモデルで裏地を貼らない「アンライニング」構造を採用していることです。これにヌバック素材が組み合わさると、驚くほどの履き心地の良さが生まれます。

革の裏側のしっとりと柔らかい面が直接足に触れるため、素足で履いても摩擦が少なく、驚くほど靴擦れしにくいんです。リスレザーのバースは最初少し硬さを感じることがありますが、ヌバックのバースは最初から足に吸い付くようなソフトな感触を楽しめます。

見た目の上でも、スムースレザーのデッキシューズが時として「学生っぽく」見えてしまうのに対し、ヌバックのバースは素材の持つ落ち着きによって、大人の男性にふさわしい上品な足元を演出してくれます。

ヌバックのパラブーツを長く愛用する手入れとサイズ選び

ヌバックのパラブーツを長く愛用する手入れとサイズ選び
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憧れのヌバックを手に入れたとしても、サイズが自分の足に合っていなかったり、誤ったお手入れで革の質感を損ねてしまっては、せっかくの投資が台無しです。

パラブーツは他のブランドと比較してもサイズ体系が独特ですし、ヌバックは「どう見せたいか」によってメンテナンスの正解が大きく分かれる面白い素材です。ここからは、一生モノとして使い続けるための実践的なガイドをお届けします。

ポイント

  • サイズ感と失敗しない選び方
  • 評判の良いヌバック素材が持つ高い防水性の秘密
  • 自分好みに育てるエイジングと日々の手入れ手法
  • カビや雨染みを防ぐトラブルシューティングの極意
  • 一生モノのヌバックのパラブーツを選ぶためのまとめ

サイズ感と失敗しない選び方

パラブーツのサイズ選びは、初めて購入する方にとっては最大の難所と言えるかもしれません。一般的にパラブーツの靴は、他ブランドよりも「かなり大きめ」の作りになっています。普段履いているナイキやアディダスといったスポーツスニーカーのサイズから、1.5cm〜2.0cmほど下げた数値が適正サイズになるケースが非常に多いです。例えば、スニーカーで27.5cmを履いている私の場合、パラブーツではUK8(約26.5cm)がジャストフィットでした。

サイズ選びで後悔しないための注意点

  • ヌバック(特にグリンゴ)は革が厚いため、履き始めはリスレザー以上に硬く感じることがある
  • スエードのような劇的な伸び(ストレッチ性)は期待しすぎない方が安全
  • 捨て寸(つま先の余裕)が他ブランドより短めの設計なので、指先が当たる場合はサイズを上げる
  • 「沈み込み」を計算に入れすぎると、幅が広がりすぎて踵が浮く原因になる

特にヌバックのモデルは、その厚みゆえに足馴染みに少し時間がかかる傾向があります。「革は伸びるから小さめを買え」というアドバイスを鵜呑みにして、あまりにタイトすぎるサイズを選ぶと、足の指を痛めてしまう原因になります。

理想は、「全体的に隙間なく包み込まれているが、どこも痛くない」という状態です。もし、シャンボードなどで「甲が低くて羽が閉じてしまう」といった悩みがある場合は、インソールで調整することも視野に入れて、足長(サイズ)を優先することをおすすめします。

革靴のサイズ選びに関しては、こちらの革靴を大きめで買うと失敗する?でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

評判の良いヌバック素材が持つ高い防水性の秘密

評判の良いヌバック素材が持つ高い防水性の秘密
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一般的に「起毛革は水に弱い」というイメージがありますが、パラブーツのヌバックに関して言えば、それは大きな間違いです。むしろ、雨の日こそ進んで履きたくなるほどの圧倒的な防水・撥水性能を秘めています。その秘密は、パラブーツが誇る「ノルヴェイジャン製法」と、グリンゴレザーに含まれる膨大なオイル量に隠されています。

まず、ノルヴェイジャン製法は、アッパー、インソール、ソールをL字型のウェルトで二重に縫い付ける手法で、登山靴から発展した歴史があります。

この構造自体が靴の隙間から水が侵入するのを物理的に防いでいます。さらに、ヌバック・グリンゴはその繊維の一本一本が製造段階でオイルやワックスによってコーティングされています。

そのため、新品の状態であっても水を玉のようにコロコロと弾き、革の内部にまで浸水させません。ネットの口コミでも「土砂降りの雨の中、30分歩いても靴の中はサラサラだった」という驚きの声が散見されるのは、この素材の持つ真実の姿なんです。

もちろん、過信は禁物ですが、定期的に栄養・防水スプレー(例えばM.モゥブレィのカラーフレッシュなど)を吹きかけておけば、街中での雨程度なら最強の防御力を発揮してくれます。

スムースレザーだと雨染みが目立ってしまうことがありますが、ヌバックは水が引いた後のムラも目立ちにくく、まさに「全天候型」の革靴と言えます。

雨の日にお洒落を諦めたくない人にとって、ヌバックのパラブーツはこれ以上ない心強い味方になってくれるはずです。ただし、完全防水のレインブーツではありませんので、水溜りに飛び込むような使い方は避けてくださいね。

自分好みに育てるエイジングと日々の手入れ手法

自分好みに育てるエイジングと日々の手入れ手法
ヌバック革の手入れ

ヌバックのお手入れには、所有者の美学が反映されます。大きく分けて二つの「育て方」があり、ここがパラブーツ愛好家の間で最も議論が盛り上がるポイントでもあります。あなたはどちらの表情が好みでしょうか?

① マットな質感を守る「毛起こし・ナチュラル派」

ヌバック本来の、しっとりとした起毛感と柔らかな雰囲気を維持したい場合の手法です。日々のケアは馬毛ブラシでのブラッシングがメイン。

ホコリをしっかり落とした後、ヌバック用の栄養スプレーを20cmほど離して全体に吹き付けます。最後に、乾いてから再度ブラッシングをして毛を整えることで、新品に近い優雅なマット感をキープできます。色が褪せてきたら、補色効果のあるスプレーを使うことで、鮮やかな色味を復活させることも可能です。

② ツヤを出して重厚に育てる「オイルアップ・無骨派」

あえてヌバック専用ではない、乳化性クリームや純正のグリス(ワックス)を塗り込んでいく手法です。こうすることで、立ち上がっていた毛足が寝て表面が平滑になり、スムースレザーのような、しかしより深みのある鈍い光沢が生まれます。

これを「パティーヌ(経年変化)」と呼び、ヴィンテージの風格を楽しむ層に絶大な人気があります。オイルアップすることで耐水性はさらに向上し、少々の傷も目立たなくなります。

一度この状態にすると元の起毛感に戻すのは非常に困難ですが、世界に一つだけの「自分だけのアッパー」を作り上げたいなら、このスタイルがおすすめです。

ケア項目ナチュラル派(マット)オイルアップ派(ツヤ)
使用アイテム馬毛ブラシ、防水栄養スプレー豚毛ブラシ、乳化性クリーム、グリス
仕上がりの印象上品、柔らかい、温かみがある無骨、力強い、アンティーク調
メンテナンス頻度履くたびにブラッシング推奨1〜2ヶ月に1回のクリーム塗布

カビや雨染みを防ぐトラブルシューティングの極意

どんなに大切に履いていても、予期せぬトラブルはつきものです。特にヌバックは、誤った対処をすると「シミ」や「カビ」を悪化させてしまうことがあります。

もし、大雨で靴の中までびしょ濡れになってしまった場合は、絶対にドライヤーなどで急激に乾かしてはいけません。急激な乾燥は革の油分を奪い、ひび割れ(クラック)の致命的な原因になります。まずは、新聞紙やタオルを中に詰めて水分を吸い取り、風通しの良い日陰で時間をかけて乾燥させてください。

中途半端な乾燥具合のまま放置すると、水に含まれる不純物が革の表面に浮き出て「雨染み」になります。もしシミができてしまったら、思い切って靴全体を水で濡らしたタオルで均一に湿らせ、ムラを解消してから再度乾かすのが効果的です。

また、保管場所の湿気にも注意が必要です。特に日本の梅雨時期はカビの温床になりやすいため、除湿効果のあるレッドシダー製のシューキーパーを必ず使用してください。シダーの香りは防虫・防カビ効果もあり、靴の形を整えるだけでなく、内部の衛生状態も保ってくれます。

万が一カビが生えてしまった場合は、市販のカビ除去スプレーを使用する前に、まずは固く絞った布でカビを拭き取り、陰干ししてから専用のクリーナーを使いましょう。

ヌバックは水洗いが可能な素材でもありますので、どうしても落ちない汚れや広範囲のカビがある場合は、サドルソープなどを使って丸洗いする方法もあります。ただし、丸洗いは革への負担も大きいため、不安な方はプロの靴修理店やクリーニング店に相談することをおすすめします。

日頃からのちょっとした気遣いが、靴を10年、20年と長持ちさせる秘訣ですね。

一生モノのヌバックのパラブーツを選ぶためのまとめ

ポイント

  • 高い耐久性:銀面を活かした構造で、起毛革の中でも抜群にタフ
  • 最強の防水性:オイルたっぷりの「グリンゴ」は雨の日も安心
  • 多彩なモデル:ミカエルやシャンボードなど、選ぶモデルで印象が激変
  • サイズ選び:スニーカーより1.5〜2.0cm下げたジャストサイズが基本
  • 選べるエイジング:手入れ次第で「マット」にも「ツヤ」にも育つ

ここまで、ヌバックのパラブーツが持つ多面的な魅力とその扱い方について詳しくお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。パラブーツが誇る「ノルヴェイジャン製法」や「自社製ラバーソール」という強固な土台に、ヌバックという表情豊かな素材が合わさることで、他のどのブランドにも真似できない「未完の傑作」が生まれます。

最初は独特のマットな質感に驚くかもしれませんが、履き込むほどに自分の足に馴染み、自分だけの手入れによって唯一無二の相棒へと育っていくプロセスは、一度ハマると抜け出せない面白さがあります。

雨の日でも、雪の日でも、そして晴れた日の街歩きでも。あなたのライフスタイルに寄り添い、共に時を刻んでくれるヌバックのパラブーツは、間違いなくあなたのワードローブの中で最も信頼できる存在になってくれるはずです。

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